2002年05月02日
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宇宙世紀の駄ッ作機 MSM-10 ゾック

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 水陸両用モビルスーツの最大の弱点は、海から地上に上がる上陸の瞬間だとされていました。水陸両用モビルスーツは、水中でも、陸上でも、それなりの戦闘力を発揮するように設計されていましたが、上陸の瞬間だけは、どちらでもない中途半端な状態になり、著しく機動性が損なわれるのでした。たとえば、砂浜に上陸する場合、脆弱な砂に足を載せて機体を支えねばなりませんが、その状態で激しい機動などやろうとすれば、砂に足を取られて転びかねない危険があります。そのため、足場のしっかりした地面に前進するまで、機敏な動作はできないのです。また、足下に水があれば、それが足の動作を邪魔することにもなります。

 ということは、上陸の瞬間、自由に動けない水陸両用モビルスーツを敵が攻撃できないようにする方策が必要だと考えられました。そこで浮かんだのが、大火力の上陸支援専用兵器でした。上陸時に海上から大火力で上陸地点周辺を砲撃し、敵に上陸の邪魔をする余裕を与えないことを任務とする機体でした。その他、水陸両用モビルスーツと同程度の巡航速度で随伴できる速力と潜行能力、そして海岸線に接近して砲撃できるよう、浮上時に喫水の浅さが要求されました。

 これらの条件から導き出されたのは、陸上歩行能力を持たない火力支援モビルスーツとでもいうべきものでした。しかし、これを実現するには大きなハードルが残されていました。それはビーム砲の冷却問題です。

 ジオン軍では、ビーム砲を運用する場合の発熱を、重大な問題として認識していました。弾幕を張るために連続射撃を行うと、すぐに加熱して射撃不能になってしまうのです。そこで、艦艇では、砲をグループに分けて交互射撃するといった対策を取り、1つの砲だけが連続して酷使されないように配慮しました。しかし、このような方法が取れるのも、複数の砲を持つ艦艇だからで、小型のモビルスーツでは同じような方法は取りにくいと考えられました。もしビーム砲が1門しかなければ交互射撃はできませんし、複数あっても数が少ないので、交互射撃をしては火力不足に陥ってしまいます。かとって、ビーム砲の数を増やせるかと言えば、モビルスーツの機体のサイズには自ずから限界があり、無制限に多くのビーム砲を積めるわけではありません。

 上陸支援用モビルスーツは敵を圧倒するだけの火力を持たせる必要がありましたが、同時に、上陸が終わってしっかりした足場を得るまでの時間、敵を圧倒し続ける必要もありました。つまり持続時間も重要だったのです。

 最も簡単な解決方法は、上陸支援用モビルスーツを2機単位で運用し、交互に射撃させることでした。しかし、資源の少ないジオンの国力を考えれば、それは贅沢すぎる運用方法といえました。

 そこで、何とか1機で十分な支援を実現できないか。技術者は知恵を絞りました。

 その結果、あることに気付きました。ビーム砲を撃ったとき、熱くなる部分と、そうでもない部分があります。そこで、熱くなる部分だけ2重に用意して交互に使ったら、どうなるだろうかと考えたわけです。

 もし、ビーム砲を2倍積むとしたら重量は2倍になりますが、このアイデアなら、1.5倍で済むことが分かりました。1.5倍なら許容範囲だということで、さっそく試作が始まりました。通常の水陸両用モビルスーツなら、重量が1.5倍になれば、脚部の補強など、やることは多いのですが、幸いにもこの上陸支援モビルスーツに足はありませんでした。海に浮かぶ浮力さえ確保すれば十分なので、試作は順調に進み、すぐに実験が開始されました。

 しかし、実際に海に浮かべて連続射撃をしてみると、どうも上手く冷えません。射撃中のビーム砲の隣にある砲口は、射撃の熱をもらって、なかなか冷えないのです。せっかくのアイデアも、これでは使い物になりません。

 また技術者達は知恵を絞りました。その結果、驚天動地の画期的なアイデアが出てきました。ワンセットのビーム砲の砲口を、機体前面と背面に設ければ良いのです。前面で射撃中、背面は機体に遮られて熱が直接及びません。逆も真です。

 つまり、前面の砲口で射撃を続け、過熱したら機体を前後逆転させ、背面の砲口で射撃を続行すれば良いのです。前後を逆転させる時間など僅かなものですから、これで十分に役に奴と考えられました。

 技術者達は、自分たちが仕事をやり遂げつつあることを確信しました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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