「やっと分かったぞ」
「何が?」
「過去現在未来へと続く時間法則に逆らって……じゃなくて」
「なんだよ」
「トリトン→ヤマト→ガ○ダムと続くアニメの流れに逆らって、ヤマトがブームの始祖になる理由だ」
「それは何?」
「反逆だ」
「どういう意味?」
「ヤマトの本質は前人未踏にあり、それは反逆だという話をしたね」
「うん」
「反逆という文化を輸出すると同時に、ヤマトは反逆される対象になった」
「それがアニメブームってこと?」
「そうだ。反逆の思想と反逆される対象をワンセットで提供したことで、ヤマトはとても便利な存在になった。だから、必然的にアニメの発想の起点はヤマトへの反逆となり、結果的に世界の中心にヤマトがあるように見える」
「みんな、ヤマトを意識して、あんなアニメはダメだと言ってアニメ作りをすると、結果的にヤマトが中心になってしまうということだね」
「皮肉なことだ。みんなが揃ってヤマトに反発すると、ヤマトが中心に位置づけられてしまう」
「そうか。だから、始祖はトリトンなのに、ヤマトが始祖であるかのように見えてしまうんだ。みんな、そこを意識しすぎたから」
「逆に言えば、トリトンは意識しにくい存在だった。いや、そうじゃないな。ヤマトに反逆するお手本になったというべきか」
「どういうこと?」
「正義への疑問、主人公の戦いへの疑問、悩みのような要素はトリトン由来とも考えられるからだ」
「でもさ。どっちもあの西崎さんがプロデュースしてるわけだよね。トリトンもヤマトも」
「そうだ。だからアニメ界は西崎さんの手の上に踊ったに過ぎない、と言えるかもしれない。どれほどこき下ろして反発しようともね。その反発思想のお手本そのものが西崎さんに由来する」
「でも、どうしてその西崎さんが変な薬物に手を出して有罪になるんだろう?」
「さあね。そこまでは知らないが、秩序に逃げ込むと楽なのに、逃げ込まなかった。だから、秩序に逃げ込んだ者達よりもストレス一杯だったのかもよ」
「秩序?」
「オタクとか萌えとかさ。そんな愚かしい秩序が世の中には一杯さ」
「なぜ愚かしいのに増えるの?」
「だから、その方が楽だからさ」
オマケ §
「昨日のニューヴェストロイアは凄かったぞ」
「え? 何が?」
「敵のメカの砲台が、まるで彗星帝国の駆逐艦の砲塔みたい」
「ええっ?」
「円形で、いくつも穴があって、ぐるぐる回転しながら撃ちまくるんだよ」
「本当にそれっぽいね」
「まあ、それだけなんだけどね」
「でも君は興奮してるみたいだね」
「あたぼうよ。これがヤマトを感じられる一瞬だ。ライブ感覚だ」
「そんなので喜んでるのは君ぐらいだと思うよ」
「かもな。でもいいさ」
「なぜ?」
「おいらが楽しければそれでいい」
「他人はどうでもいいのか? それは傲慢だな」
「そこはデスラーから学んだ。デスラー総統漫才!」
「いや、漫才じゃないから」
「ヒスでーす。デスラーでーす。三波春男でございます。ははは、総統も相当冗談がお好きで」
「違うって」
「ちなみに、白色彗星の強さを実感できるのは、彗星と都市帝国を除けばこの駆逐艦かもしれない。何しろ、あっという間にヤマトの全兵装を使用不能に追い込んだのだからね」
「ゴーランド艦隊もザバイバル戦車隊もできなかった快挙だね」
「ゆっくり飛んでくるミサイル群は対処する時間があるが、駆逐艦の素早く連射する砲塔は時間のゆとりを与えてくれない」
「その素早さが新型なのだろうね」
「大帝からお預かりした大事な駆逐艦……とミルの目の色が変わるほどだ」
「それを平然と使い潰すデスラーも傲慢だね」
「でも、そこがズォーダーに気に入られていたんだろう」
「デスラー砲発射寸前に、電話してやめさせたりはしないしね」
「その割にデスラー自身はドメルに電話してやめさせたけど」
オマケ2 §
「どうでもいい話だが偶然に知ってしまったこと。松本零士監修『宇宙戦艦ヤマト大クロニクル』発売の延期と松本零士先生トーク＆サイン会イベント中止のお知らせとお詫び」
「えっ 延期?」
「Amazonで予約してあったが、Amazonはまだ旧発売日のまま未訂正だった」
「なるほど」
「だがそれは驚きの前半に過ぎなかった」
「というと?」
「Amazonを見に行って知ってしまった。なんと『宇宙戦艦ヤマト 愛と勇気の金言集 ヤマトことば』という本が出るらしい」
「えーっ。ヤマトことばってどこまでマジなの?」
「100%マジっぽいぞ」
「なるほど。まあ、名台詞の多いヤマトだから成立するのかな?」
「というわけで、あえて言おう。いつか大クロニクルが発売される日まで今日の屈辱に耐えるんだ。それが男だ」
「男じゃない森雪はどうすればいいの?」
「ワープ中に服がなぜか脱げる。それが女だ」
「おいおい。しかし、いつか大クロニクルが発売される日か」
「その日まで、その日まで、その日ま～で～♪」
オマケよ永遠に §
「ちなみに、愛よその日までは、布施明が紅白で歌ってるのを見た記憶があるぞ」
「検索してみると紅白で歌われたアニソンはけっこう多いようだね」
「でも、ここのリストでは、これが紅白初のアニソンってことになる。画期的だ」
「まあそうかもね。聞いたときはびっくりしたし」
「ヤマトの歌を歌ってる!」
「しかも、ヤマトじゃなくて普通の歌謡曲っぽい扱いだ!」
オマケIII §
「だけど、サーシャもワープ中に脱げたんだろうか」
「波動エンジンの改良でそういう現象は起きなくなったとか」
「沖田が存命なら、そういう欠陥は直さない方がいいとか言いそうだけどな」
「でも、直ってなかったら?」
「もちろんサーシャも脱げる」
「きゃー、エッチ」
「赤ちゃんのサーシャも脱げる」
「時代が時代なら児童ポルノとして規制されかねないな」
「あ、ちょっとまて。沖田は存命だったんだ」
「そうか。そのときはまだ生きていたんだね」
「じゃあ確定だな」
「何がだよ」
