「電撃ホビーマガジンの12月号にはエースコンバットの話題が載った」
「結局君はヤマトとエースコンバットだけの人間だからね」
「しかし、ショートストーリーが尻切れトンボで当然続きがあると思った」
「それで?」
「本屋で電撃ホビーマガジン1月号を見た」
「載ってたの?」
「いや。表紙に小さく新作アニメ宇宙戦艦ヤマト2199と書いてあった」
「それで買ったんだ」
「少なくとも、その記事は見たかったのだ。買うのに迷いは無かった」
電撃ホビーマガジンってなんだ? §
「最初に分かってない人もいるから説明してよ。電撃ホビーマガジンって何?」
「ガンダム中心のロボットと萌えの模型雑誌。その他の話題はほんのちょっぴり付け足し。軟弱路線まっしぐらのオタク雑誌。買っても読むページはほとんど無し」
「おいおい。なんて紹介だ」
「今月号はちょっと高かったが、萌えキャラの彩色済みフィギュアのオマケ付きだから。これで路線がまるわかりだ」
「どういうこと?」
「創意工夫を発揮して自分で作るという路線は遠景にしか無い」
「塗らなくていいなら楽でいいという発想だね」
「自分で独自性を発揮して塗るからいい、という発想は無い」
記事内容は? §
「気を取り直して、記事について聞くぞ」
「記事はカラー2ページ。全体の1/5ぐらいはDC版とカレンダーの紹介。少し模型本の紹介。説明文は氷川竜介さん。この人がメディアに露出した2199説明役でもう確定みたいだ」
「そうか」
「カレンダーはヤマト、ムサシ、シナノ(復活編のではない)のそろい踏みのイラストが紹介されているが、説明は無し」
「ふーん」
「しかし、問題はそこにはない」
「えっ?」
「以下の文章が非常に問題だ」
- 電撃ホビーマガジンはこれからの漢のロマン『宇宙戦艦ヤマト』を全力で応援します! お楽しみに!
「全力でって、気合いが入っている?」
「まさに雑誌を挙げて応援したい気分が濃厚だ」
「どうして? ロボット(かなりガンダム)と萌えキャラ中心の雑誌なんだろ? どうしてヤマトとの接点があるんだよ」
「うん。そこだ」
「えっ?」
「短期的にはロボット(特にガンダム)と萌えキャラでいいかもしれない。スケールモデルなんて扱っても儲からない」
「うん」
「でも長期的にはどうだろうか」
「えっ?」
「ロボットも萌えも長期的には縮小傾向にあり、飽きられたらおしまいだ」
「えーっ!」
「だから長期的にはロボット(特にガンダム)と萌えキャラの路線に未来は無く、それにとって代わる何かの軸を見つけないと雑誌の存続も危うい」
「まさか。それでヤマト?」
「先月号のエースコンバットは変形する架空機といってもロボットに変形しない。変形は単に速度域の変化で形状が変化するだけで、可変後退翼の延長線上でしか無い。アスラーダのエアロモードと大差ない」
「それを扱うということは、ロボットと萌えキャラ以外の軸を模索する雑誌レベルの動き?」
「それでも、エースコンバットの記事には主人公にケイ・ナガセという萌えキャラと解釈しようと思えば解釈できないわけでも無いキャラがいた。だが、ヤマトになるとそれも無い。最も強くアピールされてくるのはヤマト本体であり、女性キャラですらない。ロボットにも強攻型にも変形しない」
「分かった。ロボットと萌えが後退する穴を埋める第3の軸としてヤマトが期待されているわけだね」
「かもな。そもそもヤマトはキャラクター模型の軸になった時代もあるわけだし、ガレキではヤマト模型は未だに1つの勢力を保持している。だから、まさに『ついに来た第2次ヤマトブーム波高し』が期待されているのかもよ」
「えー。第2次ヤマトブームって」
「話は次回に続く。なぜか丁度次回公開予定のストック原稿『第2次ヤマトブームの要因』に話がつながった」
次回予告 §
再生のための自爆。
復活のための沈没。
歴史の果てから、連綿と続くこの愚かな行為。
ある者(古代)は悩み、ある者(古代)は傷つき、ある者(古代)は自らに絶望する。
だが、(大宇宙の)営みは絶えることなく続き、また誰かが呟く。
たまには波動エネルギーの臭いを嗅ぐのも悪くない。
次回『第2次ヤマトブームの要因』。
ニュータイプの修羅場が見られる銀河の歴史がまた1ページ。スペースラナウェイ!
オマケ §
「参った」
「何が?」
「次回予告を書き終わってヤマトの次のページを見たら、こういう記事だった」
- バンダイ製『1/20スコープドッグ』を使い、油彩塗料を使った汚し塗装を紹介
「きっと、スコープドッグとこの次回予告に何の関係があるのか分からない人が多数派だと思うよ」
「そんなに甘いかな」
「そうか。それ以前にスコープドッグが分からない人もかなり多いか」
「スコープドッグって、ターゲット・スコープ・オープン、って犬が叫ぶ幻の押井版ヤマトの企画だよ。嘘だけど」
「ぎゃふん」
オマケ2 §
「じゃあ、マーシィ・ドッグは?」
「宮崎駿の名探偵ホームズに対抗して押井守が企画した押井版YAMATO 2520のヒロインの名前さ。なんとヒロインが犬なんだぜ。嘘だけど」
「嘘かよ」
オマケIII §
「じゃあ、PSは?」
「バンダイ製のヤマトゲームを実行するプラットフォームの名称さ。厳密にはPS2だけど」
「ぎゃふん」
オマケ2199 §
出渕裕監督出演「バンダイナムコライブTV」レポートより
- リハーサルの時点から出渕監督と氷川氏のヤマトトークは止まることを知らず、
「分かる分かる。話したら止まらないよね」
「ガ○ダムのファンだって同じだろ。むしろ、そっちの方が情報量が多いだろう」
「ちちち。似ているようで違うだろう」
「なんで?」
「ガ○ダムの情報量というのは設定の情報量なんだよ。でもさ、一般人はMS06FとMS06F2の違いなんてどうでもいい。そんな話を延々とされてもマニア以外は引く」
「ヤマトだとどうなるの?」
「ヤマトトークのネタは、沖田艦長が18歳の古代に無理矢理酒を飲ませた、なんて話になる。すると、一般人も『えっ? そんなことアニメでやっていいの?』って誰でも驚く」
「えー。でもヤマトだってミリタリーネタばりばりじゃん」
「でもさ。ガ○ダムだとカタパルトでビームライフルを発射したとか言っても一般人はちんぷんかんぷんになるけど、ヤマトだと無重力の宇宙なのにドメル艦隊の機体が重そうに下に沈み込んでから飛んでいく、なんて話は分かる」
「えっ?って思うような変な話の宝庫がヤマトってことだね」
「そうだ。矛盾を排除しようとして筋を通した結果、面白くなくなったのがガ○ダムだ」
「そのくせ、人の形をした巨大ロボがなぜか無重力の宇宙で活躍する矛盾だけは筋を通さないのね」
「筋を通すとガ○ダムが無くなっちゃうからな」
「無くなってもいいじゃん。というか、無くすためのMAという設定でしょ。どうしてそこだけは筋を通そうとしないのかな」
「坊やだからさ」
オマケの大統領 §
「ちなみに、電撃ホビーマガジン1月号で面白いページが1ページだけあった」
「何?」
「徳光康之先生のページ。なんと、小学生時代に戦艦大和の砲身基部のカバーに気づいて可動を確保したまま模型で再現するために悪戦苦闘した様子が延々と書いてある」
「わあ」
「あの白いカバーの存在に気づく瞬間って、あるんだよね。模型ではパーツになっていないけど(今はパーツになっている場合がある)、確か実物の写真を見るとある。凄く良く分かる」
「そうか。君にも小学生時代に気づいた瞬間があるんだね」
「しかもヤマトに隣接した話題。でも、この雑誌の他の話題とはぜんぜん連動してない浮いた話題」
「その浮きっぷりが君のハートにジャストミートだね」
「うん。だから、ヤマトの2ページとこの1ページ。計3ページだけが1290円も出してこの雑誌を買った価値」
「高い雑誌だな」
「うん。さすがに普通なら買えない」