「復活編で好きなシーンはなに?」
「ヤマト発進で最後に残った氷塊が取れると錨のマーク。これは燃えるね」
「燃えるのか」
「でも自称ヤマトファンは燃えないかもしれない」
「ええっ?」
「錨のマークがあるのは後期ヤマトだからね。第1シリーズ至上主義者には燃えない描写だろう」
「そうなるのか」
「でなければ、あれもいいよね。ゴルイ艦とすれ違ってそのままワープに入るヤマト」
「なるほど」
「1つのカットには通常1つの展開しか入れないけどさ。この場合なめらかに次の展開に入って行くんだよ」
「そのなめらかさがいいわけね」
「でなかったら、あれだよ。敵艦隊が三群出てきてさ。古代が護衛艦隊を二手に分けるんだよ。左右にね」
「うん」
「でも数が合わない。3つめの敵艦隊をどうするのだと思うじゃない」
「そうだね」
「そこで、中央の敵はヤマトが引き受けると単艦で防衛戦闘に出ていくわけだ。ここも燃えるよね」
「そうか、そういうところがいいのか」
「あとはさ。最後にブラックホールを撃ちに行くときに艦底がこすれて第3艦橋の外装が壊れていくところ。あれは完全に時代が変わった感じでいいよね」
「単純に無くなるわけわけじゃないからね」
「でなければ、逆上した上条が波動砲を撃とうとしたとき、殴る古代」
「昔の古代を見るようだね」
「でなければ、小林の出撃前の愛の告白」
「青春だねえ。って、いくつあるんですか。好きなシーン」
「えーと、好きなシーンはたくさんあるぞ。ブルーノアの反転すれ違いとか」
オマケ §
「復活編はガキが勝手に走り回るから嫌いという奴らもいるけどさ」
「うん」
「でも、それは古代の優しさであり、古代のキャラなんだよ」
「格下の若手の暴走を許しちゃうということだね」
「同格か兄貴っぽい斎藤だって、11番惑星に行きたいというわがままを聞いてしまうぐらいさ」
「そうか。だから、そういうヤマトは古代というキャラに直結しているから、古代の性格性を認めることにつながるわけか」
「だから、ヤマト復活編は沖田、土方、山南といった怖い大人が睨みを利かせていた時代と違って、むしろ自由になる。しかし、重要なポイントでは古代も鬼になる」
「上条を殴ったりするね」
「坂本もパンツ1枚で艦内一周だ」
「そういう意味では、古代も本当は怖い上司なんだけど、問題にぶつかって打ち勝とうとするガッツさえあれば背中を押してもらえる」
「そこが重要なんだね」
「結局、古代に怒られるというのは、逃げに入った時なんだよ」
「上条は精神が切れて波動砲を撃とうとして殴られるね」
「だから、波動砲さえ撃てばという発想が逃げなんだよ。精神的なね」
「なるほど」
「しかし、怖い上司というのは本当は優しいいい上司なんだ」
「そうなの?」
「いちいち文句を言うのは実は優しさがないとできない。面倒だからね」
「だから、そこであの古代に付いていこうと思うか、それとも思わないかが分水嶺だね」
「おいらなんかは付いていきたい側かな。ヤマトに乗せてはくれないだろうけど」
「アルカディア号なら気に入っただけで乗れるのにね」
「でも、乗ったあとが大変だ」
「乗るということと、自分の居場所を確保することは別問題だからね」
「そういう意味でハーロックは優しいように見えて厳しい。古代は厳しいように見えて優しい」