2002年05月17日
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宇宙世紀の駄ッ作機 サラミス級多目的巡洋艦(続きの続きの続きの続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 サラミスがなんとか宇宙の戦況を支えている間、連邦軍はモビルスーツの開発を進めていました。それと同時に、モビルスーツを搭載する艦艇の開発も進められていました。それは、全く新規の専用艦の開発の、既存艦艇の改良の二本立てで行われていました。もちろん、サラミス級もその改良対象の一つでした。

 研究の結果、船体がブロック構造のサラミスは、一部のブロックをモビルスーツ運用対応に差し替えることで、モビルスーツ運用能力を与えられることが分かりました。

 具体的には、主に最大で木星までも往復が可能な長距離航行設備が外され、そのかわりに、モビルスーツの収納整備区画が取り付けられました。

 このタイプはサラミスM型と呼ばれ、新規建造分は全てM型に変更されると共に、既存のA~C型をM型にコンバージョンするパーツセットも量産されました。コンバージョンそのものは、大型の艦艇整備設備のある根拠地でしかできませんでしたが、それでも、戦場からそれほど遠くない場所でコンバージョンできることは、現場からは歓迎されました。

 そして、最初にサラミス搭載用のモビルスーツとして配備されたのは、RB-79ボールでした。これは、連邦軍が何とか場を継ぐために開発した大型作業ポッドにビーム砲を付けた兵器でした。さほど高性能というわけでも、強力というわけでもありませんでしたが、上手く使えばジオン軍に一泡吹かせられる潜在力はありました。

 サラミスM型+RB-79ボールの初陣は、第11次北米連絡艦襲撃作戦でした。これは、ジオン軍が、北米との定期連絡のために、ムサイ級2隻を地球周回の低高度軌道にまで降ろし、そこからコムサイを発進させることを妨害することを意図した作戦でした。同様の意図を持った作戦は、それまでにも何度も行われていましたが、それまでの作戦は「嫌がらせ」の域を出ないものでした。しかし、今回は違いました。コムサイの発進を阻止し、もし出来るなら、ムサイの一隻も沈めるということが作戦目標に定められていました。

 そのために、5隻のサラミスM型がルナツーを発進しました。サラミスは、各艦、3個小隊(1小隊2機編成)のRB-79を搭載していました。艦隊全体では、計30機のRB-79が搭載されていました。(その他各艦1機の予備機を搭載)

 ムサイ級の阻止針路に乗ったサラミスM艦隊は、全RB-79を発進させ艦隊前面に展開させました。

 それを察知したムサイ級2隻は、MS-06FザクII 6機を出撃させました。当初、ジオン側はサラミスが発進させたものは宇宙戦闘機(セイバーフィッシュ)であると誤認しており、ザクのパイロットにも緊張感はありませんでした。しかし、セイバーフィッシュの射程距離よりもはるか遠くからビーム砲の砲撃を受けたことで、相手が違うことに気付きました。しかし、気付いたときには、30機のRB-79が繰り出す濃密なビーム砲の雨の中にザク部隊は飛び込んでいました。この最初の砲撃により、ザク3機が撃破され、1機が片腕を吹き飛ばされて戦闘力を失いました。

 残された2機のザクはただちに反撃し、RB-79の3機が撃墜されました。更にRB-79の2機が重大な損傷を受けて後退を余儀なくされました。しかし、多勢に無勢であり、2機のザクは多数のビーム砲の雨の中で次々と撃破されていきました。

 この状況に慌てふためいたムサイ級2隻は、ただちに作戦を中止して交戦を回避するよう、針路変更を行いました。

 しかし、加速性に優れたサラミスは、RB-79隊を収容しつつ、この針路変更に追従しました。

 このとき、実に1年戦争で初めて、ザク抜きで、ジオン艦と連邦艦が本格的な砲撃戦を行うというシチュエーションが発生したのです。

 激しい砲撃戦が始まりました。ムサイ級はミノフスキー粒子を散布して逃亡しようとしましたが、サラミスM型は、ミノフスキー粒子散布下の砲撃戦に対応する手動光学照準器を備えていました。やがて、サラミス級の放った砲弾が、偶然にもムサイ級のエンジン支持支柱に命中しました。片方のエンジンを突然失ったムサイ級は、制御不能の回転運動を始めました。これでは砲撃するどころではありません。5隻のサラミスは、これをチャンスと見て、このムサイ級に対して集中砲撃を行いました。その結果、このムサイ級は完全に破壊されました。サラミスによる初の敵艦撃沈の成果でした。

 残った1隻のムサイ級は、この隙に脱出に成功しましたが、それは重要なことではありませんでした。もはや、この宇宙はジオンのものではなくなったのです。

 確かにRB-79はザクに劣り、サラミスはムサイに劣るかもしれません。しかし、RB-79を搭載したサラミスM型が存在すれば、ジオン軍はこれまでのように警戒心も無く自由に宇宙を駆け回ることができなくなったのです。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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