2002年03月10日
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宇宙世紀の駄ッ作機 RX-78ガンダム

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 あの有名な伝説的モビルスーツRX-78ガンダム。強力な装甲と、巨大な火力、そして卓越した格闘性能。才能あるパイロットさえ乗れば、1年戦争においては最強無敵の称号をほしいままにする突出した高性能機と言えます。

 しかし、確かに高性能ではあるものの、その実情を見ればけして傑作機とは言えないことが分かります。まず、このコンパクトなボディに並外れた能力を組み込むために、構造は複雑精緻になっていました。そのため、非常にトラブルを起こしやすく、一度出撃すれば、1時間も稼働すれば良い方でした。しかも、整備にはやたらと手間と時間が掛かり、専用のメンテナンスハンガー抜きでは、完全な整備はほとんど絶望的だったと言います。そして、壊れやすい繊細な部品も多く、その上、特注の専用パーツもあちこちに使われているため、他の機種の補修部品を流用することも困難でした。つまり、RX-78とは、F1マシンのような存在であり、けして量産車ではなかったのです。

 しかし、その事実は上手く隠されていました。はるか遠くのサイド7でテストされたため、ジャブローには都合の良い華々しい映像だけが伝えられ、整備性の悪さは誤魔化されていました。誤魔化した当事者は、技師のテム・レイだと言われています。20世紀ロボットアニメオタクであったレイは、自らの美意識のままにRX-78の基本設計を決定し、それが最前線で実用性があるかどうか考えることなく、強引に試作を押し進めたのです。

 しかし、サイド7からジャブローに試作モビルスーツを輸送する命令を受け、レイは大いに悩んだそうです。ジャブローに持って帰れば、RX-78の問題点がばれてしまうと……。結局、サイド7はジオン軍の攻撃を受け、レイは行方不明になってしまいます。

 残されたブライト・ノアは、ホワイトベースとRX-78を指揮して、ジャブローに戻ることになってしまいました。しかし、新米士官に過ぎないブライドは、レイから聴かされた言葉を全て信じていました。つまり、RX-78こそが最強のモビルスーツであると固く信じていたのです。そこで、ブライトはいくつもの幸運に助けられ、RX-78の性能を発揮させることができたのです。

 まず、ペガサス級強襲揚陸艦はRX-78の運用を前提にしたため、RX-78整備専用のハンガーやジグが揃っており、何も用意がない場合と比較して、非常に整備がやりやすかったこと。本来定数6機のホワイトベースに3機のモビルスーツしか搭載しないため整備用機材を多数RX-78に集中して用いることができたこと。ホワイトベース自身が移動することで、RX-78が出撃してから交戦するまでの時間が短く、稼働時間短さが問題にされなかったこと。素人集団であったため、あまりに手順が多すぎる整備マニュアルを非常識とは思わず杓子定規にその通りに実行したということ。V作戦に深く関与する輸送部隊指揮官が積極的な補給を行ったこと。RX-78専用の簡易整備機能を持つ輸送機ガンペリーが存在したこと。などなどの理由にブライトは助けられ、RX-78は額面通りの性能を発揮することができたのです。

 更に、非凡なメカマニアであるアムロ・レイがパイロットであったため、小さな補修はパイロット自身が随時行うことができ、アムロ・レイがホワイトベースから一時飛び出した時にも、最低限度の性能を維持することができたと言われています。

 しかし、これらはどこの戦場でも実践できることではありません。最低限、ペガサス級があってこそ運用できるRX-78とすら言えます。

 これらRX-78の多くの問題は、レイの政治力によって表沙汰にはなっていませんでしたが、レイが行方不明になったとたんにジャブロー内であちこちから吹き出しました。そして、ジャブロー内では、RX-78欠陥品説がまことしやかに囁かれ、その結果、ホワイトベース隊はまるで見捨てられたかのように上層部から扱われる羽目になったのです。

 しかし、このようなヒステリックな状況は、RX-78を扱いやすくシンプルに再設計したRGM-79 GMの開発が成功したことで、沈静化しました。RX-78には多くの問題があったとはいえ、それが反面教師として種々の問題を明らかにしてくれたのは事実と言えます。それは、自動車メーカーがF1レースで開発した技術を、量産車にフィードバックするようなものだと言えるでしょう。

 さて、RGM-79が量産開始されれば、もはやRX-78には用がないかと思われました。ところが、ホワイトベース隊がジオンの要人ガルマ・ザビを戦死させてしまったために、ホワイトベースとRX-78はジオン軍から常に注目される存在になっていました。そのため、RX-78にはジオンの目を引きつける囮任務に価値があると考えられ、更に継続して戦闘に投入されることになりました。

 そして、エースパイロット、アムロ・レイの驚異的な撃墜スコアは、連邦軍の宣伝に、まさに打ってつけのヒーローでした。その結果、RX-78ガンダムの名はマスコミに幾度も踊り、伝説のモビルスーツとなったのでした。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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