「普通は、空母の艦長とは艦橋にいるものであり、航空機に乗って発艦はしないものだ」
「それが普通なのだね」
「そういう意味でヤマト1974の七色星団は無理がある」
「確かに」
「ところが、ヤマト2199はもっとマシかといえば、もっと無理がある。1つの艦隊を率いていたドメルボーイズが艦載機に乗って出撃する。艦長は別に存在するが明らかに艦長より偉いドメルボーイズが艦載機に乗ってしまう」
「矛盾を解消しようとしてむしろ拡大してしまうわけだね」
「さて問題はそこには無い」
「単なる前座かよ」
「問題は【普通は、空母の艦長とは艦橋にいるものであり、航空機に乗って発艦はしないものだ】という認識は本当に正しいのかだ」
「というと?」
「相手は宇宙の彼方のガミラスだ。我々の【普通】が通じるとは限らない」
「えー」
「指揮官先頭という考え方からすれば、航空隊の隊長機に乗って先頭に立って突っ込んでいく艦長がいてもおかしくないし、それがガミラスの普通かもしれない。それはそれでありだろう」
「メンタリティは同じじゃないの?」
「それはヤマト2199だけの話」
「では、メンタリティは同じではないことを前提にすれば、ゲットーが第1空母艦長でガミラスファイターに乗っていてもいいわけだね?」
「思想が違えば組織の形態も違うわけだ」
「でも、空母は空母なの?」
「物理的な実体は思想が違っても同じような形を持つもので、空母という概念は共通なのだろう」