ふと、外で何かを食べようと思ったときに、松屋が目に付きました。
まあ、貧乏だし、牛めしでもと思って入り口を見ると。
そこに、見慣れない「豚めし」なるメニューのポスターが張り出されているではありませんか。
既に辛口甘口食記「吉野家のカレー丼は甘いか辛いか?」、辛口甘口食記「吉野家の豚キムチ丼は甘いか辛いか?」、辛口甘口食記「吉野家の焼鶏丼は甘いか辛いか?」と書いてきた今、これを試す誘惑には勝てませんでした。
吉野家と異なる松屋の戦略 §
吉野家の戦略は、牛丼に変わる別メニューの開発によって、牛肉が輸入できない問題を乗り切ろうというものだと思います。ここでいう別メニューとは、まさに全くことなる別個のメニューということです。たとえば、牛丼がカレー丼になるというような方向性です。
しかし、松屋は、基本的に牛めしと同じスタイルで、肉を牛肉から豚肉に変えたストレートなメニューで挑戦してきたわけです。この点で、両者の戦略は全く異なっていると言えます。
更に異なっているのは、牛めし(並)290円に対して、豚めし(並)290円という同プライスの実現があります。吉野家のカレー丼は、牛丼よりも割高になりますので、これも決定的な相違点と言えます。つまり、吉野家でカレー丼を選択するということは、より多くのコストを払うことであり、コスト増に値する魅力が無ければならないわけです。しかし、松屋の場合は、牛めし飽きたから豚めし食うか、というような軽い気持ちで、何らコスト増無く気軽に食べられます。
内容はどうか §
既に書いた通り、基本は牛肉から豚肉に変えただけのものです。
器も牛めしと同じ。味噌汁も付くし、特にレンゲを使って食べるという話もありません。
ただ、牛めしと比較して、ご飯に多くの汁が掛かっている状態で出てきたような気がします。オーダーのミスでなければ、そこは牛めしとの相違点と言えます。
味の方は、悪くないという感じですね。牛めしよりは、少しこってり感があるでしょうか。しかし、また荒削りな感じは残るものの、十分に食える味だと思いました。もし、吉野家のカレー丼と、豚めししか選択肢がないとしたら、豚めしを選ぶ確率が高そうな気がします。やはり、牛丼一筋三〇〇年とキン肉マンまで歌った吉野家と比較して、他のメニューも豊富な松屋の方が、新メニュー開拓にアドバンテージがあるのでしょうか。
おまけ、「唐揚げ飯」編 §
実は、最近の松屋の新メニューとして、「唐揚げ飯」というものがあります。唐揚げとはつまり鶏肉ですから、これも牛肉対策の一環と見ることができるのかもしれません。
以前、一度だけ食べたことがあるので、おまけとしてこれの感想も書いておきます。
これはカレーのような平たい皿の上にご飯があり、やや味の濃い塩辛い唐揚げと、目玉焼き、マヨネーズのかかった少量のサラダが載ったものです。まあ、安いメニューであることから想像できるとおり、安っぽい食べ物です。食べたときは290円ぐらいだったと思います。一時的な安いサービス価格だろうと思います。
さて、実際に食べてみると、どんどんご飯が進みます。サラダとマヨネーズとご飯が一緒に口に入っても、妙にマッチします。その点に限れば、けして悪くない食べ物であると言えるかも知れません。
しかし、いかんせん、色気がないのですよね。
いかに安くても、牛めしには、牛めしの色気というものがあります。底の深いドンブリに入った風情が一種の色気です。しかし、平らな皿にありがちな料理が並ぶ唐揚げ飯には、色気が感じられません。
もうちょっとムードを味あわせてくれれば良いな、と思いました。ご飯は進みますが、どこか味気ないのです。
写真はありませんが §
デジカメを持っていかなかったので写真はありません。
しかし、松屋のサイトのメニューページを見ると、写真でメニューを確認することができます。