Tiny BASICの誕生・終焉・そして再生 なぜLevel-1 BASICはLevel-2と互換性がないのか
「これはTiny BASICの歴史を書いた本かい?」
「そうだ」
「でもさ。Tiny BASICの歴史に興味を持つような人なら、もともと知ってるんじゃないの?」
「と思うだろ?」
「違うのか?」
「実は違うのだ。日本に入ってきたTiny BASICはPalo Alto Tiny BASICのあたりから普及が始まった。しかし、それより前の世界がある。それは、Microsoftとユーザーコミュニティの激突や、OSSの原形みたいな開かれた活動の始まりと、COPYLEFTという言葉の発明まで含む。これらは1970年代の後期に起きたことで、現在のOSS活動とは直接つながっていない。しかし、多くの点で原形とも言えるものを提示していた」
「えー。本当かよ」
「実は、Palo Alto Tiny BASIC 1.0のソースコードを調べて、そこに書き込まれていたCOPYLEFTの文字まで調べたぞ。ちなみに、WikiPediaに載ってるのはPalo Alto Tiny BASIC 2.0のソースだからそれより古いのを調べ上げた」
「手間を掛けたんだね」
「実は変なところで手間が掛かっている」
「で、この本のポイントは?」
「知ってるつもりが一番危うい」