2002年04月12日
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宇宙世紀の駄ッ作機 MSM-03 ゴッグ(続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 水陸両用モビルスーツといっても前例が全くなく、何をどうすればよいのかも分かりませんでした。そこで、ザクを改造して水中活動可能にする実験機を用意して、様々なテストが行われました。

 その結果、宇宙では戦艦すら圧倒するパワーが、水中でも遺憾なく発揮可能であることが分かりました。核融合炉の熱で周囲から取り込んだ水を水蒸気化してタービンをまわすことで、50ノットを超える驚くべき速度が実現されたのです。より正確に言えば、推進器にはまだまだ余裕があったものの、機体の方が水圧に耐えられず、破損してしまったのです。より大きな強度と水抵抗を減らすフォルムがあれば、それを超える速力も不可能ではないことが分かりました。また、強度も申し分なく、深海1000メートル以上の深度でも機体は耐えることが分かりました。

 これだけでも画期的な水中兵器と言うことができます。さっそく、実験機を西欧からジャブローに向かう輸送船攻撃差し向けて、実戦テストが行われました。

 それは、驚くべき成果を上げました。連邦の護衛艦が追いつけないほどの高速度で輸送船に迫り、魚雷などの武器を放ち、そのまま高速で離脱すれば、安全確実に輸送船を仕留められます。そして、深度1000メートルまで潜れば、航空機による追跡も困難でした。

 こうして、更に実験機の数を増やすと共に、本命である水陸両用モビルスーツの開発を急ぎました。

 最初から水陸両用モビルスーツとして開発され、成功した初の機種は、MSM-03 ゴッグと呼ばれました。ゴッグとは、水中眼鏡(ゴーグル,goggle)を縮めた名前でした。つまり、水の中でも平気だという意図を込めた名前でした。

 さて、実際に仕上がったゴッグは、腹部にビーム砲と魚雷発射管を備えたずんぐりした形状をしていました。しかし、これは最善の形状とは言えませんでした。というのは、最高速で移動するときは、頭部を前にして進んでいるわけですが、そのときビーム砲も魚雷発射管も下を向いてしまうからです。これは、あくまで上陸戦を想定した武器配置でした。しかし、これは偉い人を納得させるために妥協できる範囲のことでした。何もないよりは、ゴッグが存在することの方が重要でした。それに、すぐ「背泳ぎ殺法」が編み出されて、これは問題ではなくなりました。「背泳ぎ殺法」とは、腹部を上に向けた状態で輸送船の下を高速で通過し、通過時に一撃を見舞って沈めるという戦法でした。

 ゴッグの配備が始まる頃から、連邦軍が輸送船の独航をやめ、船団を組むようになりました。護衛艦ががっちり輸送船を取り巻きましたが、ゴッグの高速性は、容易に護衛艦の防衛網を突破して輸送船団への攻撃を可能としました。

 連邦軍はゴッグの通り道に爆雷を蒔くという戦法を思いつき、これによりゴッグの戦果は一時減りました。しかし、深海より接近して輸送船の真下から深度を上げて攻撃する方法が発案されると、戦果は拡大しました。輸送船の真下にいれば、護衛艦もおいそれと攻撃はできなかったのです。

 この時期、西欧からジャブローを目指した輸送船の半数以上が沈み、目に見えてジャブローの活動は沈滞し始めました。それにつられて、連邦軍全体の活動も沈滞傾向にありました。

 大西洋の海中を自由自在に駆けめぐるゴッグに、連邦軍は対処する手段がありませんでした。

 ところが。

 それまで沈黙を守っていたキシリア・ザビが、全水陸両用モビルスーツの引き上げを命じたのです。

 「そろそろ、反撃できない輸送船相手のお遊びにも飽きたところだろう。これからは本物の任務を命じる」

 そうキシリア・ザビは関係者に言いました。もともと諜報活動や後方攪乱に水陸両用モビルスーツを使いたかったキシリア・ザビですが、彼女には1つだけ足りないものがありました。それは有能な指揮官です。しかし、シャア・アズナブルのスカウトに成功したため、ためらう理由は何も無くなりました。キシリア・ザビは、自らが期待する通りの活動にゴッグを使おうとしたのです。

 しかし、そのことで連邦軍は息を吹き返しました。大西洋の海中から敵が消えたのです。

 レビル将軍は、この隙に懸案のオデッサ作戦をやってしまおうか、と言いました。さっそく、大部隊が大西洋を押し渡ってジャブローから西欧に上陸しました。これを攻撃すべきゴッグは全て基地に留め置かれていました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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