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2003年06月10日
遠野秋彦の庵小説の洞total 2069 count

素晴らしき読書は紙とともに

Written By: 遠野秋彦連絡先

 おい、若いの。このワシに、読書について訊きたいというのか?

 おお、それならいくらでも話すことはあるぞ。何しろ、物心付いた頃から、本の魅力って奴に取り憑かれてな。本が無ければ生きては行けない。まさに中毒って奴だな。

 どうだい、若いの。お前さんは、本を読むかい? え? 読むのは好きじゃない? だから、今日日の若いのは駄目だねぇ。なんだい、違うって言うのかい? 本は読まないけど、読書はしてる? するってーとあれかい? 例のわけの分からない機械を使っているのかい? あれはいけねえ。読書ってぇのは、紙だよ紙。あんな妙ちくりんな機械なんか、いくら使っても駄目だね。何、内容は紙で読むとの一緒だって? そりゃ理屈ってもんだぜ。本っていうのは、ただ単に、中身が読めればそれでいいってもんじゃないぜ。何より、本っていうのは、作家も編集者も、紙で読まれることを前提に、精魂込めて作り上げた芸術作品だ。それを、紙以外で読もうなんざ、芸術への冒涜だね。ワシも、長いこと読書三昧の生活をしているうちに、編集者や作家にも知り合いが出来たけど、みんな意見は同じだね。あんな機械で読書ができると言ったって、そんなのはまやかしさ。下手くそに紙の真似事をしているだけで、紙には到底及びも付かないものさ。

 だいたい、読書ってぇのはだな。あの紙に触れることに意味があるんだな。直接紙に触れてページをめくる。興が乗っているとな、ページをめくるっていう、たったそれだけの動作がもどかしいこともあるのよ。でもな、それがいいんだ。悶々とした心に弄ばれながら、次のページの文字が目に飛び込んでくるまでのほんの一瞬を味わうのさ。それがあってこそ、本当の読書っていうものだね。それ抜きの読書なんて、読書じゃねぇ。

 え? 未来のことはいい? 過去のことも訊きたい?

 過去って、過去の何が訊きたいっていうんだい?

 紙が出現する前に生まれていたら、どんな人生を送ったかって?

 そうだな。読書ができないのは、非常に辛い。いや、待てよ。紙が出現する前だって、本はあったさ。紙は、素晴らしいものだがよ。本は紙より前からあったんだぜ。ほら、なんとかいう植物の繊維から作ったり、なんとかいう動物の皮で作ったりさ。いろいろあったのさ。どうだい、博識だろう? これも読書のおかげさね。

 だいたいだな。本というのは、過去の英知を未来に伝える手段なんだ。それは、軽々しく扱っていいものじゃない。その重みを噛みしめながら、安易に便利すぎる機械で読書しようなんて思うのは、ご先祖様方に対する冒涜ってもんだな。ああ、もちろん、もともと動物の皮とかで書かれた本でも、現代に発行するときは動物の皮って訳には行かないから、紙で読むことになるさ。それは、本当はご先祖への冒涜といえるのかもしれん。だが、あの妙ちくりんな機械で読むのに比べれば、はるかにマシだと思うね。ああ、そうさね。ワシだって、すべてに満足している訳じゃない。紙だって、贅沢を言えば、すべての読書を完全に満足させる媒体って訳じゃないさ。でも、あの機械は完全に駄目だね。五千年の歴史がある、伝統的な読書のスタイルを破壊してるからね。それは、どんな読書に対しても破滅的ってもんだ。

 え? 若い頃の読書体験の話も聞きたい?

 いいとも。

 若い頃っていうか、子供の頃はよ。戦争だったんだぜ。世界を相手に無謀な戦争だぜ。連合軍のアメリカの爆撃機、ワシらはB公って呼んでいたけどよ。それが飛んできて、わらわらと爆弾を落として行くのさ。おかげで、読書をするっていっても、読む本がなかなか手に入らないような状況でな。当時はもう、軍人がでかい顔をしてて、連合軍を鬼畜呼ばわりしてたほどだからさ。おかげで、手に入る子供向けの本といや、戦意高揚のための景気のいい作り話ばかりさ。紙も乏しい状況だから、本を読めるチャンスは多くねぇ。おかげで、わくわくしながら、その戦意高揚の宣伝本を読んだね。国を救うために爆弾抱えて飛び込んだとか、奇襲で敵の軍艦をボコボコ沈めたとか、そんな話ばかりだがよ。男の子っていうのは、根っからそういうのが好きなんだな。しかし、子供心にも疑問はあったぜ。こんなに強い我が軍なのに、どうして毎日のように空爆されるんだろうなって。実際、停戦間際には、連合軍の宣伝本なんかも手に入るようになって、軍人連中の言っていたことが嘘だって気付かされたけどな。おかげで、停戦のショックも、ワシの場合は、大したことはなかったよ。それも、紙があればこそ、できたことだぜ。もし、紙が無かったらと思うと、ぞっとするね。やはり、紙は偉大なものだ。いわば歴史の生き証人でもあるわけだぜ。

 なに、ここらで話題を変えたい?

 いいだろう。何が訊きたいのかね?

 文化調査の話?

 ああ、遺跡調査の時の体験談かね。

 確かに、ワシが異文化調査研究に携わっていたときに、遺跡からザクザクと物語が刻み込まれた石版を掘り出したさ。

 あれは、わくわくする出来事だったね。

 何しろ、まだ、我々には知られていない異質な文化の神髄が、こうして、我々の前に姿を現したのだからね。

 もちろん解読に手間取って、それが物語だというのが分かったのは、だいぶ後になってからだがね。

 どんな物語か知っているかい?

 なに? 知らない?

 当時はいろんなメディアで報道されたから、年寄りならみんな知っているはずなんだがね。やっぱり、紙が嫌いだなんて言うのは間違いだね。古い記録も、ろくに読めなくなってしまう。

 ああ、物語か。

 あれは、一種の悲劇だね。

 あの物語は石版に記録されていたわけだな。紙ではなく。しかし、あの遺跡を作った連中も紙のようなものを発明していたらしい。ところが、連中を支配する権力者が、紙を嫌ったらしいんだな。紙なら、情報の大量配布ができちまうからな。権力者は、知を特権階級の独占物にしたかったらしい。それに対抗して、あらゆる知はすべての人間に解放されるべき、という思想を持った連中が立ち向かったという。結果として、富と権力を独占した権力者の方が勝ってしまったということだ。まあ、紙を否定するような、そんな分からんちんの支配する世界など、繁栄が長続きするはずもないね。その後、しばらくして、天変地異に飲み込まれて滅んでしまったらしい。

 だから、分かるだろう?

 紙は重要なんだ。

 ちょっと便利な機械ができたからと言って、紙を捨てちゃいけねぉ。

 え? なんだって?

 そこまで紙、紙とこだわるなら、いいものをあげましょうって? 何かくれるのかい?

 実はワシも欲しいものがあってのう。紙の初代モデルが欲しくてたまらないのだよ。若いの、紙の初代モデルがどんなものだったか知っておるか?

 あれは、画期的な代物だったぞ。それまでの電子読書端末っていうのはだな、要するに読めるだけの代物よ。ところが、ワシの若い頃、21世紀の、そうだな、2070年か2080年頃だな。その頃に、どーんと表示デバイス技術に革命が起きてな。電子読書端末でありながら、使い心地はまるで20世紀の紙そのもの!という、凄い装置ができたんだな。ああ、そうだよ。紙っていうのは、本当は、20世紀に本を作るのに使われていた植物の繊維から作った材料の名前だぜ。嘘じゃねえ。20世紀人は、残虐だからよ。牛だって殺して食っていたし、植物も切り倒して、それで本を作っていたんだぜ。嘘じゃねえって。信じないのか? まったく、これだから、本をよまねえ若いのは駄目だぜ。

 ともかく、あれだ。画期的なデバイスで作った読書端末をだな。確か、インドネシアかタイのメーカーが、「紙」ってな商品名で発売したんだな。英語なら「ペーパー」だな。それが大当たりでな。あのタイプの電子読書端末は、みんな紙って呼ばれるようになったんだぜ。最初は、「まるで紙のよう」と言っていたんだが、いつの間にか、面倒になって、「紙」と一言で言うようになったね。たぶん、植物の繊維から作った本物の紙なんて、誰も使わなくなった時代だから、紙って呼んでも誰も混乱しなかったんだろうな。ああ、本当だよ。木を切って、それで本を作っていた時代があるのさ。良心のある人間に、そんなことができるはずがないって? ワシは嘘なんか言ってないって。

 しかし、紙は本当にいい発明だったと思う。ああ、もちろん、植物の紙じゃなく、表示デバイスの紙の方だ。

 国際連合から制裁決議を食らって、空爆を受けているときだって、紙はちゃんと使えたんだぜ。防空壕の中で、ポケットに入れた紙だけが、情報の頼りだってこともあったんだ。だから、何があっても、紙なら何とかなるとワシは信じられるね。

 なに? 戦争しなけりゃ関係ないだろうって?

 何言ってやがる。

 平和なときにこそ、紙に意味があるんだぜ。

 紙があってこそ表現できるデザインに凝った文字を見る。そして、その文字から空想が広がる。それこそが、読書の真の価値ってもんだ。空想を膨らませると、文字の隙間にいろんな風景が見えて来るんだぜ。読書は行間さ。

 何? マンガはどうかって? マンガだって、同じことさ。単純化された線の間の空白には、やっぱり行間があるのさ。

 そこに空想の翼を羽ばたける余地があるからこそ、紙は素晴らしいんだ。

 なのに、あの妙ちくりんな機械はなんだ。いきなり、脳の知覚中枢にアクセスして情報を流し込むだと? 絶対に馬鹿げているね。

 なに? 安全性に問題はない?

 身体に危険が及ばなくても、味気ないとは思わないのかね?

 いきなり空想することも苦悩することもなく、全部分かってしまうことが本当に、価値のある読書なんだろうかね?

 ああ、もう時間かね。

 なに、お礼を言うことはないさ。こっちが言いたいことを勝手に喋っただけさ。

 帰る前に、ワシにプレゼントがあると?

 最近イギリスの元貴族の屋敷の隠し地下室から出てきた20世紀の本だって?

 ずいぶん丁寧に包んであるね。

 あんたも中味は見てないって?

 じゃあ、今ご対面と行こうじゃないか。

 これは……、洒落にならねぇぞ、おい。

 気付いてないのか?

 これは、例の植物の繊維で作ったって本だぜ。

 あ、おい、どうした。記者さんよ、そんなところに倒れ込んで。

 まあ、しょうがねぇか。さすがに、ちょいとばかり、野蛮すぎるよな。生き物を切り刻んで作った本なんていうのはよ。

(遠野秋彦・作 ©1999 Tohno, Akihiko)

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