- 12 決戦!帝国学園・前編!!
- 13 決戦!帝国学園・後編!!
- 11 新監督を探せ!
ゆるゆると昔のエピソードを見る試み。次は第12,13話。そのあと気になって11話を見返しました。ゆるゆると昔のエピソードを見るだけのつもりが、実は影山のキャラクターの再認識という発見をしてしまいました。
電車移動する雷門と帝国を探せ! §
尾刈斗中にはバスで行ったし、雷門夏未お嬢様が遠征に使うバスの調子を見たいと言ったし、冬海はバスからブレーキオイルを抜いていたので、本来は帝国にバスで行くはずだったと思われますが、実際は電車で移動しています。おそらく、冬海事件の影響で電車移動に切り換えたものと思われます。さすがの影山も電車ならバスほど簡単に事故は起こせません。
問題はこの電車のモデルが何か。それが分かると帝国学園の所在地のモデルがどこか推測できます。中はクロスシート。1車両1扉。白地に緑の線。この条件にある程度合致する電車は東京方面には少ないはず。あくまでフットボールフロンティア地区予選決勝なので、雷門と同じ地域にあるはずです。
秋にサンキュー §
盛り上がらないイレブンに語りかけてくれる秋。
本来なら円堂が言うべきことです。
だから円堂は秋にお礼を言います。
完全に、頭悪い系の熱血超次元サッカーアニメの世界ではなくなっています。
凄いですね。
第12話は決戦!帝国学園の前編なのに、事実上サッカーで戦っていません。起きているのは心理戦とトリック暴きです。しかも、帝国と戦っているのか微妙な展開が多々あります。
第12話はもの凄く面白い話です。
問題は1つしかありません。
この時期のイナズマイレブンにはもの凄く面白い話が平然といくつも転がっていて、第12話の印象が埋没してしまうこと!
円堂と景山の会話 §
第12話は円堂と景山が1対1で話しています。
第11話は鬼道と景山が1対1で話しています。
面白いですね。
わざわざ影山が子供相手に1対1で話をしています。
響木に嘘を付く円堂 §
鬼道の真実を突きつけられた円堂。
響木にすら嘘を付いてしまいます。
とんでもない展開ですね。
10話あたりから別のアニメになったことの頂点です。ついに熱血特訓キャラだった円堂崩壊です。
特訓しても解決しない問題です。
円堂崩壊 §
ここから第13話です。
試合が始まりますが、円堂は崩壊したままです。
あり得ない超次元技で勝負が決まるイナイレ時空にいるはずなのに、心理ドラマが並行して存在していて、円堂はそっちの生け贄になってしまいます。
完全にキャプテンとしてもGKとしても機能を喪失しています。
凄いですね。
見応えがありますね。
でも鬼道は分かっていません。
円堂を正気に戻すのは豪炎寺です。
音無の治療 §
事情をまだ知る前なのに鬼道の足を冷やしに行く音無。
もう敵味方の区別も関係ないし、兄を憎む妹の憎悪も関係ありません。
ある意味で鬼道の物語の頂点です。
おまえは何も分かってはいない §
パトカーの中で鬼瓦に対して影山は【おまえは何も分かってはいない】と言います。
それを聞いた瞬間、「これだ!」と思いましたね。
まさに、「何も分かっていなかった」という感想です。
自分はあくまで鬼瓦の視点で物語を見ていました。
ですが、それが「何も分かっていない」のだとすれば、別の解釈があります。
鬼瓦の解釈では【影山は勝つためなら何でもする悪党】です。
ですが、第11話で鬼道父は影山を【先生】と呼んでいます。
考えてみれば、中学サッカーの試合で勝ってもそのことに大した意味はありません。
たかが中学生のスポーツです。
ですが、影山が勝利に固執したのは事実です。
つまり、勝利がゴールなら鬼瓦の解釈通り。
しかし、勝利が手段なら鬼瓦の解釈は外れ。
では、勝利を手段にして何をしようとしたのか。
それは教育です。
【先生】と呼ばれた影山の本質は【教育者】です。
そう考えればいろいろと辻褄が合います。
彼は鬼道を支配したかったのではなく、司令塔として育てたかったのです。むしろ自分の後継者と言ってもいい。
だから、落ちてくる鉄骨は雷門に勝つための采配というだけではなく、鬼道に対して「見破ってみろ」と与えられた試練でもあるわけです。
しかし、明らかにこれはやりすぎです。
教育の範疇を越えています。
つまり、影山の本質は【教育者】というよりも、【誤った教育理念を抱えた教育者】です。
ですが、教育者であればたとえ理念が間違っていようとも子供達に試練を与える存在です。
ですから、わざわざ雷雷軒に出向いて響木を挑発して雷門の監督を引き受けるように仕向けたり、鬼道に対してわざと突き放すような1対1の対話もします。更には、円堂に対して鬼道の真実をわざと明かし、彼を動揺させます。
この円堂に対する態度は、帝国を勝たせるための心理戦のように解釈すればそれは可能です。ですが、そう考えてしまうと全体が整合しません。
少ないヒントの断片から考えると影山の最終目標はフットボールフロンティア全国大会での優勝です。ですが、昨年度の優勝校にはシード枠があるので、地区大会での勝利は必須ではありません。チームを強くするために地区大会決勝は捨てても良いと思っていたのではないでしょうか。テーマはメンタル強化です。そのために、円堂に鬼道の真実を明かします。本来の影山の考えれば、円堂が【鬼道の真実】をチームメイトに明かしてしまい、雷門全体が動揺し、試合中に帝国のチームにもそれが波及し、鬼道のためにチームを勝たせるべきか、【鬼道の真実】に動揺している雷門に手心を加えてしまうのか、大混乱が起きていたはずです。これは敵チームから情報が来るからこそ意味がある試練です。影山自身が明かしてしまったら意味がありません。だから円堂経由で伝えるしかありません。
ですが、円堂は秋以外の誰にもそれを話さず、秋が音無に告げたのも試合後です。大混乱は円堂にのみ起こりました。結果として、それは帝国に有利な心理戦だったかのように見えますがそれは結果論です。
影山構想の推定 §
影山は過去の因縁から雷門サッカー部を潰したかったはず。
しかし、過去の事例を考えれば、それはフットボールフロンティア全国大会決勝で行われるべきこと。
地区大会決勝ではありません。
つまり、フットボールフロンティア全国大会決勝は帝国対雷門でなければなりません。
しかし、このカードを実現する場合、予選決勝で雷門を負けさせるわけにはいきません。シード権がある帝国は必ず全国大会に行けますが、実績がない雷門にはそんな特権はありません。だから、敵である雷門に塩を送るような行為も行われたのではないか。そんな気もします。
下手をすると、冬海も「この程度の小物は乗り越えてこい」という挑戦だったのかもしれません。
土門も、鬼道や冬海は彼をスパイと認識していましたが(本人も)、本当は雷門を強化するために送り込まれた可能性もあります。
まとめ §
第10話~第13話は影山4部作とでも言うべき影山の話だと思います。
これは面白いですね。
もっと影山が見たくなりました。
もうちょっとイナイレを見ていよう。
まだ何度か影山が出てくるはずです。
FFI編もカッパと影山を見るために最後まで見ないとダメかな。
負の側面を背負った大人が出てくるのがイナイレのお約束。瞳子監督も、久遠監督もそうだった。そして、影山は同じポジションにいます。
オマケ §
「影山。名前が似ている壁山が負傷したから代わりにDFに入ってくれ」
「なぜ大人の私が中学生のサッカーなどに参加しなければならない」
「何を言ってるんだ。俺だって中学生なのに小学生に交じって練習しているんだぞ」
「帝国はこんな奴に負けたのか」
オマケ2脅威の侵略者編 §
「秋、デザームの必殺シュートのグングニルってあるじゃないか」
「確かにあったわね。円堂君」
「あれ何を煮たら出るんだろう。料理が得意な秋なら分かるだろう?」
「グングを煮るんじゃないかしら」