謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ……ではない感想行ってみよう!
今日の電車男の感想。
サブタイトル §
電車男・もう一つの最終回スペシャル
あらすじ §
電車男のストーリーを、ギター男や阪神男など、電車男を見守った者達の視点から振り返ります。それと同時に、電車男から勇気をもらったギター男や阪神男の恋の成就という結末を描きます。
感想 §
電車男のストーリーを振り返る……、という部分が少し退屈さを感じさせたものの、全体としてはやはり面白いと思いました。
妙なところで凝っているのも事実ですし。自衛隊のT-4も現物が出てくるし。
もちろん、相変わらずあり得ない話をやっているのは事実です。関係者が実は知り合いだったり、電車男を見守っているスレの住人が極めて少なく、かつ戯画的に描かれていたり。
特に、ブルートレインで旅行に行く電車男とエルメスのドラマの部分は、あまりに都合が良い展開でありすぎます。自分から混浴に電車男を誘うエルメスって、ちょっとアレすぎという気が……。
が、それにも関わらず、というか、それだからこそ娯楽作品としての正当性を獲得していると言えるのでしょう。もし、リアルでまっとうな作品を指向していたら、とても時間を取って見る気にはなれなかったはずです。
結局のところ、繰り返しになりますが、このフジテレビの電車男の価値とはそこに帰結するのでしょう。つまり、真面目にやっている当事者が見たら怒り出すようなデタラメの連続こそが、逆説的にエンターテイメントとしての正当性を担保するのです。
それは、FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDRENで、人間がほとんど空を飛ぶようなリアルに反する描写が、逆に確かなエンターテイメント性をもたらしているのと同じようなことだと思います。
今回の一言 §
しかし、一方で、緻密な描写の積み重ねによって、作品世界の存在感をきちんと構築していることも付記する価値があるでしょう。リアルから逸脱するからといって、何をしても良いというわけではありません。その作品内部で示される、その世界のありようから逸脱しないことが、強い制約として必要とされます。それが達成されていることが、ある意味でフジテレビ版の電車男の優れた特徴でしょう。