- 97 一之瀬!最後のキックオフ!!
- 98 全力の友情!一之瀬VS円堂!!
- 99 不死鳥の決意!
一之瀬三部作、一気に見ました。この3話はワンセットですね。大傑作です。
出来が良い §
疑問の多い96話に対して97~99話はパーフェクトと言っても良い傑作。
要するに、こういうことですね。
- 捨てエピソードは露骨に割り切っている
- スタッフはフユッペより一之瀬が大事だった
フユッペはあまり愛されていないキャラだという感じはします。
監督の娘、出自の秘密ぐらいしか見るべきものがなく、監督の存在感があまりない状況ではまさに宙に浮いてしまいます。状況に積極的に関わる意欲も希薄です。
たとえば…… §
たとえば、96話と97~99話の違いはこういうことです。
- 栗松の帰国に誰もフォローを入れない。そもそも、吹雪が来たから栗松が日本に帰されたのか、栗松の足の故障ゆえに代役として吹雪が呼ばれたのかもはっきりしない。
- 一之瀬を土門がフォローする。監督は事情を知った上で頑張りすぎた一之瀬をピッチからちゃんと引っ込める。
アメリカチームの監督は最後の最後まで出番がありません。しかし、一之瀬を適切なタイミングで引っ込めたというそのことだけでもの凄い存在感があります。一之瀬に対して最善の行動をちゃんと考えてそれを実践します。
この世界には大人がいます。
(逆にいえば、出来の悪いアニメには大人がいない)
これは大傑作である §
秋を呼び出しておいて、それでも告白できない一之瀬。
最初から全開ですっ飛ばす良作ですね。
土門も優しさゆえの嘘をつきます。
悪人がいないのに物語が立ち上がってきます。
背中で語ったことがなぜか通じてしまう超展開もありません。
最終的に勝敗の決着は付きません。
試合中途で交代させられる一之瀬。決着すら付きません。
しかし、真の一之瀬の勝利とは手術に成功してサッカーを再びやることですね。
そして秋との恋愛の成就。
気になること §
気になることは、あれだけ緊急にトイレを捜していた円堂は後半が始まる前にちゃんと小便ができたのか。
背景 §
レインボーカラーの屋根がいちいち見えるのが綺麗でいいぞ。
正ヒロインの問題 §
イナズマイレブンの正ヒロインは秋であり、円堂とのほのかな恋愛関係が想定されましたが、ここに来ると秋は一之瀬のことを気にしています。そうなるのは、円堂の正ヒロインがフユッペになっているからでしょうね。
音無は1年組のヒロインになっているし、雷門夏未お嬢様はいないし。
しかし、フユッペはイマイチ存在感が薄いし、ヒロイン不在という観点からはイナズマイレブンは苦しい時期に来ている感じもあります。89話のような1年組だけのドラマなら音無がヒロインで十分に上手く機能するのですけどね。
むしろ、ここに来てヒロインとして機能しているのはフィディオかな……。
まとめ §
一之瀬三部作は、普通に作れば【一之瀬かわいそう】だけで成立できます。
しかし、そういう作り方はしておらず、一之瀬はかわいそうな被害者ではなく、むしろ焦って恐い存在になった人物として描かれています。無謀すぎる存在ですね。
だから最終的に一之瀬は破綻します。でも、それは無謀の結末であって、一之瀬可哀想ということではありません。
一之瀬は自分自身の心に負けたのであり、最終的に円堂はその心を受け止められません。
受け止めるべきは秋です。
オマケ §
「円堂。ポケモンGOとかいうゲームが気に入らないな。何とかイナズマイレブンでも何かGOな企画を考えたい」
「鬼道。分かったぞ、イナズマイレブンGOをやればいいんだ」
「円堂、それをやったらおまえは主人公になれないぞ」
「えっ? それは困る」
「もっと他の企画を考えろ」
「イナズマイレブンっぽくでイナズマイレブンGOではない企画か。難しいな」
「普段からサッカー以外にも好奇心を持っていないからだぞ、サッカー馬鹿の円堂」
「そんなことはないぞ。タイヤにだって好奇心があるぞ。俺はもっとタイヤのことを知りたい」
「タイヤは特訓用だろう。もっと他のことに好奇心を持て」
「好奇心か。分かったぞ」
「何か企画を思い付いたのか?」
「そうだ。イナズマイレブンっぽくでイナズマイレブンGOではない企画だぞ」
「聞かせろ」
「好奇心のままGO!」
「本気ボンバーで殴るぞ」