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2005年09月28日
トーノZEROゲームプレイ日記FINAL FANTASY VIItotal 4600 count

FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDRENは板野サーカスの隔世遺伝的継承者であるか?

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

 昔々、アニメの世界に板野サーカスというものがありました。

 原型としてのオタク、「我らロリーコンだー」のプロトオタクの時代の話です。

 プロトオタク達は、みな、この板野サーカスにエクシタシーを感じたものです。

 さて、FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN(FF7AC)は、実は板野サーカスの映像表現的方法論を意図せずして受け継いだ継承者ではないか、というアイデアについて書きます。

板野サーカスとは何か §

 板野サーカスとは、アニメーターの板野一郎氏が手がける主にメカによる戦闘シーンを示します。

 コマ送りしなければ把握できない高速性と密度の高さ。そして、無数のミサイルが糸を引きながら飛んでいく表現などが特徴といえます。

 が、しかし、このような理解は表面的でありすぎると思います。

 緻密に描き込んで、素早く動かして、無数のミサイルを飛ばしたら板野サーカスになるのかというと、そうではありません。そのような誤解に基づく模倣者はけして少なくはありませんが、それだけでは本家板野サーカスのエクスタシーには到達し得ないのです。

 では、板野サーカスの本質とは何か。

  • 優れた音楽的リズム感に裏打ちされた動きの快楽
  • そして、自由奔放に立体的に動くカメラ

 この2点が板野サーカスの見落とされる特徴であると私は捉えたいと思うのです。

 これに加えて、以下の特徴を加えることで、現時点での私の板野サーカスの映像表現的な要約としたいと思います。(まあ、それが正しいかはともかくとして)

  • 視聴者が頭で理解する前に切り換えてしまう素早いカットの切り換え
  • フレーム内で同時に複数のアイテムが動く同時平行性

事例で確認する板野サーカス §

 このために、生まれて初めて買ったLDボックスである超時空要塞マクロスのLDボックスを引っ張り出してしまいました。

 さて、上記の特徴を非常によく確認できる事例として第2話「カウント・ダウン」のミンメイの落下シーンを取り上げたいと思います。これは板野さんの作画で良いのですよね? いや間違っていたら凄く恥ずかしいなぁ~ (汗。

 合っているという前提で進めましょう。

 このシーンは、まさに上記の条件が全て明瞭に見られる優れた事例です。

  • 自由奔放に立体的に動くカメラ→バルキリーと落下するミンメイをベストポジションに収めるために、仮想的なカメラもまた自由奔放に動き回っています。実はバルキリー、ミンメイ、カメラの3つが調和して快楽をもたらす位置関係にあることによって、このシーンは成立します
  • 視聴者が頭で理解する前に切り換えてしまう素早いカットの切り換え→実は途中で落下する前方を見るカットに切り替わっていて、全体が1つの長いカットになっていません
  • フレーム内で同時に複数のアイテムが動く同時平行性→落下しているミンメイと、それを助けようとするバルキリーは同時並行で別の動きを見せます。それだけではなく、最終段階では、コクピットから放り出されそうになったヒカルは、バルキリーとも違う動きを見せます

 しかし、これほどすべての特徴を満たすシーンは非常に例外的だと言えます。

 なぜならセルアニメにおいて、カメラを自由奔放に動かすということは、カメラに写る何もかもを全てのコマで作画する必要があるということであり、莫大なコストを要するからです。

 ですが、その制約の中でも、映像に緊張感や自由さを与えるために、様々な工夫が行われています。

 表現に対するどん欲な工夫の積み重ねという意味で、板野サーカスを超えた板野サーカスの模倣者を、私は知りません。

FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDRENという表現 §

 CG表現の技術的な話を除外すると、FF7ACの映像表現的な特徴は以下のようなものだと思います。

  • 把握する前に次々展開していく素早い映像
  • 実写ではあり得ない場所を含め、自由奔放に動き回るカメラ
  • モンスター数体とカダージュの部下2名とクラウドが同時に違う動きを見せながら戦うような、動きの同時平行性
  • 何度見ても飽きない動きの気持ちよさ

 これらは板野サーカスの特徴として示した以下の4つとそのまま1対1で対応します。

  • 優れた音楽的リズム感に裏打ちされた動きの快楽
  • そして、自由奔放に立体的に動くカメラ
  • 視聴者が頭で理解する前に切り換えてしまう素早いカットの切り換え
  • フレーム内で同時に複数のアイテムが動く同時平行性

 このようなことから、両者には共通の映像表現方法論が存在するという仮説を得ることができます。

 仮に、ここでは共通の映像表現方法論を、「動きのエクシタシー」と呼ぶことにします。

対立概念としての「止め絵の美しさ」 §

 「動きのエクシタシー」の対立概念は、もちろん、動かないことに立脚する表現方法であることが推測されます。

 そのようなことを考えたとき、日本のアニメ界には、「止め絵の美しさ」をアニメの美として称える考え方があることを思い出します。

 「止め絵の美しさ」とは、本来動くものであるアニメーションが、低予算でTV放映するために「アニメーション」とは似て非なる「アニメ」に変貌する際に生まれた概念と言えます。

 日本のアニメ、アニメーション史を振り返ると、「動くこと」から始まったアニメーションが、動かないアニメに敗北し、駆逐されていく状況を見て取ることができます。つまり、当初東映動画が長編映画の世界で、あくまで動く絵としてのアニメーションを指向したにもかかわらず、手塚治虫が低予算の動かない鉄腕アトムをヒットさせたことにより、日本は圧倒的に動かないアニメを消費する国になっています。

 言うまでもなく、超時空要塞マクロスは、日本を代表するアニメの1つであり、それは動かない文化、つまり「止め絵の美しさ」の世界に属する存在です。

 それにも関わらず。板野サーカスは動くことを選び取ったことで、極めて浮いた存在になっていたと言うことができるかもしれません。

板野サーカスはなぜ生まれたのか §

 板野一郎氏は、バイクからロケット花火を発射してみるという危険な実践を通じて、戦闘機から発射されたミサイルがどのように見えるのかを主観視点で体験したという話をどこかで読みました。

 このような実践は、頭で考えるだけの映像表現よりも、遙かに優れた成果をもたらします。

 しかし、その結果得られるものは、必然的に3次元的表現であり、動きによる表現になります。平面の止め絵で勝負するアニメの世界からは、自動的に逸脱します。

 ここで1つだけ注意すべき点があります。それは、日本人は平面の止め絵が好きだという俗説は、板野サーカスにあれほど多くの人気があったことから考えて、誤りであろうという推測が可能であることです。

FINAL FANTASY VIIの映像的な特異性 §

 FINAL FANTASY VIIは、ほとんど世界で最初の3D映像表現のRPGと言うことができます。

 その立場は、実は「動きのエクシタシー」と密接不可分の関係にあるかもしれません。

 貧弱なハードウェアと未熟な技術力によって開拓される未知の映像世界において、緻密で美しい映像は極めて得難いものであると言えます。

 それでも3Dによる映像表現にこだわるとすれば、見せ場は「動き」で作るしかないのです。

 つまり、「止め絵の美しさ」と言う技が封じられることにより、「動きのエクシタシー」を追求する以外の選択肢がなかったという状況が考えられるのです。いかに、日本が「止め絵の美しさ」を好む国民性であると信じられていても、それは封じられてしまったのです。

 この時点で、スクウェアの映像表現の方向性が刷り込みレベルで定義づけられたと言うことが言えるかもしれませんが、まさにFINAL FANTASY VIIを名乗るFF7ACは、この遺伝子を直系として受け継いでいると言えるでしょう。もはや、技術水準は「止め絵の美しさ」を追求しても何ら問題ないレベルに達しています。しかし、「動きのエクシタシー」で魅せた作品の続編である以上、それを含めた素晴らしい映像表現を目指すのは当然の成り行きと言えるかもしれません。

なぜ板野サーカスの後継者はゲーム業界の3DCGになるのか §

 板野サーカスの模倣が(おそらくは)ことごとく失敗した理由は、おそらくアニメ業界そのものが、3次元表現、動きによる表現のための感性を持ち合わせていなかったためでしょう。それは、アニメ業界の性質からして、当然のことだと言えます。

 一方、ゲーム業界の方も、アニメ業界からの多くのスタッフの流入、アニメやコミックなどの平面映像表現に慣れ親しんだ人材の流入などの要因があり、ゲーム業界も静止した平面の呪縛から自由であったとは思えません。

 つまり、ゲーム業界だから板野サーカスの後継者を生み出せるというわけでもないと思います。、

 ただ一点。

 ゲームの表現が2次元から3次元に移行するある瞬間に生じた特異性だけが、板野サーカスの後継者たり得る表現を生み出すチャンスになり得たのかもしれません。

 しかし、板野一郎とFINAL FANTASY VIIには1つだけ決定的な差がありました。

 アニメ業界はマクロスの時代には既にシステムが完成し、安定した業界になっていました。やり方を変える必然性はどこにもなく、特異な才能は、たとえニーズがあったとしても継承されずに消えていくしかなかったと言えます。(いや、板野一郎氏が消えたということではなく、彼はまだ現役で優れたアニメを作り続けていますが)。

 しかし、FINAL FANTASY VIIが生まれた時点で、ゲーム業界はまだ体質を固定化してはいなかったのです。むしろ、体質を変えるための産みの苦しみの時代であったといえます。そのような時代に出現した表現は、むしろ体質を固めて安定させるためのツールとして用いられ、それが安定的に継承されうる状況が発生したと言えるのかもしれません。

残された懸念 §

 動きを語ることは、実はとても難しいのです。

 これがはたしてスクウェアエニックスで正しく継承されていくのかどうか。

 その点だけが、懸念と言えば懸念事項です。

 なぜそれを懸念するのかといえば、私は動く映像が、動きによってもたらされるエクシタシーが好きだからです。

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