「バンドッグの名前が実はちょっと気になって調べてみたんだ」
「どう気になるんだい?」
「なぜバンドッグは番犬なのか」
「犬がドッグだから番ドッグじゃないの?」
「実はそういう単純な話ではないらしい」
「えー」
「WikiPediaによるとバンドッグの意味はこうだ」
- バンドッグ(英:Bandog)は、主に警備をさせることを目的に交配・作出されたマスティフ犬の雑種やその系統の犬のことである。 「バンドッグ」の名の意味は「紐(バンド、もしくは縄とも意訳される)につながれた番犬」を意味している。
「紐に繋がれた番犬か」
「だから番犬だとwatchdogになるが、Bandogは番犬の一種ということになる」
「なるほど」
「ACE7のバンドッグは基地司令の命令に従わねばならないから、【紐に繋がれている】というニュアンスになるのだろう」
「まさにバンドッグはバンドッグだったわけだね」
「そう。そして、彼は番犬なんだ」
「では、バンドッグが番犬であることの理由に、バンの音が重なっているという理由はないのだね?」
「本来はない。だが、あまりにはまりすぎというのも事実だ。意識的にバンドッグ=番ドッグという音を重ねて来た可能性もある」
「もしそうなら、英語と日本語をまたいだ壮大な言葉遊びが存在するわけだね」
余談 §
「とすれば、バンドッグは凶悪な看守ではなく、無能な上司と反抗的な囚人の間に挟まれた哀れな中間管理職ということになる」
「そうするとどうなんだ?」
「フルバンドが落ちたのは魔が差しただけなのか、それとも本当に間違いだっただけなのか分からなくなる」
「えー」
「もっともバンドッグは初出撃のトリガーが着陸に失敗しても賭けに勝つか確認していたから、割と本当に自分の都合で囚人を消耗させる気だったという可能性もある」
「でもさ。そんなことをしたら、それはそれでまずいんじゃない?」
「そう。どう見たってバンドッグは精神を病んでいる。バンドッグの振る舞いをどう解釈しても最終的に彼の精神は病んでいたという結論にしかならない」
「むしろ囚人達の精神の方が健全だってことだね」
「そう。基地司令に皮肉を言って独房に入る囚人達の方がずっと精神的には健全」