「このあいだ、アンドロー梅田さんとお話することが出来て光栄だった」
「誰?」
「ヤマト音楽で有名なヤマトファンだっ!」
「それで?」
「非常に重要な問題提起があった。ヤマト1977及びさらばでは【ヤマトサウンド】の表記があるが、その実態が分からないとのこと」
「なんか見たことがあるような」
「永遠にの時にポスターに書いてあったワープディメンジョンについては分かっている」
「問題はヤマトサウンドだね」
「そうだ」
「ヤマト・サウンド・オーケストラ?」
「たぶん意味が違うと思うぞ」
「それで何が問題なんだい?」
「まずはその表記を確認しようと思って、ヤマトサウンドと書いた資料を探したが出てこなかった。絶望しそうになった」
「それで?」
「でも別件の調査中に見つけた」
「どこ?」
「大クロニクル105ページの新聞広告らしきもの」
「で、ヤマトサウンドってなに?」
「うん、そこだ。大クロニクルのキャプションによると【宮川泰氏作曲のBGMのこと】と書いているがそれは裏付けを取った事実なのか。そこが気になる」
「既に確実に分かっていることは?」
「このあたりだ」
- 扱いは永遠にの【ワープディメンジョン】に近いが、映画ポスターにも出てくる【ワープディメンジョン】に対して、ヤマトサウンドは【新聞広告】にのみ見出すことができた。(ポスターには見出せなかった)
- 様々な資料をあたったが、劇場パンフを見ようとムック本を見ようと【ヤマトサウンド】という表記は出てこない。かなり限定的
- 音響であって、音楽ではない
- ヤマトサウンド表記を見出した資料はいずれも劇場名が出てくる
「以上から以下のように推定した」
- ヤマトサウンドは宮川音楽を意味しない。音響全般を示す
- ヤマトサウンドは映画の一部ではない
- ヤマトサウンドは劇場の設備の問題である
- ヤマトサウンドを再現するというイベント企画がどこからも出てこない以上、現在は一般化した設備
「それで具体的には?」
「さあ。チャンネル数の問題か、それとも重低音用スピーカーの追加か、もっと別の何かか。それは分からない。そこは是非とも真実が知りたい。当時劇場に勤務してヤマトを上映した人が真実を知っていると思う」
「そういう人からの連絡が欲しいわけだね」
「だが、連絡先は自分ではなく、アンドロー梅田さんだ」