「夢ってなに?」
「うん。おいら、ゴレンジャーは大好きだった」
「それで?」
「その後の戦隊は、バトルフィーバーを除いて、ゴーグル5までたぶんほとんど見ている」
「なぜ、ゴーグル5までなの?」
「ゴレンジャーが好きで、サンバルカンに理想を見るお子様としては、まるで望まない方向に作風が進み続けている、と見えたからだ」
「だから?」
「ダイナマンの第1話を見たときに、これ以上期待しても意味が無いと思った」
「そうか」
「その後の戦隊はほとんど見ていない。シンケンジャーまではね」
「たまには見たってこと?」
「ハリケンジャーは見た。3人戦隊だったのでサンバルカンの夢よもう一度と思ったが、途中で別のヒーローが合流して人数が増えてしまった。あまり期待する意味が無かった」
「そうか」
「というわけで、時代劇テイストを導入したシンケンジャーは面白かったので、そこからなし崩し的にゴセイジャーを見て、なし崩し的にゴーカイジャーの第1話を見てしまった。そして思ったのだ。期待していいんじゃないかって」
「どうして?」
「正義の味方がいて、悪い奴がいて、とりあえず倒せばいい、という安直な中身ではないからだ」
海賊船という問題 §
「ライダーWは良かったが、やはりバロムクロスしそうな感じがいい」
「わははは。実際はしないけどね」
「だからゴーカイジャーもさ。いつ海賊船がザイダベック号に変形するの?って思えるからいいのだ」
「なんか違うような……」
海賊船という問題2 §
「宇宙海賊キャプテンハーロックの血も引いているね」
「そうか?」
「反航砲戦で撃ち合って、そのあとはラム戦だ」
「反航砲戦って、我が青春のアルカディアの最後の決戦時の戦闘スタイルだね」
ジャッカーという問題 §
「ビッグワンが闘ってたよ」
「えっ?」
「ジャッカー、ジャッカー、誤認のサイボーグ」
「4人のサイボーグだって」
「ビッグワンが闘ってたので許す。ともかく許す」
「なぜ?」
「人気無くてそれでシリーズが途絶えた怨念がこれで晴らされた」
ゴレンジャーという問題 §
「ゴレンジャーハリケーンだよ」
「えっ?」
「あれはゴレンジャーストームじゃない。ゴレンジャーハリケーンだ」
「そうなの?」
「ツボが分かってるなぁ。スタッフは」
「なんか喜んでるね」
「わはは。嬉しいぞ。ライダー大戦2010のイカでビール以来かもしれない」
「それは良かったね」
「まて、話はまだ半分だ」
「えっ?」
「ゴミ清掃車が出てきて本当に敵の兵士をゴミとして吸い込むのはノリとして正しくゴレンジャーだろう」
「そこまで見るのか」
「更に言おう」
「何?」
「カレーを食べ損ねたことがゴーカイジャーが闘う(表面的な)理由なのだが、ゴレンジャーといえばカレーだ。より正確にはキレンジャー(初代)だけどな」
「そうか。そこでカレーに話がつながるのか」
スーパー戦隊という問題 §
「ゴレンジャーとジャッカー電撃隊は戦隊であるが、スーパー戦隊に含まれるかは微妙であった」
「そうだね」
「その根拠はいろいろあるが、巨大ロボがないのが痛い」
「うん」
「でも、ロボの出番が前半に来るような第1話の構成だとロボの有無はどうでもいい」
「なるほど。それで2つをスーパー戦隊に入れても問題なくなるわけだね」
お嬢様という問題 §
「ゴーカイジャーはキャラの立て方が上手い。ピンクはお嬢様だとか、グリーンは気弱な博士だとか。交換しても大差ない戦隊とは大違いだ」
「それは重要?」
「もちろんそうさ。敵の大将がガキンチョで敵も大将の扱いに苦労しそうだとか見所も多そうだ」
結局あれだ §
「結局これはあれだよ」
「なに?」
「戦隊版のディケイド。ディケイドは本来平成ライダーの世界を巡るはずが勢い余ってアマゾンの世界まで行ってしまった。それに対抗するには、同じように、バトルフィーバーという無難な一線を越えてゴレンジャーまで豪快に行くしかない」
「すいぶん期待度が高そうだね」
「主人公が偽悪者だからな」
「えっ、そうなの?」
「別に正義の味方ではないのだ。あくまで海賊。お尋ね者。でも、むやみに殺したり破壊したりしないし、現地通貨持って無いから宝石を換金して食事するなんていう基本的なルールは遵守している」
最後に §
「で、君はゴーカイジャーをどう思うんだい?」
「期待する。とりあえずな」
「これまでの戦隊とは違うってことだね」
「まあ、そういうことだ」
「見たかった戦隊が見られるかもしれないってことだね」
「まあ、既にシンケンジャーで行っていたとも言えるがね」
「ゴーカイジャーが上手く行けば、シンケンジャーが1回限りの例外じゃないって証明になるわけだね?」