「ステキな金縛りである」
「それで?」
「デスラーとの戦闘で『エンジン出力低下、なるも航行に支障なし』と言って息絶えた徳川機関長の霊が反乱キャラの嫌疑を掛けられ、名誉を回復する映画である」
「えー」
「結局、西田敏行はこういう映画では主人公ではないが主役級をやれる俳優である。もちろん、主人公を演じる場合もある。それが良く分かる映画だ。その西田敏行が徳川機関長をやってくれ、波動エンジンに『いい子だ』と言ってくれたことはまさに凄いことだと思うぞ」
「確かに凄いのかもね」
「まさに凄いんだよ」
ストーリー §
「それでストーリーは?」
「法廷闘争ものである」
「ヤマトとは似ていないね」
「ところが、結末はまさに『イスカンダルだと思ったらそこはガミラスだった』という内容だ」
「えー」
「そもそも、死んだはずの人間がそこにいるというのもヤマト的だしな」
「そんな」
「このフネにはまるで沖田艦長がいるようだな」「いるよ、みんなと一緒にな」
「ぎゃふん」
オマケ §
「ちなみに、NHK人形劇で新三銃士を作った三谷幸喜が、洋画の三銃士を迎え撃つ邦画のステキな金縛りを作ったのは皮肉としか言いようが無いが、三谷幸喜が勝ったみたいなので、まあいいか」
「ぎゃふん」
オマケ2 §
「ちなみに、高井戸のスーパーバリュー(ホームセンター)に入ったらいきなり中島みゆきが『そ、う、や~』と歌っている歌が流れて金縛りにあったように動けなくなった」
「なんでだよ」
「宗谷物語けっこう好きだから」
「いま放送しているドラマは南極大陸だろ。あらかじめぼける前に言っておくと南極物語でも無いぞ」
「そうとも言う」
「おいおい」
「しかし、いい時代になったなあ。ああいう歌が平然とそのへんのホームセンターの店内で普通に流れているんだ」
「じゃあ、金縛りにあったように動けなくなってもいいの?」
「ステキな体験だったからな」
「オチが見えた」
「……」
オマケIII §
「問題は、南極大陸でSPACE BATTLESHIP ヤマトの余韻に浸ってまろやかな時を過ごす予定だったのに、2199とかDC版とかの予定がつぎつぎ出てきて、いっこうにゆったりした時間を満喫できないこと」
「それはしょうがない」
「どうして?」
「時間にせき立てられて旅をするのがヤマトの宿命」
「ぎゃふん」
SPACE BATTLESHIPオマケ §
「西田敏行の徳川機関長は、誠実で格好良くて人生に奥行きがあって若者を受け止められる度量があって独房の古代にも会いに行くほど気が利くいい男であるが、酒が目の前に現れると目の色が変わるおちゃめなおっさんでもある」
「おちゃめさんでいいの?」
「そのおちゃめさがいい意味で出たのが更科六兵衛のキャラだろうな」
「そうか」
「結局、SPACE BATTLESHIP ヤマトで古代の人生の男性先輩として出てきたのは沖田、真田、徳川の3人なのだが、沖田は寝てるばかりで、真田はきついばかりで、いちばん古代を受け止めたのは徳川と言えるな。そういう意味で出番は少ないが、印象的だ」
「古代が撃つ波動砲のために直接的にエンジンを動かしたのも徳川だしね」
「しかも、最後に最大の見せ場を持っていったのも徳川」
「本来なら沖田の死が最大の見せ場だったのにね」
「でも、そこでデスラーの襲撃が入って、最後の最大の死が徳川で演出されてしまった。古代の死は描かれていないので、徳川が最後にして最強」
オマケ2199 §
「速報的にメモっておくぞ」
11月18日宇宙戦艦ヤマト2199出渕裕総監督・氷川竜介氏バンダイナムコライブTVに登場!http://t.co/esHRHaRW
「ところで、出渕裕総って監督は誰?」
「馬鹿者! 出渕裕・総監督じゃ!」
「で、氷川竜介氏がいるなら、どっっかに炎川竜介氏もいてシンメトリカルドッキングするの?」
「するかっ!」
「しかし、君も完全に身動き取れなくなったね」
「ヤマト包囲網に完全に包まれた。あっちに行くとSPACE BATTLESHIP ヤマトの余韻みたいな南極大陸があって、こっちにいくと2199。向こうに行くとDC版。更に細かい話を入れたら猛烈にまわり全部がヤマトばかり」
「予想外?」
「2010年が最後のヤマトイヤーだと思っていたので、更なるヒートアップは予想外だ」
「でも、意外と驚いてないね」
「そうだ。昔のヤマトブームと同じだ。ヤマトの理解者なんて、自分を含めほとんど数人と思っていたらあっという間にブーム状況に追い越された。こっちが取り残された」
「でも、取り残されてもトミノコ族にはならなかったのだね?」
「なるかっ! ってかそれただのダジャレ」
「具体的に分かりやすい説明がある?」
「そうだな。ヤマト関係の本は本屋で見たら全部買おうと思っていた。しかし、ふと気づくととても買えないぐらい多くの本が出ていてめげた。今の状況はそれに近い」