「ヤマト2とハーロックが実は双子であるという仮説は前に書いたと思う」
「原型となる物語は同じではないか、というアイデアだね」
「一方で、実ははたと気付いたのだが、さよなら銀河鉄道999とヤマトよ永遠にも同じような双子ではないだろうか」
「ええっ? さらば宇宙戦艦ヤマトじゃなくて?」
「そうだ。時期も近い」
- ヤマトよ永遠に 1980年8月2日公開
- さよなら銀河鉄道999 1981年8月1日公開
「1年離れているね」
「映画の企画で1年ぐらいは誤差のうちだ」
「それで? どのあたりが似ているのさ?」
「個別の設定を排除すると骨格レベルがあまりにもよく似ているのだ」
- 地球でパルチザンが戦っている
- 敵は機械の身体を持っている
- 主人公はパルチザン側である
- しかし、追撃を振り切って、地球から宇宙に出る
- ヒロインが宇宙で待っている (メーテルorサーシャ)
- 宇宙の彼方に敵の本拠があり、そこに行く
- ヒロインは自ら別れを選択し、地球に帰還しない
「この解釈では、森雪がヒロイン扱いされていないよ」
「そこは逆から読まないといけない」
「どういうこと?」
「上手く行っているカップルには試練が必要だ。従って、森雪はアルフォンと絡んでくれないと困る」
「完結編では森雪は素直にヤマトに乗ってるよ」
「それは、古代側に試練が課せられているからだ」
「なるほど。辞表書いちゃったしね」
「では、ヒロインは地球に残留しなければならないが、物語の骨格は宇宙でヒロインが待っていることを要求する。するとどうなる?」
「第2ヒロインの登場だ」
「しかし、森雪はヤマトの紅一点だったのだ。縁もゆかりもない別の女はヤマトに乗れないだろう。永遠にのヤマト出航とは、基本的に新人のいない出航なんだ。緊急出撃だからね」
「目新しいのは艦長ぐらいかな」
「艤装員長がそのまま艦長にスライドした感じかもね」
「それでこの話がどうなるんだい?」
「ヤマトへの乗艦経験が僅かでもある女性となると、もう消去法で赤ん坊のサーシャしか残らないんだよ。ヤマトIIIよりも前だから」
「ええっ!?」
「だから、1年で成長したという強引な設定を付けて、サーシャをお年頃にして乗せるしかないんだよ」
「えええっ!?」
更に言えば §
「実は、印象的に死ぬことで支援してくれる男性キャラとしてアルフォンとミャウダー のポジションも似ている。スカルダートと黒騎士メフィスト、サーダとプロメシュームのポジションも似ている」
「でも、黒色星団と大アンドロメダでは主従のポジションが逆だよ」
「そこだ」
「えっ?」
「いいかい。ヤマトよ永遠にの謎は、実はサーダにある。意味ありげに出てくる割に何の役割も果たさない。せいぜい酒を注ぐだけだ」
「尻尾がない」
「指紋がない、だろ」
「てへ」
「でも、それは考える人だけで十分であり、指紋は重要ではない」
「確かに」
「では逆に考えよう」
「うん」
「この物語の骨格は男性的な敵と女性的な敵の2つを頂点に必要とする。ところが、男性的な敵を上位に据えてしまうと、女性的な敵の居場所が無くなってしまうのだ。命令者と行動者が一致してしまうからだ」
「なるほど。女性が上位なら、女性が命令して男性が行動するから男性の居場所はあるわけか」
「だから、黒騎士に立場はあるが、サーダの立場は宙に浮いてしまうのだ」
オマケ §
「永遠にのヤマト出航とは、基本的に新人のいない出航なんだ、と書いたけどさ。実は。東田、西尾、大門、菊池、という新乗組員もいたようだ」
「ええっ? そんな連中いたっけ?」
「WikiPediaによると大門に至っては『ただし画面で確認できず』だそうだ」
「そうなの?」
「PERFECT MANUAL 1だと写真が1枚あるけど、ヤマト3の画面写真みたいだ。状況から見て、これに掲載されている4人並んだ写真の最も左側の赤い矢印が大門なんだろう」
「それは大門教徒もびっくりだね」
「そんな画面を探し出して掲載したPERFECT MANUALにもびっくりさ。ちなみに、東田、西尾、菊池の写真もあるし、もちろん根本杉山の写真もある。それどころか、驚くな。真田の姉の写真まである」
「真田の姉!」
「別ページには設定資料もあるが結構可愛いぞ。写真だとヘルメットかぶっていて分かりにくいけど」