宇宙戦艦ヤマト4Kリマスターを見ていて思ったことが1つあります。
それは艦船の描き方が上手いことです。
上手いとは、細かいことでも正確なことでもなく、シルエットの捉え方が的確で、カメラアングルが適切であることを意味します。細かさと正確さならヤマト2199方が上ですが、ヤマト1974の水準と比較しては下手すぎです。
宇宙戦艦ヤマト4Kリマスターを見ていて、古いにもかかわらずセンスが抜群に良いことが分かりました。舌を巻くばかりです。
問題は、誰がこの品質を担保したのかです。
それを担保した人物はただの個別のスタッフではあり得ません。
条件は以下の通りです。
- 作品全体の作画に影響を及ぼしうる
- 必要とあれば修正できる
- メカ作画への情熱がある
この条件から、アニメーションディレクターの石黒昇さんではないか、という仮説を立てました。西崎義展さんが作画に深く関与したとも思えないし、松本零士さんは途中から現場に来ていないようだし、かといって個別のアニメーターでは全体に影響を発揮できないし、やはりアニメーションディレクターの石黒昇さんしか候補がないように思えます。
更に言えば、実はスターシャ死亡編のイスカンダルのシーンのヤマトの作画は下手でビックリしました。限定ブルーレイを買って帰って良かった。4K再生環境はないので、通常のブルーレイですけど。
つまり、もう1つ条件が加わります。
スターシャ死亡編は石黒昇さんが絵コンテを描いて、作画は芦田豊雄さんのスタジオに発注されたようです。
この場合、石黒昇さんは作画には関与していないと思われるので、上手いのは石黒昇さんという仮説には矛盾しません。
オマケ §
スターシャ死亡編のヤマトの作画が下手すぎなので、スターシャ生存編が作られた……という仮説もあり得ますね。
ちなみに、スターシャ死亡編の潜水カットと宮殿水没カットは上映時にはカットされていたそうなので、自分の記憶にあるスターシャ死亡編と4Kブルーレイ収録のスターシャ死亡編は記憶にある限り完全一致です。