「ヤマト2202に関する興味は既に外堀にある」
「というと?」
「このアニメはヒットするだろうか」
「判断の根拠は?」
「ヤマト2202は、シン・ゴジラや君の名はに印象が近い。おそらく、ヤマト2202の製作が本格始動した頃のヒット作だ。参考にしたか影響された可能性はあるだろ。しかし、この世界の片隅にの影響は受けていないと思う。既にヤマト2202の内容が固まった後のヒット作であったのだろうと推測する」
「それで?」
「ヤマト2202はシン・ゴジラや君の名はをストレートに受容して特に問題意識も持たなかった人たちには受け入れやすい作品だろう」
「つまり、シン・ゴジラブームや君の名ブームを担った厚い層が潜在的に客層に見込めるわけだね」
「そうだ。だから上手くやればそこそこのヒット作にはなれるだろう……というのがおいらの予想」
「では君がヤマト2202がシン・ゴジラに近いと考える根拠はなんだい?」
「まあいろいろあるが割愛しよう」
「じゃあファン層が似ている根拠は?」
「シン・ゴジラの特徴は、恐いはずのゴジラが蒲田君という愛玩動物に化けてしまったことだ。そして、ヤマト2202のファンアートを見ていると恐いはずのズォーダーやサーベーラーがやたら可愛く描かれたり、古代を邪魔する悪者のはずの山南艦長に人気があったりする」
「それは、客層が主人公に感情移入してないってことかい?」
「それは知らない」
「まあ、ある程度は根拠があるわけだね」
「状況証拠に過ぎないがね」
「では、君はなぜヤマト2202は自分が見るものではないと判断したのだ?」
「シン・ゴジラや君の名はに熱狂していないからさ」
「うーん、分かったような分からないような」
「結局、基本的なヤマト2202の抱える問題はシン・ゴジラや君の名はと共通。だから、シン・ゴジラや君の名はを見て何も問題を感じなかった人は、ヤマト2202を見ても何も問題は感じないはず。そういう人たちが多数派ならヤマト2202は十分にヒットを狙える。下手をすると、2017年の【君の名は】になれる可能性すらある」
「でも君は参加しないわけだね?」
「しない」
「君の趣味には合わないわけだね」
オマケ・2017年の【君の名は】 §
「君の名は」
「私はテレサ。テレザートのテレサ。巨大な彗星が地球に接近しています」
「どうすればテレサに会えるのですか?」
「テレザートに来るのです」
「荒野しかありません」
「そして口噛み酒を飲むのです」
「あなたは違う時間の人間だったのですね?」
オマケ・2017年の【君の名は】2 §
「こりゃ斉藤。ヤマトカクテルつくれや」
「さすがは先生、引き受けた」
「汚れた手袋でビーカーをシェイクするな」
「じゃあ、オレの唾液で口噛み酒を」
「もっと要らんわ」