2002年05月08日
トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダムtotal 4527 count

宇宙世紀の駄ッ作機 チベ級長距離巡航宇宙艦(続きの続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 チベ級1番艦シャルンホルストの3回目の航海が終わるころ、地球連邦の要人による木星視察が計画されました。木星のヘリウム採取という危険の多い事業を直接視察すると共に、彼らを激励するという趣旨でした。

 しかし、要人が小惑星帯の近傍を通過するというのは、海賊達にとってはわざわざ獲物を提供するようなものでした。

 そこで、視察団が乗る大型宇宙客船クイーンマリーゴールド号の護衛として、地球連邦宇宙軍のヴァスコ・ダ・ガマ級長距離航宙艦のソウヤ、バーミンガムの2隻が同行することになりました。

 この2隻は、就役したばかりの連邦軍の最新鋭艦であり、それが2隻も同行すれば、海賊など恐れる必要はないと誰もが信じていました。

 むろん、サイド3の関係者も考えは同じでした。連邦要人の安全確保のために、サイド3が何かをする必要など、誰も考えていませんでした。しかし、視察団の出発後、小惑星帯の海賊達から、視察団を狙うという犯行声明が出されたことが判明してからは事情が変わりました。要人の安全確保は仕事ではないが、海賊は退治されねばならなかったのです。

 そこで、就役したばかりのチベ級2番艦、グナイゼナウを急遽小惑星帯に向かせることが決定されました。グナイゼナウには、視察団の後を追って大加速で航行させ、小惑星帯付近で視察団を攻撃しようと待ちかまえる海賊船を補足、撃滅する任務が与えられていました。

 海賊達は、時間を掛けて地球連邦政府との交渉を行おうとしていました。彼らは、小惑星帯を独立自治区であると認め、小惑星帯近傍を通過する宇宙船から通行税を徴収する権利を地球連邦に求めていました。しかし、1つの人類の政府を理想とする地球連邦に、そのような申し入れが受け入れられるわけがありませんでした。

 交渉は決裂し、海賊達は、艦隊を組んで視察団を出迎えました。海賊艦隊の旗艦は、海賊船アルカノイド号。全長500メートルにも達する大型艦でしたが、元はタンカーであり、正規の軍艦のような装甲は持っていませんでした。その他は、全長200メートル以下の旧式化した宇宙船ばかりでした。

 これを確認したヴァスコ・ダ・ガマ級のソウヤ、バーミンガムは、クイーンマリーゴールド号の盾になるべく、前方に進出して、海賊艦隊を撃滅しようとしました。この時点で、誰もが海賊の運命は風前の灯火だと考えていました。当の海賊達ですら、やばくなったらすぐ逃げようと考えていたほどです。

 ところが、いざ砲撃戦が始まると、いきなりバーミンガムが大爆発を起こして四散してしまったのです。長距離航行のために艦外に増設されたブースターに敵弾が当たり、爆発を引き起こしたのでした。それは他のブースターにも誘爆し、バーミンガムそのものが四散するほどの大爆発になったのです。

 残されたソウヤは、事態を把握するとすぐさまブースターを緊急投棄し、ただ1隻で海賊艦隊に立ち向かおうとしました。

 ヴァスコ・ダ・ガマ級は、艦体左右に1門ずつの36センチ砲を装備しており、これが命中して生き延びられる海賊船などあり得ないはずでした。そして、海賊船が主に持つ15センチ砲に対する十分な防御を備えているはずでした。

 しかし、海賊船が次々と肉薄攻撃を仕掛けてくると、鈍重な36センチ砲は照準が間に合わず、一発も撃てない状況に陥りました。そして、至近距離から打ち込まれる海賊の15センチ砲弾は次々にソウヤの装甲を貫通していきました。

 装甲板が千切れ、各所で火災が発生した満身創痍のソウヤは、それでも海賊船からクイーンマリーゴールド号を守ろうとしました。ソウヤは近接防衛用の12センチ両用砲で接近しすぎた海賊船に大きなダメージを与えていましたが、それも限度がありました。ソウヤの左舷の火力が落ちていると見た海賊船がソウヤの左舷から強制接舷し、切り込み隊を移乗させてきたのです。ソウヤは艦内での白兵戦に巻き込まれました。そのような戦闘を想定していなかったソウヤ側では、ただ海賊の切り込み隊を防ぐだけで手が一杯となりました。

 ソウヤの抵抗が消えたと見ると、海賊艦隊の主力は悠々とクイーンマーリーゴールド号に接近しました。最も先行する海賊船が、クイーンマーリーゴールド号に近づいてきたとき、地球連邦要人達は真っ青になりました。

 ああ、これで海賊の捕虜となるのか。

 しかし、突然、その海賊船が爆発したのです。

 チベ級2番艦、グナイゼナウが、クイーンマーリーゴールド号の救難信号をキャッチして、駆けつけてきたのです。

 海賊達は、ヴァスコ・ダ・ガマ級の2隻のように楽々と仕留めるつもりで、グナイゼナウに砲門を向けました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

Facebook

このコンテンツを書いたトーノZEROへメッセージを送る

[メッセージ送信フォームを利用する]

メッセージ送信フォームを利用することで、トーノZEROに対してメッセージを送ることができます。

この機能は、100%確実にトーノZEROへメッセージを伝達するものではなく、また、確実にトーノZEROよりの返事を得られるものではないことにご注意ください。

このコンテンツへトラックバックするためのURL

http://mag.autumn.org/tb.aspx/20020508205536
サイトの表紙【機動戦士ガンダム】の表紙【機動戦士ガンダム】のコンテンツ全リスト 【機動戦士ガンダム】の入手全リスト 【機動戦士ガンダム】のRSS1.0形式の情報このサイトの全キーワードリスト 印刷用ページ

管理者: トーノZERO連絡先

Powered by MagSite2 Version 0.36 (Alpha-Test) Copyright (c) 2004-2021 Pie Dey.Co.,Ltd.