「3DCG屋さんとしては、試用したソフトの数は10を下らないし、昔はLightWave屋だった。最近はPoser屋だが、もうPoserでは先が見えてきたし、古いLightWaveの資産がレンダリングできないので、LightWaveどうしようかと思っていた。そんなとき、LightWave2018のキャンペーンで古いバージョンからでも同額でアップグレードできると知って興味を持った。そして、D-STORMからのDMを見て驚いた」
「なぜ?」
「予想もしなかったヤマト2202という文字を見たからだ」
さらに、これまでLightWaveによって数多くの映画やテレビアニメ作品が生み
出されてきた日本のアニメ市場を非常に重要視するNewTek社は、この新バージ
ョン「LightWave 2018」に、国内有数のアニメーションスタジオである株式会
社サブリメイション(代表取締役 小石川淳氏 本社:武蔵野市(三鷹スタジオ)
代表作:「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち」、「ひるね姫 ~知らないワタ
シの物語~」など)の社内インハウスツールとして開発された「サブリメイショ
ン・セルシェーダー(Sublimation CelShader)」を実装しました。
このサブリメイション様のご厚意により、劇場公開版の映画やテレビ番組にお
いて数多くの使用実績を誇る「サブリメイション・セルシェーダー」の恩恵を、
全てのLightWaveユーザーが得られるようになるのです。
「なるほど」
「更にD-STORMのサイトにはヤマト2202のCGスタッフへのインタビューも掲載されていたよ」
「なるほど」
「ヤマト2202はLightWaveらしい。ヤマト2199は3ds Maxらしいな。ついでに言えば、SBヤマトは確かMayaと3ds Maxだったような気がする。まあ見てるだけならどうでもいいがな」
「君は昔LightWaveだったんだね?」
「そうだな」
「君がLightWaveを選んだ理由はなんだい?」
「それより安いソフトは全部問題があったから」
「問題ってどんな?」
「いろいろだが、たとえばテクスチャマップとルミナシティマップを両方貼るとずれるとか、数値指定ができないとか。まあ90年代当時の問題だから今も同じかどうかは知らない」
「それで?」
「最低限まともに動くのはLightWaveだったが、素人がそれ以上高いソフトは買えなかったので、必然的にLightWaveになった。操作体系が独特で使いにくいって言うのもあるけどね。でも慣れると早い」
「じゃあさ。もしLightWave2018買ったら喜んでサブリメイション・セルシェーダーを使う?」
「たぶん使わない。むしろ、喜んで全否定する」
「どうしてだよ」
「3DCG画像はモデリングしたものしか含まないからもともと情報量が足りないんだよ。そういう世界から更に情報量を除去してセルルックにしてどうする。昔のLightWaveならフラクタルノイズを載せたり、疑似情報量を増やしたものだ。今のLightWaveだと、もっといろいろなノイズが使えると思うが」
「セルルックに批判的になったの?」
「ずっと昔から批判的だよ。なぜ手描きアニメの制約に3DCGが付き合う必要がある。馬鹿め」
「うわー、おこったおこった」
「要するに、サブリメイション・セルシェーダーの問題ではなく、それ以前にセルシェーダーは使いたくない。それを使うと画像が陳腐になるからね」
「何と言う結論だ」
「日本のアニメ業界人の3DCG蔑視の風潮は昔からずっとあるから、そういう差別に対抗するために抗議するなら喜んで賛成するぞ。3Dなめるな」
オマケ §
「結局さ、3DCGに取り組んだ理由としては、特撮メカみたいなことをやりたかったわけだ」
「2001やスターロストやスペース1999みたいな宇宙船を飛ばしたかったわけだね」
「ミニチュア特撮だとかなり大変だが3DCGならそれなりの手間でできるのでね」
「アニメは眼中に無い?」
「無い。あれは手で描くものだ」
「結局君の原点はどこだ?」
「おそらくマイティジャックあたり。だからもともとアニメじゃないのよ、発想が」
「アニメを常識として生きてきた人たちとは違うわけだね」
「そうそう。オタクが【2次元最高、3次元はダメ】とか言うと、【俺のMJ号が否定された!】と思ってムカッとしてしまう。感性に互換性が無い」
「ヤマトは君の出発点ではないのだね?」
「それは明確に違う」