「凄く今さら感があるのだが。中野のPixiv ZingaroまでLASTEXILE GALLERY vol.2を見に行ったぞ」
「どうだった」
「凄みに絶句して帰ってきた。全部見たとは到底言えない内容だった」
「どこが凄いの?」
「設定資料を見ると、画面で見た印象とけっこう違う部分がある。しかも筋が通っている。本来はこうだったのだと良く分かる」
「ふーん。それで君はいったい何に驚いたわけだい? 全部見たとは言えない、ということは会場が広かったの?」
「いや、それほど広くはなかった」
「じゃあなぜ?」
「足許から壁面にズラリと資料が貼られ、絵コンテなどは束で置いてあって壁に貼ってすらいない。そして、設定がいちいち細かい。しかも、設定資料が1枚の絵として成立している。1枚1枚が必殺パンチ並の破壊力を持つ」
「それが足許から壁面一杯に貼ってあるわけだね」
「量と質のダブルパンチだよ」
「それで何か思ったことはあるかい?」
「遠とか近とか夾叉とか言っていた内容から、第2次大戦前夜ぐらいの状況が想定されているような気もしたけど、実際の設定は日露戦争に近いね。そういう記号性が満載だったよ。後部が飛行甲板になっているようなデザインを見て、誤解しそうな感じはあったが、実際の記号性はもっと古いものだ」
「たとえば?」
「シルヴァーナは、背負い式に配置していない主砲。左右に1門ずつ並べて配置されている砲塔。三笠あたりの主砲と副砲の配置と同じ。前ド級戦艦のムードがプンプンと漂っているよ」
「他には?」
「ヴァンシップのボンネット内。細い管がくねくねと這い回っている。これは蒸気機関車と同じ。スチームパンクなんだよ」
「蒸気で飛ぶのかい?」
「だからそこは、水ではなくクラウディア液という設定があるわけだ」
「クラウディア液が循環して浮力を得るわけだね」
全般的な感想 §
「とりあえず、ハセガワからヴァンシップの模型が出ることに関連したイベントであろうが、ともかく楽しかったね」
「楽しければいいね」
「他にはスケールアヴィエーションの飛ぶ理由の作例模型の展示もあって、充実感はかなり大きい」
「飛ぶ理由って、LASTEXILEじゃないだろ?」
「ヴァンシップが出てくるし、LASTEXILE的なクラウディア管の表現が付いているものもある」
「関連するの?」
「そう。関連する」
「世界は広がっているわけだね」
「そう。これはオープンエンドなんだよ」