2002年05月25日
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宇宙世紀の駄ッ作機 グワジン級超々弩級戦列艦(続きの続きの続きの続きの続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 グワジン級2番艦の建造には、1番艦の建造で得た様々なノウハウをフィードバックしました。それにより製造コストの削減と信頼性向上のために、次々と設計変更が行われました。

 その結果、実際に着工する時点では、同じ設計の艦と言うよりも、外形寸法とシルエットが似ているだけの全く別種の艦を建造すると言うのに等しい状況になっていました。

 しかし、それだけの設計変更を行った価値はありました。2番艦は、実に、1番艦の5分の1という短期間で完成にこぎ着けたのです。エンジンも快調で、全ての試験をパスして、ジオン宇宙軍に引き渡されました。

 とはいえ、相変わらずエンジンはグワジン級の泣き所でした。確かに、再設計されたエンジンは、1番艦のように、稼働している時間より整備している時間の方が長いというような酷い有様ではありませんでした。しかし、ジオン技術力の限界レベルの大型エンジンですから、ちょっとでも整備に手を抜くと、いつ停止するか分からない危険もありました。

 つまり、緊急出撃など、整備に時間が取れない状況で、グワジン級が必ず完全に航行できる自信を、ジオン軍はもてないでいました。

 それでも、グワジン級はジオン公国の切り札と言うことで、3番艦の建造も順調に進んでいました。1番艦も、エンジンを交換し、2番艦以降に準じる仕様に改造されることになりました。

 ジオン軍では、グワジン級は整備十分な状態でのみ出撃させる最後の切り札とすることとして、通常任務はチベ級に任せるという方針を立てました。

 ところが、ジオン国民は待てど暮らせど、血税を注ぎ込んで建造したグワジン級の活躍が聞こえてこないことに苛立っていました。政府は、民衆を納得させるために、グワジン級に何かの実績を与えねばなりませんでした。

 そこで、ちょうど計画されていたアクシズ攻略をグワジン級で行うという案が出されました。

 しかし、軍から見れば、いつ海賊船が襲ってくるか分からない場所にグワジン級を送るのは反対でした。しかも、長期間の航海の途中で、エンジンが問題を起こさないという自信もありませんでした。

 関係者が額を集めて相談した結果、グワジン級1隻、チベ級3隻で艦隊を組むことになりました。これはグワジン級に何かがあっても、3隻のチベ級で任務を果たせるようにという配慮でした。また、グワジン級のエンジンが完全に機能停止しても、3隻のチベ級があれば、これを曳航して戻ってこれるはずでした。

 そして、グワジン級2番艦が、3隻のチベ級を率いて、サイド3を出港しました。

 幸い、エンジンに問題は起こらず、グワジン級は順調に小惑星帯に向かいました。

 しかし、航行中に、小惑星帯の海賊がグワジン級を警戒して、グワジン級すら沈められる大型対艦ミサイルを入手した可能性があるという情報が入ると、アクシズ攻略部隊の首脳部は悩み始めました。

 この作戦は、あくまでグワジン級の実績を作るためのもので、グワジン級が沈むような事態は、万が一にもあってはならないのです。

 そこで、慎重策を取るものとし、第1次攻撃はチベ級のみで行い、アクシズの防衛設備を十分に破壊した後、グワジン級も参加した第2次攻撃を行うという作戦が立てられました。

 ところが、事態は思わぬ方向に転がっていきました。ジオンがアクシズ攻略のための艦隊を派遣したことは、大々的に宣伝され、海賊達の耳にも入っていました。しかし、海賊達の意見はまとまりませんでした。帰順すべき、あるいは徹底抗戦という意見もあれば、とっとと逃げ出して別の小惑星に根拠地を移せば良いという意見もありました。

 その結果、第1次攻撃が行われたとき、アクシズに立てこもっていたのは、少数の徹底抗戦派のみでした。彼らは帰順派の海賊達からも攻撃を受け、1時間も経たない内に壊滅し、生き残りは白旗を掲げました。

 この成り行きに驚いたのは第2次攻撃で実力を発揮しようと待ちかまえていたグワジン級の乗組員です。どうやら、慎重に構えすぎて、活躍するチャンスを失ったらしいと彼らは気付きました。

 こうして、グワジン級最初の出撃は空振りに終わってしまったのです。

 こうなったら、別の場所で実績を作るしかありません。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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