「ヤマト2のリメイクを望みながら、ヤマト2のリメイクは絶対に失敗すると断言する君の根拠はなんだい?」
「ヤマト2最大の問題は話に筋が通っていないことだ。たとえば、真田が散々ぶっこきおろしたアンドロメダが、なぜかその後で猛将土方の手足となって、英雄艦として繰り返し登場して沈んでいく。他にも事例がいくらでもある」
「そのことに何か意味があるのかい?」
「その通りだ。実は、この場合【アンドロメダは駄作艦であるはずなのに、それを貫徹出来なかったのは作品の問題だ】と思う人と、【アンドロメダは格好良く散ってこそアンドロメダ】と思う人の思いは両立できない。矛盾するのだ」
「な、なんだってー」
「この2つを矛盾なく両立させるのは非常に難しい」
「2本作ればいいってこと?」
「いいや。これは事例の1つに過ぎない。あらゆる問題について、複数解釈で作品を作るとすれば、バリエーションは爆発的に増えて終わる。つまり何本作っても終わらない」
「それは現実問題として【不可能】と言わないか」
「その通り。だから不可能なんだよ。不可能なものを強行すると必ず死ぬ」
「それでも、ヤマト2のリメイク希望?」
「個別には良いものがあるのに、全体が貫徹出来ていないのだ。惜しいじゃないか」
「でも不可能?」
「永遠に美しい夢でありつづける」