まず大前提です。
イナズマイレブンは最初から最後まで不自然です。
それが超次元サッカーだ!
しかし、物語構成という観点に絞ると、不自然ではないエピソードと不自然さを含むエピソードがあります。
たとえば、第10話【帝国のスパイ!】はエピソード全体が物語的にスムーズに流れます。冬海が軸となり、土門への命令から始まり土門の救済で終わります。後続のエピソードへの接続も問題ありません。一之瀬の思い出はちゃんと第19話【よみがえった天才!】につながります。
ところが、この条件に該当しないケースがいくつかあります。たとえば、第14話【伝説のイレブン!】のベンチの影野のシーンは、後続のエピソードに特に大きなつながりがありません。意味ありげにやった割に続きがないことが気になります。
これは【初期の構想では影野が大きく活躍するエピソードが存在した】と考えても良いと思います。風丸が活躍するエピソードがあるわけで、同じように影野のエピソードがあってもおかしくありません。
(そう思うなら、出番が少なすぎる半田、少林寺、マックスのエピソードもあったはずだと考えられます)
ここが不自然だよ §
- 第19話【よみがえった天才!】は明らかに一之瀬が帰る前提で話が進んでいるのに帰らない。残ろうかなと考える一之瀬というシーンもない。唐突感が大きすぎる
- 第20話【必殺のトライアングルZ!】のアメリカ組全員集合が話の流れと関係なく、唐突すぎて不自然すぎる
- そうまでして残った一之瀬が、あまり活躍しない。平凡な選手の一人になってしまっている
- 第25話【最後の決戦!】で響木が円堂に話す打ち明け話が状況に整合していない。結論ありきで話をしていて、その通りに円堂が決断することを望んでいてその通りになる。予定調和過ぎる
- マックスの存在感がなさ過ぎ。本当は潜在能力が高いはず
- 雷門のツインブーストの登場が突然すぎる
- 雷門の皇帝ペンギン2号の登場が唐突すぎる
- 第25,26話の影山が何が起きても不敵に笑っているだけで演技していない (第23話の雷雷軒の影山とまるで違う)
全般的に不自然さはフットボールフロンティア編の後半(第2クール)に集中しており、特に最後の25,26話で頂点に達します。
原因の推定 §
第14話【伝説のイレブン!】までは最初の予定通りに進行していたが、第15話【来たぜ!全国大会!!】から順次新しい方針に従った改変が入ったのではないかと推定します。とはいえ、風丸の話である第16話【破れ!忍者サッカー!!】のあたりは最初の予定の沿ったエピソードなのでしょう。ここから、大なり小なり改変が増えていったのではないでしょうか。
基本的には、52話構成を26話構成に組み直し、先に起こるはずの展開を前倒して組み込んだのでは無いかと思います。その結果として、一部の描写が割愛されだのではないかと思います。
具体的には、ずっと先に雷門に加入するはずの一之瀬、鬼道の参加タイミングの前倒し、世界大会の決勝で当たるはずのゼウスを国内大会の決勝の相手とする等です。
だから、本来なら第19話【よみがえった天才!】で一之瀬はアメリカに帰り、一之瀬が雷門の合流するのはアメリカチームと雷門が戦ったあとになると推定します。
土門も、もしかしたら一之瀬が帰るときに一緒に帰った可能性もあります。土門が帰れば影野にも出番ができます。
鬼道の加入は雷門が世界に出発する際ではないかと推定します。(既に推定した通り)
そうすると、雷門は国内大会決勝まで一之瀬、鬼道、(もしかしたら土門)抜きで戦います。その場合のチームの軸は円堂、豪炎寺、風丸です。実際に見ていると風丸は円堂に近い別格のキャラとして描かれていて、副部長格です。本来ならもっと大きな存在感を示したはずです。豪炎寺と風丸で撃つ炎の風見鶏はもっと重要度の高い技だったはずです。
それを考えると、実は雷門のツインブーストは炎の風見鶏の代役ではないかという気もします。本来豪炎寺と風丸でやるべきところですが、一之瀬と鬼道が入ってしまった結果二人か代わりに撃ちます。その際、炎の風見鶏では名前と合わないので別の技が使われているわけです。
3人技は、円堂、豪炎寺、風丸、または豪炎寺、風丸、染岡で撃つはずだったのかもしれません。
結局、一之瀬は風丸の出番を食い、鬼道は染岡ないし豪炎寺の出番を食ったような気がします。
一之瀬が入らないとすると、試合でトライペガサスは使えません。そこで、雷門で撃てるトライペガサスを練習した結果として雷門版トライペガサスが存在した可能性もあります。あるいは、トライペガサスはあくまでアメリカチームの必殺技で、雷門は別の3人技(たとえばイナズマ・ブレイク)で対抗した可能性もあります。
一之瀬、鬼道が雷門に来ないなら、影野、半田、少林寺、マックスの出番は必然的に増えます。
まとめ §
昔、超時空要塞マクロスというアニメがありまして、放送期間が短縮されて、あれだけ作中で名前が出て来た監察軍の出番が消え、それにも関わらず人気が出て放送期間が延長されてグダグダになった故事がありましてねえ。
それに近いことがイナズマイレブンにも起こっているのではないかと推定します。
もっとも、脅威の侵略者編はアレはアレで良いものですけどね。
オマケ §
「影野!」
「なんだい円堂君」
「おまえはアフロディ! 長髪の後ろ姿がそっくりなので間違えた!」
オマケ2 §
「アフロディ!」
「僕は影野だよ」
「長髪の後ろ姿がそっくりなので間違えた!」
「似ているのは後ろ姿だけじゃないよ。僕もヘブンズ・タイム使えるよ」
「まさか!」
「さっきから歩き回っているのに存在感がないから誰も気付かないんだ」