「実は最近あることに気付いた」
「それはなんだい?」
「メールサーバにインストールされていたそこそこ新しい世代のspamフィルタを停止して、時代遅れのWinBiffの内蔵spamフィルタに切り換えたら状況が圧倒的に改善された」
「どういうことだよ」
「従来使っていたspamフィルタは、とてつもなく重いサーバ側のspamフィルタで、二段階認証の通知メールがすぐに届かずタイムアウトするほど。仕事にも支障が出てきたのでそれで止むを得ず切った。そうしたら、サーバ側の重さが消えて全てのメールが一瞬で届くようになった」
「spamのフィルタは?」
「時代遅れWinBiffのspamフィルタに最新NGメールとOKメールを学習させたら、ずっと良好な判定をしてくれるので目が点になった」
「えー」
「通常メールをspam判定することはほとんどない。少しinboxにspamが入り込んでくるが、それはその都度手動で対処できるレベルだ。目を皿のようにしてspamフォルダを見ないで良くなった」
「それは驚きだね」
「技術って本当に進歩しているのだろうか」
「さあ」
「少なくとも自分で学習させた方がマシってことはあるかもしれない」
「自分のメールボックスへの適応性は上がるね」
「そうだ」
「ところで、そもそもなんでWinBiffみたいな古いソフトをまだ使っているんだよ」
「ファイルの構造がとてもシンプルでな。最悪テキストエディタとgrepで処理できるから、なかなか離れられない」
「どんなにgmailが高機能でもデータがブラックボックスの中に入ってしまっては腰が引けちゃうわけだね」
「クラウドの闇だよ。何でもかんでも自分で管理しないでクラウド任せにすると後でどんなしっぺ返しが来るか分からない」