2011年11月27日
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第2次ヤマトブームの要因

Written By: トーノZERO連絡先

「予告通り、第2次ヤマトブームの話を始めよう」

「待ってました」

「地球はヤマトの帰りを待っているんだね?」

「なんか違うぞ」

本題 §

「第2次ヤマトブームなるものは、おそらく存在する」

「復活編を皮切りに、SPACE BATTLESHIP ヤマト、DC版、2199と続くわけだね」

「では、なぜ今第2次ヤマトブームなのか」

「それに理由があるの?」

「あると気づいた」

「それはなぜ?」

「ガンダム、マクロスが死にかかっているからだ」

「は?」

「特にガンダムがやばい」

「どういう意味?」

「もう、俺ガンを考える余地がほとんど無い」

「俺ガンって、俺の考えた設定のガンダム?」

「俺の考えたモビルスーツとか、俺の考えた事件とか、俺の考えたキャラが1年戦争に入れられる余地は既にほとんど無い」

「そこまで設定は緻密じゃないだろ。名も知らぬ街に新キャラを考える余地はあるだろう」

「理屈の上ではその通り」

「えっ?」

「実際には設定の整合性を全ての作品と確保することができない。既に1人の人間が把握できる範囲を超えている」

「そうか。ある設定を考える余地は理論上はあっても、実際の手間としては不可能なんだね」

「そうだ」

「じゃあ、ファン活動が縮小しちゃうじゃない」

「その通りだ。しかし、活動ができないからといって、何かをしたい気持ちに変わりは無い。そこで、代用の別の世界を探す必要がある」

「それがヤマト? 筋が通らないよ。もっと古いタイトルだろ?」

「そうじゃない」

「えっ?」

「今時のオタクの大半はヤマトを知らないんだ。見たことが無い人もけっこう多い」

「まさか」

「ヤッターマンリメイクの時、既に『ヤッターマン見たことが無い』という層がうじゃうじゃいたんだ。まして、ヤマトだ」

「じゃあ、ヤマトは新鮮ってこと?」

「そうだ。彼らにとってはな」

「まさか。アニメなら他にあるだろ?」

「亜流ガンダムがな」

「亜流ガンダムではダメなの?」

「ダメだ。どれもスケールが小さすぎる」

「ヤマトはスケールが大きいからいいの?」

「そうだ。何しろ、重鎮大御所のかなりの割合がヤマトファン、ないし経歴上ヤマトの影響を受けている。特大スケールだ」

「そんなに?」

「だって、いくらガンダムのトミノとか、オリジンの安彦と言ったところで、ヤマトのスタッフリストに名前が出てきちゃうんだぜ」

「そうか」

「しかも、ガンダムは矛盾してはいけない価値観の世界だが、ヤマトは矛盾を楽しむ世界だ」

「えー」

「ガンダムでは設定の矛盾は訂正されるべきミスだが、ヤマトでは娯楽の1つだ。矛盾をネタに朝まで飲める」

「確かに……」

「俺ガンより俺ヤマトの方が、ずっと間口が広い。しかも楽しみ方が異質でもっと幅広い。というか、上手に矛盾を解消した俺ヤマトを考えれば褒めてもらえる。ある程度以上のファンはみんな俺ヤマトを抱えていると思っていいぞ。だから良いリメイクを作ろうとすると、どうしても俺ヤマトの要素が入り込む」

「そんなバナナ」

「しかも、ヤマトファンの世界は男(女)がいる」

「は?」

「異性がいるってことだ」

「ガンダムにだって男性ファンと女性ファンがいるじゃないか」

「ガンダム内で棲み分けている感じだ。交流がある感じではない」

「そうか」

「しかし、ヤマト世界に来ると未だに男性ファンの場所と女性ファンの場所が重なっている。文化が異質だ」

「それでも、女性からは男性キャラを見て男性は女性キャラを見るのではないの?」

「いやいや。森雪が紅一点になる世界では、男性から人気のある男性キャラも当然いて、真田さんとか男からも憧れで見られる。そこでは棲み分けは起こらない」

「男と女の真田賛歌は重なってしまうわけだね」

「更にもう1つ理由がある」

「それは何?」

「ネットの右傾化で戦艦大和的モチーフへの反発感が和らいでいる」

「えー」

「結局、ヤマトは右翼的な日本万歳一致団結的な価値観を必ずしも肯定しない。ヤマトは謀反を起こしてしまうことすらある。しかし、日本万歳一致団結的な象徴として排斥されることも多かったのが事実だ」

「そこが少し変わってきたということだね」

「もちろん、世間には左翼的な価値観を信奉する者達も根強いが、ネットに関しては右傾化も著しい。極端に右翼ないし、右翼もどきになっていないとしても、抵抗感が後退している人は多そうだ」

「でも、それはいいことなの?」

「論評は差し控えるが、ヤマトにとっては追い風になるかもしれない」

「変な人がヤマトファンの場に来る可能性が増えるとは言えないの?」

「かもな。ってか、既に来てるという可能性もあるぞ」

「ぎゃふん」

オマケ §

「じゃあ、それによって生じる状況って何?」

「次のヤマパ、YP2012には今までと違う異種人種がかなり来ることを予想すべきだろうな」

「えー」

「ヤマパ常連でもないおいらが言うことでもないけどな」

「ヤマト冬の時代を知らない人が来るってことだね」

「そうだ」

「かえって寒い時代になりそうだね」

オマケ2 §

「だがしかし。これはある意味で繰り返されたことかもしれない」

「第1次ヤマトブームの時はまだヤマパは無いって」

「いや、SF大会に勘違いしたアニメファンが大挙流入という事件があったのだ」

「なんだって?」

「SF大会といえば、欧米ならクラーク、ハインライン、アシモフが御三家。日本なら小松左京、星新一、筒井康隆が御三家」

「小説SFってことだね」

「映像にしたって、海底軍艦や昔のゴジラが基本になる」

「そこに、ロボットアニメがSFだと思ってるアニメファンが来て成立するわけがないだね」

「SFファンなら誰でも読んでる小説をネタにして楽しめるイベントとして企画されているのに、SFロボットアニメ(自称)に詳しい奴が来ても取り残されるだけだ」

「でも、DAICONはアニメやっちゃったよ」

「DAICON 3/4のオープニングアニメーションは、別にイベントの頭に上映するフィルムというだけで、イベントの目玉でもなんでもない。それを目当てに来るのは間違っている。今、ゲッサンのアオイホノオで連載しているネタはそういう世界の話だ」

「それで行き着く先は?」

「高千穂遙の、みんながSFだと言ってるアニメはSFじゃねえという告発につながるわけだ」

「今はどうなるの?」

「ヤマトとトマトを引っかけるネタは数十年前に既に寒かったという告発になるのだろうな」

オマケAGE §

「ガンダム、マクロスが死にかかっているからだ」

「は?」

「特にガンダムがやばい」

「そうか。ガンダムが持ちネタのサンライズとしては持ち直して上げ上げで行きたいからガンダムの新作はガンダムAGEなんだね?」

「AGEは上げじゃなくてエイジと読むんだって」

「そうか。上げていくぜ!」

「それはバトスピ」

「ぎゃふん」

オマケスピ §

「ちなみに、11/21のバトスピは西部警察ネタで盛り上げてくれたぜ。絶対見てるお子様にはわからねえ!」

「若いパパママだって怪しいよ」

オマケ2199 §

「というわけで、偶然面白いものを見たので更にオマケを追加する」

「コピーのコピーのコピーって……」

「別に何の問題も無い。なぜ怒る奴らがでるのかすら分からない」

「オリジナルじゃないって告発は正当なの?」

「まあ正当だろうな。それって昔のXXの焼き直し的なタイトルがそれこそうなるほどある」

「そんなに?」

「その傾向は、マニア向け、大人向けに顕著だな。まあ萌えと言い直してもいいが。むしろジャリ向けの方がマシなぐらいだ」

「なぜジャリ向けがマシなの?」

「オモチャを売るという外的要因で制約される要素が大きく、スタッフが好きなことをやれない。たとえば、子供の頃にどんなにロボットと魔法少女に浸っていようと、スポンサーがカードゲームの販促アニメ作ってくれと言われると子供の頃には慣れ親しんだこともないカードゲームアニメを作るしかない」

「それにしても、コピーのコピーのコピーって……」

「ボクは悲しきコピーロボット♪」

「は?」

「つまりさ。実はアニメそのものがコピーなんだよ。完全なオリジナルとは言えない。最初からコピーなんだ」

「ええっ?」

「だからさ。アニメは起点にならないの。アニメより前まで歴史を辿れるの。たとえば、いくらガ○ダムガ○ダムと言っても、ハインラインの宇宙の戦士とか、更に辿ろうと思えば辿れるの。ヤマトだって海底軍艦とか浮かぶ飛行島とか新戦艦高千穂とか、どんどん過去に遡れるの」

「うーむ」

「でも、そういうアニメの背景を知らないアニメファンがかなり多くて、アニメ独自の文化と錯覚している例も多いの」

「えー」

「だからさ。コピーのコピーぐらいならいいだろと思ってアニメを作ると、それは既にコピーのコピーのコピーなの」

「うーむ」

「まして、もうアニメを起点に据えてすらコピーのコピーのコピーは蔓延してるの」

「えー」

「だいたい、戦闘機がロボットに変形するネタなんて、レインボー戦隊ロビンからのものだぜ。マクロスを持ち出すまでもない」

「マクロスのコピーをした時点で既にコピーのコピーのコピーってことだね」

「まあ、集団作業である以上、みんなが知っているものを題材にしないとフィルムが作れない制約があって、コピーが産まれやすいのはやむを得ないのだろうがな」

「そうか」

「でも、そういう中で類似品がほとんど無いジャンルもあって、コピーも作られない世界がある。それはそれで目指すべき一種の理想だな」

「たとえば?」

「ズバリ、ヤマトだな。ヤマトの亜流はとても少ない。しかも、パターンとして継承されていない。コピーのコピーのコピーはかなり探さないと見つからない。見つかっても、西崎系か松本系が多い」

「そうか」

「そこから逆算して考えると見えてくるものがある」

「なに?」

「なぜ第2次ヤマトブームなのかということだ」

「えー。なぜ?」

「いいかい、コピーのコピーのコピーと言う批判に、『納得と逆ギレ』という見出しが付いていた。逆ギレする連中はコピーのコピーのコピーで良いという人たちだ。それは横に置こう。しかし、納得した人たちはどこに行く?」

「どこに行くの?」

「より原点に近い世界を志向する。コピーのコピーのコピーよりも、新鮮な旧作リメイクの方がマシだと受け止める」

「そうか。だからヤマトのリメイクは、現状に満足しない層の受け皿になり得る可能性があるわけだね」

「そうだ。そして、復活編とSPACE BATTLESHIP ヤマトは、受け皿がそこにある証明として機能したのだろう」

「そうか、ここに皿があると分かったので、次は皿に料理を盛って出せという段階に来たわけだね」

「こちらとしては意図せざる展開だけどな」

「それで皿にはどんな料理が乗ってくるの」

「誰かに誰かにきいとくれ。蓋を開けるまでそれはワカラン」

「蓋はまだか」

「まぁ~だだよぉ~(まぁだだよ)」

パーオマケン §

「ボクは悲しきコピーロボット♪って何?」

「これ」

オマケ第25話 §

「サーシャ、あなたヤマトで一緒ならどうして連絡してくれなかったの?」

「私は地球のコピー・ロボットです。森雪といいます。間違ってサーシャさんの遺体に鼻が触れてしまって……」

「まあ、だからあなたはサーシャそっくりなのね!」

「鼻は黒いですけど」

「それで看護婦もできればレーダー手もできるのね。あと、コンピュータも使えると」

「コピーした相手の知識を受け継ぎますので」

「あなたの本名は?」

「嬢90と呼んでください」

「もしかしてそのメガネを外すと……」

「元のソバカス嬢やです」

オマケ90 §

「嬢90って」

「いいかい。だからさ。嬢90というネタを飛ばした時点でジョー90のコピーなんだ」

「うん」

「でもさ。ジョー90も原点じゃなくて、元ネタとしてのスパイ・アクションの世界があるんだ」

「そうか。ここで既にコピーのコピーのコピーの世界があるんだね」

「でもさ。意識があれば違う要素を入れようとする」

「ただのコピーでは終わらない意地だね」

「でもさ。意識がなかったら入れなくていいんだよ」

「ああ、分かったぞ。だから、無意識的なコピーのコピーのコピーはつまらなくなるってことだ」

オマケジョー §

「子供の頃、再放送していたジョー90が見たかったが、友達から『あんなのつまらないよ』と言われてショックを受けた記憶が生々しい」

「そうか」

「ヤマト放送前の出来事だ」

「それで?」

「思い出すだけで泣ける話だ。涙ジョー」

「それがオチかい」

「やったぞ。あしたのジョーでもないコンドルのジョーでもない新いジョーネタ!」

「いや、どっちにしても凄く古いネタだよ」

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