「おいらベロってんだ」
「は?」
「ベムのリバイバルで1つ分かった意外なことがある」
「それはなんだい?」
「おいら、妖怪人間ベムが大好き。フィーリングに合う」
「怖いのが好きってこと?」
「そうじゃない。一生懸命人間になりたくて人間の規範を守ろうとする妖怪人間より、規範を守らない人間の方がずっと悪辣。なのに、その人間になりたいというどうしようもない矛盾。そこがいい」
「皮肉だね」
「リメイク版もいい。午後9時台に放送する大人向けの中身になっているが本質は同じだ。主演が独特のいい味を出しているのもポイントが高い。アニメのベムとは違うが、別の意味でいい」
「じゃあ、タイトルは間違いかよ。復活編とか日本沈没を語る気ないのかよ」
「いやいや。実は30分のアニメと1時間のドラマという取り合わせで気づいた。実はヤマトと日本沈没の関係に似ている」
「は?」
「ヤマトを放送した後、日本沈没を放送してたんだよ、昔は」
「そうか。両方とも滅亡ものだしね」
「でもさ。結局結末が違った」
「ヤマトは救われるけど、日本沈没は救われないんだね」
「そうだ。人はみな遠ざかってしまう」
「そうだね」
「しかも、日本沈没は三部作のパート1に過ぎない遠大さがあった」
「えー」
「どうしても、そこはヤマトでは負けてしまう要素だ」
「じゃあ、ヤマトはどうすればいい? 白旗?」
「それゆえの復活編だ」
「分かったぞ。復活編は本来地球滅亡エンドでしかも三部作なんだ」
「ということは、復活編2とが、日本沈没第2部のような内容になるのかも知れない」
「アマールで苦しむ地球人ってことだね」
「更に重要なポイントがある」
「なんだい?」
「支配下の複数異民族を手先に使って襲ってくる敵のイメージは、日本沈没第2部の敵である中国にイメージがかぶる」
「なんですと!」
「だからさ、復活編の移民船団はギャラクティカ的に見えるけど、それ以上に『人はみな遠ざかり』的だったのだよ」
「果しなき流れの果にヤマトは何を見る」
「少なくとも時の涙を見る……のでは無いだろう」
オマケ §
「しかしヤマトは最初から宇宙だ。今更宇宙進出はできない」
「だからこそ、ブラックホールの向こうに新世界があるのだ」
「それが日本沈没にとっての宇宙相当なんだね」