「2011/03/12の17時~19時の頃にアクセスした人は読めなかったはずだ」
「どうして?」
「東京電力の節電要請に従ってサーバ群を落としていたからだ」
「なるほど」
「別に名指しで要請されるほど大口需要家ではないが、公園のスピーカーでまで節電要請が流れちゃね」
「そうか」
「ちなみに、ヤシマ作戦と称してピーク時に節電することを呼びかけている人もいたようだ」
「ヤシマ作戦って、ミライ・ヤシマ関係?」
「そうそう。ママ4のミライちゃん関係……の訳はなくて、たぶんエヴァンゲリオン」
「なるほど」
「しかし、ヤマトファンにそんなエヴァネタをぶつけて付き合うわけがない。当たり前である。ヤシマ作戦には何ら参加してない」
「えっ? でも電源落としたんだろ?」
「東京電力の要請だから落としたのであってヤシマ作戦ではない」
「さっぱり違いが分からないな」
「ではこちらの作戦名を教える。波動砲試射作戦である」
「は?」
「システムの電力を全て落とすのに、ヤシマ作戦などという大層な名前は要らない」
「そうなの?」
「ヤマトファンには、『波動砲の試射を行う。艦内の電力を全て切れ』というだけで良い」
「わはははは。そういうことか」
報道もまた楽し? §
「地震関係の報道はともかく、原発関係の報道は楽しいぞ」
「どうして?」
「シーベルトという単位が飛び交っているからだ」
「なんでそれが」
『放射能濃度14シーベルト、致死量の2倍です。即死です』
『分かってるよアナライザー』
「というわけで、分かっているからあまり熱心に報道は見てないがな」
「なんかそれは違うぞ」
「まあ、本当に致死量の放射能が漏れたら洒落にならんがな」
「なんだオチは付かないのか」
「こっちはサーバの電源を落として落ち着かないしな」
本当の苦難はこれからだ §
「しかし、電力関係の話題は壮絶の一言に尽きる」
「そうか」
「そもそも50ヘルツと60ヘルツの問題があるから、西日本から融通することもできない」
「それは痛いね」
「だから波動エンジンを始動するために全世界からエネルギーが集められるなんて話はまだまだ夢想であり、実際は西日本からの電力融通すら難しい」
「なるほど」
「統一国家日本というのもかなりの薄氷で嘘くさいと思うべきだな」
「そこまで言うかい」
「現状の電力はそうだろ?」
「まあそうだけど」
「これで更に地方分権を進めると、状態はもっと悪化するだろうな」
「うーむ。考え過ぎとも言えないか。この状況を見ると」
「現状ですら周波数の統一ができないのに、権限が分散されたら更に難しくなるぞ」
「そうだね」
「というわけで、2011/03/12はまだ揚水発電が使えるから切り抜けられるが、2011/03/13以降はもっと大変だそうだ。まあ13日は計画停電はやらないと言ってるが」
「北京、リオデジャネイロ、出力低下、電波キャッチ不能って状況が国内で起こりかねないわけだね」
「そういうことだ。真のクラウド環境にまだ移行していないから、このサーバもいつ落ちるか分からないぞ」
「真のクラウドって何?」
「広範囲の地域に分散されたサービスだよ」
「特定地域のサーバが落ちても他の地域のサーバは生き残るからサービスは受けられるというわけだね」
「逆にどんなに凄いデータセンターを構えていても、1カ所だけならそれは『なんちゃってクラウド』だ」
「ところで大手町の電源が落ちたらもしかして日本のネットが全部落ちるのかな」
「さあな」
「君の考えは?」
「ネットに頼るな。もとよりヤマトは単艦行動が基本。他人とのつながりが落ちたぐらいで騒ぐな」
「その割に東北の知り合いを心配していたみたいだけど?」
「それはそれだ」
オマケ §
「ちなみに、国鉄には485系という特急用電車がある」
「国鉄って古いぞ」
「その時代の車両だからいいのだ」
「へいへい」
「凄くいい加減に言うと、4が交直両用、8が特急用、5が順番と思えばいいかな」
「それで?」
「185系という特急用電車もある」
「先頭の1が違うね」
「1は直流用だ」
「それで?」
「三丁目の夕日にも出てくる151系電車は改造されて181系となった。その後で、183系、185系と新しい設計の違う車両が出てきたわけだ」
「うん」
「では、481系も同じだろうか」
「えーと、481、483、485と新しい設計で進化したのかってことだね?」
「そうだ」
「してるんじゃないの? わざわざ番号が違うんだから」
「ぶぶー。そうじゃありません。481系が60Hz用。483系が50Hz用。485系が50/60Hz両用なのだ。対応周波数が違うだけで実際はほとんど同じなのだ」
「ええっ?」
「実際、この3つの系列は電動車にしか差が無い。付随車は周波数関係無いからどれもクハ481やサハ481なのだ」
「なにそれ」
「結局周波数の問題では無駄が多いということだ」
「そうか」
「だから、50/60Hz両用の485系が出てくるともうそれ1本になってしまう。運用が楽だからね。でも、相変わらず先頭にはクハ481という番号の車両が付く」
「妙に捻れているね」
「そうだ」
「489系ってのが検索したら出てきたけどこれはなんだい?」
「碓氷峠を超えるためにEF63という電気機関車を連結する機能を特別に追加したタイプで、485系の亜種ってことだ」
「それでこれのどこがヤマトと関係あるの?」
「481系が生まれたのが1964年で、489系が1971年。製造終了が1979年。時期がヤマトの1974年とかぶるのだ」
「関係あるように見えてあまり関係ないぞ!」
「意外とそうでもない」
「というと?」
「電車男のテレビ版OPでも、当時の電車客車が飛び回る。DAICON4オープニングアニメのノリだが、元ネタはウルトラホーク1号は出てきても電車は出てこない。でも電車男だから電車も出てくる。しかも103系。客車は20系。やはり同時代性は意味がある」