2002年03月08日
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宇宙世紀の駄ッ作機 HT-01A マゼラアタック

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

 地球上に降下した一つ目の巨人は、地球連邦の地上軍を圧倒的な力で踏みにじり、彼らに大きな恐怖を与えました。しかし、それは奇襲という心理効果に頼った恐怖でしかなく、冷静に考えれば、本当の意味で圧倒的な軍事力だったというわけではないのです。当然、恐怖を与えられた側と違って、与えた側は冷静にこの事実に気付いていました。ジオン軍の関係者からは、モビルスーツは宇宙でこそ最強であったものの、地上ではいくつもの弱点を持つと考えられました。当初の地上制圧のためにザクを地上に降ろしたのは、他に有効な兵器を持たなかったからで、時間的余裕が与えられれば、地上戦に適した兵器を運用したいと考えていたのです。

 さて、モビルスーツの地上における二つの大弱点は、まず直立しているため敵に晒す面積が大きいこと。つまり、発見されやすく、敵弾が命中しやすいことを意味します。そして、もう1つは接地過重が大きいこと。全重量を2つの足の裏で支えねばならず、ザクが道をあるけば舗装は壊滅的に破壊され、補修費用の請求書が占領軍司令部に続々と舞い込む状況でした。

 この2つの弱点を克服する地上兵器は何か。その答えは簡単に出ました。つまり、戦車を使えばよいのです。背が引く、無限軌道で重量を分散して支える戦車なら、モビルスーツのような問題は起きません。そもそも、占領地を維持するための活動に、モビルスーツなど大きすぎました。隠し持った銃ぐらいしか持たない被占領民を相手にするなら、61式戦車でも強力すぎるぐらいでした。

 そこで、ジオン軍は大至急戦車の調達を始めました。最初は占領地で手に入れた61式戦車をかき集めて、戦車部隊を編成しました。しかし、残念ながら61式戦車の生産ラインはジオン占領地には無く、大量に61式戦車を手に入れる見込みはありませんでした。そこで、占領地内で、戦車の設計生産ノウハウのある企業を片っ端から探し回りました。

 その結果、戦車の車体だけなら生産した経験のある企業が発見されました。多少図面を引き直せば、その企業で生産できる見込みが立ちました。残るは砲塔と主砲です。これは、モビルスーツ用の火砲を開発した実績あるジオン本国で設計されることで話が付きました。モビルスーツの装甲すら打ち抜く最強の砲を搭載しようと言う話までまとまっていました。

 このまま素直に進めば、ジオン初の戦車は、ジオン地上軍の主力兵器の座を獲得したかも知れません。

 ところが、地球の事情を知らないジオン本国では、技術者が驚くべき思考の飛躍を見せていたのです。

 冷静に図面を引いてみれば、戦車の砲塔にモビルスーツの装甲すら打ち抜く最強の砲など、収まるはずもなかったのです。しかし、それだけの砲を積んでみせると地上軍には約束してしまいました。そこで、無理なものは無理だから、車体相応の砲を搭載しようと言えば良かったのです。それでも、既に旧式になりつつあった61式戦車を圧倒できる火力になったでしょう。しかし、技術者達は、このジレンマを解決する冴えた方法を思いついてしまったのです。つまり、距離さえ近づけば、威力の劣る砲でもモビルスーツの装甲を打ち抜けるということです。モビルスーツのスラスターとして実績ある小型の熱核エンジンを砲塔に取り付け、砲塔を飛行されば、敵に素早く接近して砲弾を撃ち込むことができます。このアイデアに興奮した技術者達は突貫作業で砲塔を設計、開発したのです。彼らは思いました。もしかしたら、自分たちは、戦車の歴史を塗り替える画期的な新兵器を作ってしまったのかも知れないと。

 さて、驚くほどの短期間で新型戦車、マゼラアタックは完成し、地上でテストされることになりました。その結果、本来数時間飛行できるはずの砲塔が、ほんの数分で飛行不能になって地面に激突する事故が多発しました。重くバランスの悪い砲塔は、不規則に吹く地球上の風の影響を受けやすく、非常に高い確率でバランスを失って落ちてしまうことが判明しました。更に、埃や湿気など過酷な地上の環境により、デリケートな飛行機構が機能不全に陥ることも珍しくありませんでした。これらの問題を解決するために、安定翼を取り付けたり、埃を防ぐフィルタを設けたり、様々な改修が突貫作業で行われました。ようやく安定して飛行可能になってみると、重量は大きくなり、とても迅速に敵に接近して砲撃できるような兵器では無くなっていました。

 更に、飛行が安定するに従って、他の問題も浮上してきました。まず飛行機構を付けた関係上砲塔内は狭く、砲塔内に収納できる砲弾はわずか3発に限られたこと。つまり、いちど、車体であるマゼラベースから飛び立つと、主砲を3発しか撃てないということになるのです。更に、飛行中は砲撃の反動で姿勢が崩れてしまい、あらためて照準するには体勢を立て直す時間を必要としました。つまり、外した場合に、すぐに次を撃つということができないのです。

 結局、マゼラアタックの砲塔部であるマゼラトップを飛行させる戦法は事実上禁じ手として封印され、浮上用エンジンや安定装置を取り外してその部分により多くの砲弾を積み込んだ部隊も多くありました。あくまで飛行機構を外さなかった部隊でも、飛行は最後の手段、奥の手という位置づけであり、よほど大物の敵を相手にした場合以外は、飛行を禁止していたといいます。

 実戦でマゼラトップを飛行させた数少ない事例が、ガルマ・ザビ直轄部隊によるホワイトベース隊攻撃ですが、このときは、生半可な方法では白いモビルスーツには勝てないと考えられたため、奥の手として砲塔の飛行が許可されたものです。しかし、飛行させたところで心理的な驚きを誘うぐらいの効能しか発揮できず、それに意味があったかどうかは疑問が残ります。むしろ、飛行させず、より多くの砲弾をホワイトベース隊に向けて撃った方が効果があったかもしれません。

 いずれにせよ、マゼラアタックは連邦軍の反撃をくい止めるに十分な性能を発揮せず、ジオン軍は地上に不向きなモビルスーツを主力兵器として使い続ける羽目に陥ったのでした。

 なお、マゼラアタックの後期生産分は、最初から飛行機構を省いた形で生産されたと言われています。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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2006年02月27日雪下ろしロボット 噴出し君From: Mr.ユニークのこれってユニークでいいじゃないか

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