謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の双恋の感想。
サブタイトル §
第9話 「夕焼けのパステル」
あらすじ §
学園祭の買い出しに出た望は、双樹と出会い楽しい時間を過ごします。
学園祭当日、沙羅と双樹は望のクラスのホラー喫茶に来ます。
沙羅はホラー喫茶をひどく恐がり、クレームを付けます。
望は追い出されるように二人を連れて、校内を廻ります。
美術部の部屋で、双樹は似顔絵を描きます。
双樹が一条姉妹と3人だけになった時、双樹は望には内緒だとした上で引っ越すことを二人に話します。そして、双樹は倒れます。
双樹が沙羅にもらった大切なパステルが1本足りないことに気付いた望は、ゴミ箱からそれを探し出します。
一条姉妹は引っ越すことを望に話します。
望は駅に間に合わないため電車の線路を先回りし、手を振ります。
沙羅と双樹はその姿を見ます。
感想 §
今回の収穫は、全く予測もしていなかった2つのこと。
1つは沙羅ちゃん。
もう1つは、また出た旧型国電。
沙羅ちゃんの特異性というのは、いくつかあります。
1つは、似ていない双子という側面。他の双子が、似た者同士という雰囲気を称えているのに対して、沙羅と双樹は全く対称的な性格を持っています。
もう1つは、男の子っぽさです。沙羅と双樹は双子の姉妹でありながら、男の子的な性格と、女の子的な性格にはっきりと別れています。沙羅はそのうちの男の子の性格を持っています。
このことは、単純に割り切れない微妙な状況を発生させます。つまり、沙羅は双樹に対して男の子的な立場を持ちますが、男の子ではないのでこの関係は満たされません。それゆえに、沙羅は双樹と望の関係の完全なる成就を求めます。しかし、望の前に立つ沙羅は、望から見て女の子として見え、そして女の子である沙羅も望を男の子として見てしまう視点を持ち得ます。それにより、誰と誰が好きであり、誰がそれに嫉妬するという構造が複雑に絡まって曖昧化され、何となくみんなが好感を持つ良い人であるような不思議なムードが発生します。
この不思議なムードは、この3人に限定されることではありません。一条姉妹も望を中心とした曖昧な関係の三角形を構成していて、その曖昧さが沙羅と双樹とも共有されます。それにより、曖昧なより大きな多角形を構成していきます。
この曖昧さは、双子ばかり登場する作品だからこそ出る独特の味という気がします。特に、その曖昧な居心地の良さが全体に広がっていくという状況は、この作品独自という感じがします。
が、しかし、それがこの先もずっと続くかどうかは見守りたいところです。
はたしてこれはモラトリアムに過ぎないのか、それとも別の何かにつながっていくものなのか。あるいは、これは蒼穹のファフナーでいうフェストゥムという状態に過ぎないのか。
また出た旧型国電 §
うーん、湘南型の旧型国電が第1話に続いて再登場。
目の保養です。
しかし、何となくこの色が、新潟色というよりは、155系や159系などの修学旅行色にも見えてしまうのです。
今回の名台詞 §
双樹「そうか、これってデートなんだ」
まだまだ男女関係を意識するかしないか、というぎりぎりの年代なのですね。