2020年12月05日
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宇宙戦艦ヤマトにおいて多発する【物語的に意味のない死】について

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

 宇宙戦艦ヤマトには【物語的に意味のない死】が散見され、特にその数は先に進むに従い多くなる傾向がある。

 その背景が藤川桂介の著書を読んでなんとなく分かってきた。

 【物語的に意味のない死】とは、たとえばディンギルの少年の死である。ディンギルの少年は物語的に重要なキャラクターではなく名前すら存在しない。古代に助けれた命であるが、だからといって父親の銃弾から古代を守るほど古代に義理を感じていたという演出も存在しない。かといって、父に殺人をさせないという意思も全く伏線として出てこない。死んでも物語的には意味がないと言って良い。

 同じような意味で、死あるいは死のうとする描写は多い。たとえば、古代が仮死状態になった時に死のうとする森雪も不自然で、ここで死のうとする必然性が全くない。普通に行けば、古代を蘇生させようとして頑張る場面である。ルガール総統の死にも意味はないし、沖田十三の死にも意味はない。島の死にも意味は無い。

 ヤマト1974にまで戻ると、実はドメルの死にもあまり意味がない。シュルツの死はデスラー総統から死ねと命令されたと一応筋を通してあるが、ドメルには死ねという命令は下されていない。

 復活篇でもパスカルの死には物語的に何の意味もない。古代を妨害して悪かったと思って参戦しているだけで別に古代のために自分が死ぬほどの理由は描かれていない。最後の真帆の死も全く物語的な意味がない。

 さて、状況はこう言うことではなかったのか。

 西崎義展は本質的に物語作りについて素人と同然だったが作業全般に口を出したがった。彼は、物語を盛り上げるにはキャラクターを英雄的に殺す、あるいは死のうとする描写が必要だと考えていたのではないか。しかし、物語的な必然性のない死をいくら描いても盛り上がらない。おそらく、その点で西崎義展を補って死に物語的な必然性を与えていたのが藤川桂介ではないかと今は考えている。しかし、西崎義展の暴走は藤川桂介のフォロー出来ない形で続き、最終的に藤川桂介はヤマトを離れることになる。であるから、特に、藤川桂介がヤマトから離れたあとに不自然な死は激増する。たとえば、ヤマトIII最後の土門の死は不自然すぎるし、ヤマト完結編は不自然な死のオンパレードである。

それ以前の暴走 §

 しかし、それ以前でも藤川桂介でもフォローしきれなかった部分について不自然な死が残ったのではないかと考えられる。さらば宇宙戦艦ヤマトのラストや、ヤマトよ永遠になどでは、藤川桂介がフォローしていない形での不自然な死が量産された可能性も想定できる。

 逆に、新たなる旅立ちでは、フォローが上手く入っていて、死のうとするデスラー、自爆するスターシャなどへの物語的な必然性の付与は十分に行われている。意外と不自然さは少ない。逆に、ヤマトよ永遠には長い割に歌が多すぎて物語的なフォローがほとんど行われていない。サーシャが敵母星に残って死ぬ物語的な理由は描かれない。

さらば宇宙戦艦ヤマトについて §

 さらば宇宙戦艦ヤマトについては別の形のフォローも入っている。さらば宇宙戦艦ヤマトの山本の死は物語的に意味のない死の典型である。しかし、若桜木虔版ノベライズでは、被弾した山本機が突入口に体当たりして道を開いたことになっていて展開が異なる。これは若桜木虔が独自に不自然な死にフォローを入れたと考えられる。しかし、こういう独自フォローはさらば宇宙戦艦ヤマト一作のみで、その後は行われない。

 若桜木虔版さらば宇宙戦艦ヤマトはそういう意味でのフォロー、独自解釈が多く立ち位置が特殊である。

復活篇とSBヤマト §

 復活篇で比較的破綻が少ないのは、脚本チームがフォローしたという可能性も考えられる。

 SBヤマトについては西崎義展抜きでシナリオを作成していたようなので、物語的な破綻はあまり見られない。自分の子供を宿した恋人を救うために体当たりするというのは物語的には筋が通っている。さらば宇宙戦艦ヤマトの場合、恋人が死んだので後追い自殺するのも物語的に筋が通るが、敵を倒すための体当たりか後追い自殺のための体当たりなのかはっきりしないのは物語的に良くない。

感想 §

 以上、少し頭の中にあることを書いてみた。

 それだけである。

 宇宙戦艦ヤマトという現象の中心にいたのは藤川桂介であろう、と現在は考えている。藤川桂介が抜けた時点で宇宙戦艦ヤマトは空中分解し、最終的に崩壊してしまう。つまり、完結編で終わってしまうのはある意味で必然だろうと思う。

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