「ネギま!の次の作品ということで、一応気になったのでマガジンを買ってきたぞ」
「新連載だね」
「そうだ」
「内容は大ざっぱに言うとなんだい?」
「ネギま!の続編にあたるな」
「感想はどんな感じ?」
「割と面白かったぞ。良いと思う。いや、非常に良いと思う……と言った方がいいかな」
「どのへんが?」
「ネギま!にあった萌え臭さが抜けて、普通の漫画になった」
「でも続編なんだろ?」
「そうだ。ネギま!の世界観をそのまま引き継いでいるのであり、ネギま!を読んでいると分かる描写がいくつもあるのだが、実はそれらの描写は全て遠景にあってわざわざ見ようとする者にしか見えない」
「でも共通の登場人物は出るんだろ?」
「ほぼエヴァンジェリンだけで、しかもほとんどのコマのエヴァンジェリンは大人の姿を偽装したネギま!とは違う姿で出てくるだけであり、ビジュアル的にネギま!との連続性は断絶している」
「なぜ断絶しているの?」
「それは、断絶しなければならないからだ」
「なんで?」
「子供が女子中学の先生をするというコンセプトはネギま!で使い切ったからだ。従って、もはや多数の女の子が主人公の周りにいるコンセプトは使用できないが、ファンは往々にして前作と同じコンセプトを追い求める。間違って同じコンセプトであると錯覚させると後から面倒なことになる」
「裏切られたと勘違いしたファンがアンチに変化するわけだね」
「そうだ。だから、まず作品は徹底的に断絶しなければならない」
「でもさ。少年が年長の女性の師匠から稽古を付けられて強くなるというコンセプトは同じに見えるよ」
「それはいいんだよ」
「なぜ?」
「子供の数だけ成長物語はあるからさ」
「分かった。女ばかり並べる奇抜な方法は1回限りだけど、成長物語は繰り返し可能な普遍性があるわけだね」
「そこを誤解して、またありきたりの成長物語か、見飽きた……という奴等もいるけどな。細部が見えていない証拠だ」