「ついに来た。DC版一般上映日波高し」
「波が高いのか!」
「綾波もびっくり」
「綾波ってなんだよ」
「2199のOPの絵コンテの人のアニメのキャラらしい」
「あやふやだな。それで? 君はどうしたの?」
「寝坊した」
「あらら」
「行列を警戒して、早めに行って待つつもりであった。何しろ、東京ではここだけ。舞台挨拶もあるとなれば、チケット争奪戦は必至。しかも、上映は1日1回きり」
「どう転んでもこの1回に賭けるしかないわけだね」
「翌日にまわりたくなければな」
「最後の保険が翌日だね」
「それにしたって、楽では無いレイトショーしか無いので、翌日の仕事に響く。できれば翌日が休みの土曜日に決めたいところだ」
「ひ~」
「ということを警戒してきっちり早起きする予定であったが寝過ごしたのだ!」
「ひでー」
「事前のアナウンスではチケット販売開始は9:30。7時に起きる予定であったが、気がついたら7時45分頃。起きられたのは地震のおかげ」
「地震さんに感謝?」
「そこから急いで巻き返して、9時には現地に到着出来たので良しとしよう」
「それでも9時には着いたのか」
「というわけで、現地にゴー。1Fではおじさんが掃除中。そこには特に行列は無い。思い切って6Fまで上がってみた。行列があった」
「やはり行列があるのか」
「20~30人ぐらい並んでたようだが、ヤマト目当てじゃなくて、初回上映のおそらくピアノマニアの客もいて、どちらも並んでいたようだ」
「えー」
「結局、ヤマトのチケットは9:30を待たずに売ってくれた。良かった」
「それで?」
「しかし、ど真ん中のいい席はもう埋まっていたようだ。いつも映画は前の方の席(B~D列)で見るので、無意識的にそのへんの席を頼んでしまった。でも、舞台挨拶には前の方の席が有利だから、これって不埒なチケットなんじゃないのか?」
「不埒なチケット? ひょっとして、プラチナチケットと言いたいのか?」
「そうとも言う」
「言わないって」
「よし、不埒なチケットを記念撮影だ。ただし席番号はモザイク掛けたぞ」
感想 §
「たかがチケットのゲットに感想があるんかい」
「ある。並んでる隣の人と話をしたが、昨夜は復活編見たと言っていた。おいらと同じ」
「みんな同じかい」
「しかし、他の会話が耳に入ったところでは良く覚えていないが6時半ぐらいには来ていた人もいるらしいぞ。それが最も早い人かは知らないが」
「ひ~」
「さて、行列はあったが最悪のケースは回避された。その理由の1つは時間ピッタリに行かないで早めに行って並ぶ大人の知恵が付いたという事情もある」
「子供の頃は?」
「時間ピッタリにさらば宇宙戦艦ヤマトを見にいってあまりの行列に見られないで帰ってきた」
「ひぇ~」
「しかし、最悪のケースが回避された理由としては、やはり手応えがイマイチだったという理由も大きいと思う」
「手応えがイマイチ? ヤマトの勢いは無いってこと?」
「いやいや。今や、ヤマトは庵野秀明が2199のOPの絵コンテというだけでニュースになるバリューがある」
「じゃあなんだよ」
「勢いが足りないのはやはり復活編だろう」
「つまり、イスカンダルに行くヤマトをもう1回見るのはOKだけど、復活はちょっと違うってことかな」
「それはワカラン。しかし、SPACE BATTLESHIP ヤマトには木村拓哉、2199には庵野秀明というネームバリューのある援軍があったが、復活編の援軍は石原都知事だ。大物は大物だが、大物過ぎてアニメに客を呼べる名前でもない」
「石原ファンの都民がこぞって来る映画ではないってことだね」
「そうだ」
「小林誠さんの名前じゃダメだってこと?」
「1つ重要なことは、仕事の内容としていくら小林誠さんの仕事が良くても、世間の知名度では庵野秀明さんに負けちゃうってことだ」
「納得いかんぞ!」
「でも、世の中はそう動いてるからしょうがない」
「だから、あちこちに『庵野秀明が2199のOPを……』というニュースが流れるのにDC版はひっそりと上映されてしまうのだね」
「復活編はSPACE BATTLESHIP ヤマトや2199と比較して、茨の園かも知れない」
「それを言うなら、茨の道」
「そうそう。茨城への道」
「それも違うぞ」
結局 §
「結局、息をするように小林とか上条とか桜井とか腹減ったとか、そういう話ができる層はヤマトファンの中でも少数派なんだろうなあ」
「腹減ったってなんだよ」
「たぶん、多数派のヤマトファンの脳裏にあるのは太田とか真田とか南部とか相原なんだよ」
「そこが微妙に違うわけだね」
「いや、第3艦橋が女の園だから復活編もいいんだ!と断言できるのはきっと少数派」