2004年11月20日
トーノZEROアニメ感想ハウルの動く城total 75430 count

深読みモード・なぜハウルとソフィーがハッピーエンドになると戦争は終結するのか

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

 ハウルの動く城は、実は一見して筋が通らないように見える描写が多数あります。

 しかも、圧倒的に説明不足です。たとえば、ソフィーに呪いをかけた荒地の魔女ですら呪いの解き方が分からないというのに、なぜソフィーは若い姿に戻れたのか、何の説明もありませんね。もちろん、そういうムードを上手く盛り上げているので、見ていて違和感はありません。しかし、筋の通った説明を求めるなら、全くの説明不足と言えます。

なぜハウルとソフィーがハッピーエンドになると戦争は終結するのか §

 最も意味不明なのが、なぜハウルとソフィーがハッピーエンドになると戦争は終結するのか、ということです。

 サリマンはヒンから送られた映像を見て、ハウルがソフィーに救われ、カルシファーはみんなと一緒にいたいと願い、カブは隣国の王子の姿に戻ったことを見ます。それによって、戦争を終わらせることを決めます。王宮の魔法使いごときが戦争を終わらせることを決められる、というのも凄い話ではありますが、それは横に置きましょう。要するにサリマンはそれだけ王宮を牛耳っていて、隣国にも影響力があるのだと思えば解決することですから。それよりも問題は、なぜ、ハッピーエンドが戦争の終結に結び付くのかです。

1つの解釈、それはハッピーエンド=戦争する理由の消失 §

 この状況に意味があるとすれば、それは「ハッピーエンド」と「戦争する理由」には強い関連があると考える必要に迫られます。

 つまり、ハッピーエンド未満の状態でのみ、戦争を行う理由があるということです。

 では、ハッピーエンドの前後で変化したことは何でしょうか。

  • ハウルが元の身体に戻れないほど魔物化してしまう危険→ハウルは人間そのものに戻る
  • カルシファーはハウルと契約→カルシファーとハウルの契約は解消
  • かかし→隣国の王子

 ソフィーの外見が若いか老いているかは、この状況と連動していないので、関係ないと思われます。

 この中で、直接的にサリマンと最も関係がありそうなことはハウルの身体に関するものと思われます。つまり、戦争状態にあれば、戦争から自分と自分の家や家族を守るためにハウルは戦わねばならず、その結果「元の身体に戻れないほどの魔物化」というリスクにハウルは晒されます。

 では、そのような状況にハウルを追い込むことによって、サリマンは何かの利益を得るのでしょうか?

 それは、十分にあり得ると思われます。

 つまり、そんな苦しい状況に耐えられなくなったら自分のところに来て後継者になれ、とサリマンは言うことができるのです。言い換えれば、サリマンは、自分の弟子であることから逃げ出したハウルを引き戻すための搦め手のプレッシャーとして、戦争状態を引き起こし、利用している可能性が考えられます。

なぜサリマンはハウルにそこまで執心するのか? §

 サリマンの配下には、金髪おかっぱの美少年軍団がいます。

 金髪状態のハウルは、彼らにやや似ていると言えます。

 しかし、それはハウルが望んだファッションではなく、サリマンが自分の好みに合わせて金髪にさせたという可能性が考えられます。

 つまり、ハウルとは本来サリマンのお気に入りの美少年軍団の一員であったはずの男であり、しかもサリマンから見て特にお気に入りだったと推測できます。

なぜハウルはサリマンを拒絶するのか? §

 もちろん、ハウルとしてはオバサンのコレクションになるなどまっぴら御免でしょう。

 当然、ハウルは自由を求め、逃げ出すことになります。

サリマンに戦争を引き起こすことができるか? §

 サリマンが王宮内で絶大な影響力を持っているとしても、それで動かせるのは1国だけです。

 戦争は2国無ければできません。

 では、サリマンは隣国にも影響力を持っているのでしょうか。

 映画の中では、特にそのような描写はありません。

 しかし、隣国といえば、カブ(かかし)が登場します。これが無関係であるとは思えません。

 つまり、サリマンが反戦派の隣国の王子に呪いをかけ、かかしに変えてしまうことで隣国の流れを開戦に傾けた、という可能性が考えられます。

 そのように解釈すると、かかしが元の姿に戻ったタイミングと、サリマンの戦争断念のタイミングが連動していることにも意味が発生します。つまり、戦争継続工作の1つが破綻したことにより、戦争継続が困難になったとサリマンが自覚した可能性が出てきます。

隣国の王子が元に戻る切っ掛けがソフィーのキスである理由 §

 更に過剰な深読みを進めるなら、隣国の王子が元に戻る切っ掛けがソフィーのキスである理由も検討可能になります。

 サリマンが、ハウルの意中の女性としてのソフィーの存在をあらかじめ知っていたと仮定しましょう。その場合、サリマンから見てソフィーは邪魔な存在となります。

 そこで、隣国の王子が元に戻る条件をソフィーのキスと設定したという可能性を想定できます。なぜ、そのような設定が有効かと言えば、呪われた王子様をキスで元の姿に戻した少女は、その王子様と結ばれると期待されるからです。ソフィーと隣国の王子が結ばれれば、ハウルは意中の女性を喪失します。つまり、サリマンに手元にハウルが戻ってくる可能性が跳ね上がります。

 このように考えた場合、ソフィーとカブの出会いは偶然ではなく、サリマンが仕組んだことであると考えることも可能でしょう。

荒地の魔女はサリマンの敵か味方か? §

 ソフィーの姿を老婆に変えた荒地の魔女はサリマンの敵でしょうか? 味方でしょうか?

 上記のシナリオが正しいと仮定すれば、これは「敵」と見なすのが適切であると思われます。なぜなら、ソフィーと隣国の王子を結び付けるのがサリマンの目的だとすれば、ソフィーの姿を老婆に変えるのは不適切だからです。もし、隣国の王子が老婆と結婚するなどイヤだと思うなら、ソフィーと隣国の王子は結ばれません。

 それゆえに、サリマンは自らの計画に水を差す荒地の魔女を王宮に呼び、魔力を奪い取ったのでしょう。荒地の魔女の呼び出しと、王宮に行くソフィーのタイミングが重なったのは、単なる偶然ではないということになります。それは必然的に同時期に発生する可能性が高い出来事だったと言えます。

ハウルがサリマンではなくソフィーを選ぶ理由 §

 ある夜、若いハウルはカルシファーと契約(?)します。

 このハウルの行為はサリマンに承認されたものとは思えません。しかし、それを行うには魔力が必要だろうと思われることから、この時点のハウルは既にサリマンの弟子であり、しかもサリマンからの離反を決断済みであると考えられます。

 そのような状況でハウルは未来のソフィーの姿を見ているわけです。そのソフィーはハウルから見て、希望の光のように見えたかも知れません。あくまでハウルがソフィーを選ぶことに、これが十分な理由になるかもしれません。

サリマン=極悪魔女説 §

 以上を要約すると、こういうことになります。

 サリマンは弟子のハウルの私物化を目論みます。

 それを知ったハウルは逃げ出し、サリマンに対抗する力を得るためにカルシファーと契約して力を得ます。

 サリマンは、戦争を発生させ、ハウルに苦しい戦いを強要すると共に、自分のところに来いというメッセージを送り続けます。

 しかし、ハウルとソフィーは結ばれてしまい、ハウルがサリマンのところに来る可能性は失われます。

 サリマンは戦争状態を終わらせることを決意します。

 このような経緯から推測されるのは、一人の弟子を自分のところに引き戻すという、ただそれだけのために戦争を引き起こし、街を焼き、多くの死者を出させたサリマンの極悪ぶりです。

ご注意 §

 というわけで、サリマン=極悪魔女説というものを考えてみましたが、これが正しいかどうかは全く分かりません。けして、安易に信じ込まないように (笑い。

Facebook

トラックバック一覧

2006年07月24日「ハウルの動く城」にハマる母娘From: MARIの「ねぇねぇ! これ、よかったよ〜」

先週金曜日、テレビで「ハウルの動く城」を娘と鑑賞。元来アニメ好きなもので、私の方が夢中で見てました^^(これまでの宮崎アニメも、一通り見てマス)すっかりハウルのファンになった娘は、「あの人、かっこいい! アタシ、あの人と住みたい」す、住みたいってアナタ…... 続きを読む

2005年01月09日ハウル感想リンクFrom: 微熱界

ハウルの感想で、共感できるものにリンク。…… 続きを読む

このコンテンツを書いたトーノ・ゼロへメッセージを送る

[メッセージ送信フォームを利用する]

メッセージ送信フォームを利用することで、トーノ・ゼロに対してメッセージを送ることができます。

この機能は、100%確実にトーノ・ゼロへメッセージを伝達するものではなく、また、確実にトーノ・ゼロよりの返事を得られるものではないことにご注意ください。

このコンテンツへトラックバックするためのURL

http://mag.autumn.org/tb.aspx/20041120173054
サイトの表紙【ハウルの動く城】の表紙【ハウルの動く城】のコンテンツ全リスト 【ハウルの動く城】の入手全リスト 【ハウルの動く城】のRSS1.0形式の情報このサイトの全キーワードリスト 印刷用ページ

管理者: トーノ・ゼロ連絡先

Powered by MagSite2 Version 0.36 (Alpha-Test) Copyright (c) 2004-2021 Pie Dey.Co.,Ltd.