2004年05月03日
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文脈病―ラカン・ベイトソン・マトゥラーナ 斎藤環 青土社

Written By: 川俣 晶連絡先

 生き延びるためのラカン 第17回 ピロメオの輪の結び方というページをたまたま読んでいるときに、はたと思う文章に出会いました。

 以下の部分です。

実は僕も、こういうぎりぎりの状況で作品を作っている作家につよい興味がある。とりわけ統合失調症、つまりかつての精神分裂病に親和性のあるタイプの作家たちが大好きだ。画家で言えばフランシス・ベーコン、映画監督ならデヴィッド・リンチ、漫画家なら吉田戦車かな。

(中略)

にもかかわらず、彼らの作品には、まさに「何かそれ自体」としか言いようのないインパクトがある。

(中略)

この手続きがなされていないから、おそろしくインパクトのあるイメージが、彼らの作品にはしょっちゅう出現するわけだ。だからその印象を言語化したり、あるいはシンボリックに意味を解釈したりすることは難しい。彼らの作品については、『文脈病』(青土社)でもっとつっこんだ分析をしているから、関心のある人はそちらもどうぞ。

 「おそろしくインパクトのあるイメージ」でありながら、極めて「印象を言語化」しにくいという言葉で、ボボボーボボーボボというアニメを連想しました。このアニメは、いったい何がどうなっているのかさっぱり分からないのですが、なぜか魅力があって見せられてしまいます。

 それがいったいどういうことなのか、もしかしたら、ここで述べていることが関係あるかも知れないと思い、ここで紹介された「文脈病」という本を即座にアマゾンでオーダーしてしまいました。そのようなわけで、これを書いている時点では、まだ手元にありません。

 しかし、お金も無いのになぁ。財政が厳しいなぁ。それでも本を買ってしまうのは、いかに愚かであることか。

感想編はこちら:

感想その1「キャラクターと文脈性」

感想その2「バロウズとノヴァ急報」

感想その3「女性化という自己治療とその失敗」

感想その4「APシステムにおける自己」

感想その5「インターネット上の論客が致命的に物足りない理由」

感想その6「トンデモ本発生の原理」