「この本はヤマトは死んだと宣言する本ではない。そうではなく、ヤマト神話に引導を渡す本である」
「そのことはもう聞いたよ。でも、ヤマト神話に引導を渡すことに、なぜ君はこだわったのだい?」
「さあ。それは分からない。しかし結果なら明瞭に分かる」
「結果とはなんだい?」
「自分の中のヤマト神話を終わらせることに成功した」
「君の中のヤマト神話とはなんだい?」
「ヤマトだけが持つ特別観のようなものかな」
「それはどこから来たんだい?」
「いろいろな条件が重なって1974年に産まれてしまったものだろう」
「そこまで古いの?」
「しかし、一時期はかなり低調になっていた。再熱するのは2009年12月のことだ」
「復活篇公開だね」
「2009年から始まった特殊な期間はこれで終わることができたような気がする。長い回り道ではあったが、もっと別の本来あるべき道に進める」
「それだけ?」
「1974年以来続いていた長い悪夢から解放されたような気がするよ」
「もうヤマトは嫌いになってしまったの?」
「そういう意味ではない。死を与えられたのはあくまでヤマト神話であってヤマトそのものではないからだ」
「なるほど」
「ただし、宇宙戦艦ヤマト・イズ・デッド Kindle版を書く過程で、21世紀ヤマトは文化的出自が異なっていることを明らかにしてしまったので、不快感が発生する理由も良く分かった。だから、はっきりと明示的に宣言するが、宇宙戦艦ヤマトというタイトルを冠する全ての作品を歓迎するわけではないよ」
「ガミラスが滅びないリメイクなど要らない?」
「そういう意味じゃない。もっともっと根深いところで断絶がある」
「その断絶とは? このブログに書いてある?」
「たぶん書いていない。宇宙戦艦ヤマト・イズ・デッド Kindle版に書いてあるよ」