「ヤマトには主に【西崎陣営】【松本陣営】が存在していて、敵対したという過去がある」
「そうだね。結果として西崎陣営が勝利したわけだね」
「しかし、最近になって良く分かってきたがこの色分けは既に古い。過去の話だ」
「今どきの望ましい認識とはなんだい?」
「【西崎陣営】の後継者は既に過去の【西崎陣営】ではなく、【松本陣営】の後継者は既に過去の【松本陣営】ではない。それに、両者はそう簡単に区別可能とは言えない。相互に強く影響を与え合っている」
「なるほど」
「それに、陣営もそう簡単には色分けできない。【白土カラー】や【勝間田カラー】が識別可能になってくると、西崎ファンでも松本ファンでもない勝間田ファンが浮上したりするので、かなり状況は複雑化している」
「つまり、裁判は世界を二つの陣営に綺麗に分けたけれど、それは裁判の都合であって、世界はそれほど明瞭に分割できないわけだね」
「そうだ。だから、大ヤマト零号が今どきのヤマトに与えた影響についての考察も可能になる」
「結局君の見解はなんだい?」
- 派閥論はもはや意味が無い
- 西崎派はかつての西崎派の価値観を継承していない
- 松本派はかつての松本派の価値観を継承していない
- 宇宙戦艦ヤマトは松本ワールドではないが、宇宙戦艦ヤマトの一部は松本ワールドであると承認しなければ話が先に進まない
- 少なくともハーロックあたりまでは視野に入れないとそもそも宇宙戦艦ヤマト論が成立しない
- ヤマト像は無数にあるが、ハーロック像も無数にある。誰の像か論じなければ何も語れない (正しい唯一のヤマトやハーロックは存在しない)
- それゆえに、ヤマトファンやハーロックファンは実は成立していない (同じものが好きとはとても言えない場合がある)
「現実問題としてハーロックファンが成立していない (実は多数派はりんたろうハーロックファンに過ぎない)のと同じように、ヤマトファンももう成立しない」
「ファンならヤマトを応援して当たり前、という理屈はもう成り立たない時代ってことだね」
「冬の時代なら団結する意味もあったがな」
「もう時代は変わったわけだね」