- 44 もうひとつのマジン・ザ・ハンド!
- 65 友情の究極奥義!
脅威の侵略者編を全話見るという野望は2つの理由により不完全でした。まず、44話の録画データが残っていませんでした。また、60話以降を見るために新規に追加で買ったDVDには64話までしか入っていなかったので65話は見られませんでした。つまりダークエンペラーズ戦の後半を見ていません。
瞳子監督を見るという主旨からは44話は是非見ておきたかったエピソード。65話は瞳子監督は出ませんが、全体のストーリーの完結編として見ておきたかったものです。
結論から言えばどちらも「見て良かった」ものでした。
第44話の錯誤 §
面白い。ともかく面白い。
内容は陽花戸中との対戦と、ジェネシスの登場までです。
陽花戸中との対戦は、何と立向居と円堂のキーパー対決というゴージャスな内容。ここで立向居は陽花戸中のGKなので、珍しく敵として戦ってくれます。
しかし、どちらのGKも新技のための試行錯誤中なので他のメンバーのスーパーセーブが光る。
最後はヒロトが円堂に会いに来て試合を約束。待っているとジェネシス登場。
これが凄い。
脅威の侵略者編で、一番の見せ場だったかもしれません。
円堂も驚くけれど、瞳子監督はもっと驚いています。何もかも知った上で子供達を導いているように見えた瞳子監督にも本当に驚くことはあったわけです。
瞳子監督は陽花戸中との対戦すら無駄かも知れないと漏らすような人ですが、ジェネシスを待っている段階でそんなことは言いません。おそらく、相手が良く分からないことと、【ヒロト】という名前に引っかかっていたからでしょう。
そしてデザーム達すら倒していないのに、他のチームが出て来て「エイリア学園にはいったいいくつチームがあるんだ」という絶望につながっていきます。雷門全崩壊の始まりです。
45話の試合を経て46話の円堂挫折へとつながる大切な話です。
これは絶対に見ておくべき話ですね。
たぶん本放送の時は44話を見ていません。データが残っていないことから、録画失敗したものと思われます。痛恨の未見だったのかも。
第65話の全てを受け止める! §
ごめんなさい。
間違ってました。
第65話は見るべきでした。
理由は「ヒロ、受け止めるんだ。フランの全てを受け止めるんだ」ということです。
では感想を。
マックスかっこいい、こんなかっこいいマックス他で見た記憶が無い……という話はさけおき。
ダークエンペラーズとは具現化した絶望ですね。
絶望が服を着て歩いているようなものです。
ダークエンペラーズの強さとは絶望の裏返しです。
そうすると彼らを強化したエイリア石も絶望の具現化です。演出的な理由で実体を持って描かれた絶望の象徴的な存在です。
だから、風丸達が絶望を脱却したときに砕けて消えます。彼らが身に付けていないエイリア石まで砕けて消えるのは、それが絶望の象徴だからです。
そして、象徴的に絶望を体現するのは風丸です。脅威の侵略者編からどんどん心を蝕まれていき、神のアクアを求め、円堂に説得されても心を閉ざし、最後は自分から離脱して円堂にショックを与える存在です。まさに絶望男。
そして、自分も絶望に落ちた円堂は、かつて自分も風丸を絶望に突き落とした一人だと気付いてしまいます。
だから、風丸を受け止めようとします。
チームメンバーが全員倒れていて、ひたすら円堂だけがボールを受け止める状況は第2話で帝国が来たときの状況のリフレインでもありますね。
最終的に円堂一人が風丸のシュートを受け止めようとします。
「おまえの全てを受け止める」と言ってゴッドハンドで受け止めます。
絶望を受け止めると宣言してゴッドハンドで受け止める。
まさにイナダン(劇場版イナズマイレブンGO vs ダンボール戦機W)ですね。あっちは天馬とゴッドハンドWですが。
はい。
イナダンを解釈する補助線として脅威の侵略者編を見るという振る舞いは、まさに第65話を見ることで完結できたようです。
イナダンの物語は、脅威の侵略者編をもっと上手く作り直したドラマだという気がします。
実は、脅威の侵略者編はいろいろな点で不整合、不備、問題点があって出来は良いもののどうしても妙なものを残してしまった。だからこそ、もっとストレートに同じテーマを語り直したイナダンが必要だったのでしょう。
やはり、最後に円堂が受け止めるのは風丸では色気が足りなかった。男と男ですからね。(いや、婦女子のお姉様方は男と男の方がいいのか?)
だから、イナダンでは受け止める相手は女になる。
(あ、でも天馬が剣城か神堂先輩を受け止めても面白かったのかな? いやいやそれは忘れろ)
そうすると、イナダンで消えていくカズ、亜美、雪村君どこいったやんねー、というのは脅威の侵略者編の中途離脱メンバーに相当します。彼らは絶望してイナズマキャラバンを抜けますが、イナダンではもっとストレートに絶望するとフランに消されます。
物語的に言えば、絶望の所在がイナイレ世界にあるといろいろと問題を発生させます。だから、ダンボール戦機世界と連動することで、イナイレ世界でもダンボール世界でも無い第3の世界に絶望の発生源は描かれます。
そして、救済されるべき存在だった瞳子は、年齢を下げて明確な敵のポジションに移動してフランとなるわけです。そして、年齢を下げてもやはり「姉さん」であり、少年達を勝利のための酷使します。
オマケ §
どうでもいい余談を言うと、デザームのドリルスマッシャーみたいな手が大きなドリルになる必殺ファンクションを使うLBXがイナダンにいますね。
まとめ §
一応67話までは脅威の侵略者編扱いらしい。
(でも66話の冒頭を見たらフットボール・フロンティア・インターナショナルの言葉が既に出ていた)
というわけで、実はあとまだ2話あるのです。(65話のために買ったDVDには68話まで入っている)
問題は、世界への挑戦編ですね。
84話までは宮尾佳和監督ですが、85話からは秋山勝仁監督になるようです。
そこで作風に変化はあったのかなかったのか。
見届けてみたい気はしますね。
いつ見るかは分かりませんが。