手元にはいくつか致命的なトラブルで組み立て継続不可能になったキットがあります。まあ、デカールを他の模型に取られて作成できなくなったF-104等もありますが、それは論外として。
その中の1つが、「ハセガワ 1/72 IV号駆逐戦車L/48後期型」です。なぜ組み立ての継続が不可能になったのか、というと、以下のような経緯です。
ずっと昔、このキットを買ったのは、久々にハセガワがミニスケールのAFVキットを出してきたので、ドイツ車両は別に好きではないが1つぐらいは作ってみるかと思ったからです。そして、気持ちよく作っている途中であの悲劇が起こったわけです。
C3という上部ハッチのパーツを取り付けようと接着剤を少量付けて車体の穴に合わせて取り付けようとしたときです。
ポロッと部品が滑ってハッチのパーツは車体の中に入り込んでしまいました。
その後、すぐに降っても音すらしなくなり、音信不通。もちろん出てきません。かといって、車体は既にハコとして組み立て済みで、ハッチの小さな穴からしか見えません。
思いあまって、車両の前部の接着部分を強引に開いて見ましたがやはり見えません。わずかな開口部ですが、それ以上開くと部品が割れてしまいそうです。
というわけでキットは数年間に眠りにつきました。たぶん2002年11月製造のキットなので、8年ぐらいということになります。
今日になって突然気になって、途中放棄されたキットを調べていたところこれも出てきました。しかも、なぜか田宮の軽巡熊野の箱の中から。
そこではたと思いました。
ハッチ1つぐらい、部品請求すればいいじゃない?
しかし、部品の価格も改定されているようだし、代引き手数料と送料を加味すると新品を買った方が安いぐらい。(安さは1/72のミニスケールの魅力の1つだ)
とはいえ、場所ふさぎの組めないキットが増えるのも面白くありません。
なんとか部品を内部からサルベージ出来ないかと試行錯誤しているときにひらめきました。
「展示しても底部はどうせほとんど見えないんだから、部品が割れても別にいいじゃない? 割れ目はあとからくっつけておけば、それで構わないんじゃない?」
というわけで底面のパーツ(B5)を小型ラジオペンチで強引にひねって、割りました。
やっと車体の内部が隙間や穴ではなく堂々と観察できるようになりました。
するとやっと分かりました。
車内の天井の変な部分にハッチのパーツが接着されてしまっています。
振っても音すらしないなずです。
ラジオペンチの先を突っ込んで、強引にはぎ取ってハッチのパーツを回収完了。そのあとで、流し込みタイプのタミヤセメントで正しい位置に綺麗に取り付けておきました。もう迷子になるんじゃないぞ。
底面のパーツもそこそこ綺麗に復元できました。
まあ、つなぎ目に跡が残るけど、そこはもう気にしないってことで。(どうせ見えない)
というわけで、たぶん8年越しのうだうだが解消された気分。ハッチが付いたキットを見て思わず嬉しくなって歌っちゃうぞ。ゆけゆけハッチ♪
このあと、一応作るだけは作るかな。でも問題はどんな色に塗るかだなあ。ドイツ車両の資料なんてほどんと持ってないし。(例によってシャーマンなら無いこともないのだが)
余談・不足部品の請求の話 §
古い製品だと価格改定があるので、インスト通りに請求しても足りないことがあります。キットではありませんが、タミヤのエアブラシの部品を請求したとき、説明書通りの金額では足りなかった経験があります。しかし、今はWeb経由である程度あたりがつけられるのがいいですね。今回はハセガワのサイトではっきりと「値上がりしている」という事実と値があり幅が確認できたので判断の材料ができて良かった良かった。結果的に部品は請求しないで済んだけど。