「『11月12日(土)午前8時、ヤマトクルーに集え!』という古代艦長の命令である」
「本当に集ったのかよ」
「うむ。といってもサイトにアクセスしただけだがな」
「それでどうなったの?」
「ヤマトばんざーい(ボロアパートの階段から転げ落ちる)」
「父さん……ヤマト欠乏症にかかって……」
「おいらはヤマト欠乏症だということがよくわかった」
「浴びるほどヤマトを見た後だからね」
「というわけで、ヤマト2199である。ヤマトクルーに特設サイトがあり、予告ムービーも見た」
「ヤマト2199の真実とは?」
「実は最初に見た第1印象は『軽い、迫力が無い』だった」
「イマイチなの?」
「でもさ。今回の上映はTVシリーズ第1話第2話の先行上映だと知って考えを改めた」
「劇場用アニメと映像を比較はできないわけだね」
「そうだ。それに、森雪が良かった。なので、ぜんぶ許せる気になった」
「森雪が良ければ許しちゃうのかよ」
「そんなものだろ?」
「ぎゃふん」
「だが、しかし! あくまで、TVシリーズ第1話第2話の先行上映と割り切って改めて見ると深い」
「どのへんが?」
- カプセルのバック、エロい衣服のサーシャの遺体らしい
- ガミラス艦隊、地球艦隊のデザインやカラーリングの踏襲度が高い
- 遊星爆弾も形が違うが、コンセプトは踏襲度が高い
- 上昇してくるコスモゼロのカットが意味深
- キャラの衣服がより大人っぽい
「まとめるとどういうこと?」
「リスペクト度が半端なく高い。オリジナルの尊重度が半端じゃない。しかし、変えるところは大胆に変更している」
「コスモゼロは、原作では第1話第2話には出てないしね」
「第3話になると格納庫に並んでいるのだけどね」
「ブラックタイガーが並んでいるべき場所にね」
「ともかく、このコスモゼロは何か。第1話第2話の範囲で考えると飛行機で飛ぶのは以下の3つのシーンしかない」
「火星か地球かは背景で分からないの?」
「この時期の地球は赤いから、火星と地球の区別は付きにくい」
「うーむ」
「上昇するのは、沖田艦に収容カットじゃないかと思うが、定かでは無い」
「そうか」
「そこで、改めて見ると、シャープにリファインされたコスモゼロのコクピットが少し長い。複座仕様ではなかろうか」
「古代と島が複座のコスモゼロで沖田艦に収容されているの?」
「それはワカラン。しかし、古代が第4話でいきなり乗ったコスモゼロでいきなり実戦という不自然さは解消される」
「事前に訓練生としてコスモゼロを飛ばしていた実績があれば違うわけだね」
「更に無断出撃もコスモゼロだとすると、100式探索艇で敵機の迎撃に出た不自然さも解消される。しかも複座戦闘機扱いなら島も乗れる」
「戦闘機なら敵偵察機を迎撃するのに不自然は無いわけだね」
「そうだ。でも、そこまでこだわっておきながらコスモゼロのカラーリングは原作尊重路線だ」
「そこがポイントか」
先行上映は §
「先行上映は2012年4月7日からだ」
「それで?」
「『4月7日ヤマトに遭遇。あなどりがたし』と言えるといいね」
「日記にアンダーラインを引くのだね?」
「1月7日だったらもっと良かった。2012年の1月7日は土曜日だから、この日から上映を開始することも不自然では無いだろう……と思ったけど、正月映画で一杯か」
その先に §
「出淵監督に期待すること」
「それはなんだい?」
「MS ERA 0099に対抗してYAMATO ERA 2199を作ってくれ」
「なんだよそれ」
「MS ERAは1990年版も1999年版も持ってるぞ」
「何を期待してるんだ?」
「最初のイラストがアポロ11号の足跡でさ。それから架空の宇宙未来史を追いかけていくわけだ。最初に落下した遊星爆弾を調べる人たちとか、そんなイラストがあってもいい。そして、ドックで整備されているゆきかぜ。指揮を執っている真田らしい人物が横に小さくさりげなく描いてある。そんなイラストが見たいね」
「そうか」
「行進するヤマトクルーとか。そういうのを報道カメラマンの視点か描いたイラストとか。通信を地球側で受ける家族のイラストとか」
「ヤマト乗組員が持っていた家族の写真とか?」
「そうそう。そういう生活臭のあるイラストとかね」
「ミニヤマトでみんなを励ましている少年とか?」
「そうそう。写真集としては『名も無い少年』扱いだけど、島次郎だと見れば分かるようなさりげないイラストね」
「そうか」
「でも、徴兵検査の列にさりげなく森雪が並んでいるイラストまで描くとやり過ぎだろう」
「わはははは」
オマケ §
「いろいろ考えたんだよ」
「何を?」
「ガンダム0080一番良かったのは、まあストーリーそのものなんだけど、メカのデザインに限れば凄くシャープでかっこいいペガサス級」
「艦船マニア出た。ほとんど出番無いだろう」
「でも、そこがザクよりアレックスより印象に残る」
「それで?」
「ああいう感じで、三段空母のデザインもシャープに格好良くしてくれるといいな」
「三段空母2012!」
「2012三段空母と呼べば、123となって綺麗だぞ」
「わははは。空母三段活用だ」
「他には、1回だけ異質な話を挟んでくれとか」
「どんな話?」
「昆虫好きの少年の話を名劇タッチで挿入するとか」
「でも最後は遊星爆弾で家が蒸発するんだね?」
「そうそう。歩いて帰ると三日かかるんだよ。最後の最後で名劇世界からヤマト世界に引き戻されちゃうの」
「8チャンネルから4チャンネルに戻るんだね?」
「それは関東住人しか分からないネタだから没」
オマケ2 §
「でもさ。小林誠さんにしろ、出渕裕さんにしろ、メカデザイン系の人がヤマトに関わるケースが多いなあ」
「どうしてだろう?」
「ロボットものは、どうしてロボットがキャラとかぶってしまうんだ。だから、ロボットはメカであってキャラでもある。そこで、どうしてもメカデザインの範疇で扱えない。他人が入り込む」
「そうか。ロボじゃないヤマトなら、キャラとしての側面が無いからメカデザインの腕をもっと振るいやすいってことだね」
「そうだ、凝った変形機構を考えても結局見慣れた人型になるだけ、なんてつまらない結末に悩む必要は無い」
「それがヤマトか」
「そうだ。これがヤマトだ」
オマケIII §
「その境地が行き着く先は、架空の兵器がキャラになる世界では無く、架空の兵器が風景に溶け込む世界だ」
「つまり、それがMS ERAだったわけだね」
「そうだ。格好良く戦ってるザクの絵より、ザクの残骸の上で遊んでいる子供の絵の方が数百倍良い。架空の兵器はあくまで遠景。そこには生きている人間がいなければ意味が無い」
「様々な生命が息づいているのだね?」
「そうだ。宇宙は生きているのだ」
「それで?」
「その境地をきちんと貫徹してこそ、その後でヤマトがまるで意志でもあるように勝手にスイッチが入って動くとそこが見せ場になるんだ」
「あり得ない展開だからこそ印象に残るわけだね」
オマケ2199 §
「しかしなあ。流れが予定調和過ぎる」
「どうして?」
「ガンダムはどうでもいいです。でもZZはちょっといいかな→小林誠さんヤマトに来る」
「は?」
「ガンダムはどうでもいいです。でも0080はちょっといいかな→出渕裕さんヤマトに来る」
「わははは。でも、ターンエーもちょっといいって言ってたじゃないか」
「ガンダムはどうでもいいです。でもターンエーはちょっといいかな→シド・ミードさん、既にYAMATO2520に来てた」
「ぎゃふん。まさに予定調和すぎだわ」
オマケ完結編 §
「そうそう。TVシリーズなら、アレに期待しても罰はあたるまい」
「アレ? 通信エピソード?」
「違う。アレだよ。ビーメラ星」
「ビーメラ星! 劇場版であっさり丸ごとカットされたビーメラ星!」
「しかし、TVシリーズならやれる」
「そうか」
「しかも、ダンバインでオーラバトラーをデザインした出渕裕さんだ。昆虫人間をどう描く!?」
「そこはドキドキワクワクの世界?」
「かもな。どうなるかは分からないけど」
「でも、本当に期待しているのはアナライザーへの森雪へのセクハラ三昧が現在のアニメ技術で蘇ることだろ?」
「ばれたかー」
「外道照身霊破光線じゃねえ!」
「しかしザボーガーまで復活した今、ダイヤモンド・アイのリメイクもあり得るかも知れない」
「そうだ、ヤマトまで2199として復活したぐらいだしね」