2005年12月06日
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ソフト冒険記・GoogleのGmailは驚くべき優秀さと驚くべき意固地さの同居?

Written By: 川俣 晶連絡先

 有名なAjaxアプリケーションであるGoogleのGmailをしばらく試用していましたが、利用を打ち切ることにしたので、簡単に感想を書いておきます。

長所 §

 誰もが言うとおり、驚くほどよく出来ています。

 その評価には、機能が過剰ではないという理由が含まれます。

 限定された機能だけが1つの画面に収まっていて、必要とされる情報に素早くアクセスできます。一般ユーザーが必要とする機能はたいてい揃っているだけでなく、一般ユーザーが使うとかえって面倒になる機能が排除されているセンスが秀逸です。

 特に、迷惑メールに報告というボタンが大きく用意されているのは素晴らしいですね。これを使ってユーザー相互に迷惑メールを報告しあえば、迷惑メールのフィルタの精度が上がります。

短所 §

 シンプルに練り込まれたユーザーインターフェースは、設計思想の通りに使う限り、非常に良好な使い勝手を実現してくれます。しかし、そこから少しでも逸脱する使い方を行うと、即座に「融通が全く利かない」という現実に直面させられます。

 私は、個人宛メール、メーリングリストからのメール、メールサーバのエラーメール、メーリングリスト管理者宛の通知メール、その他管理者宛の通知メールなどいくつもの種類のメールを1つのメールアドレスに受けています。

 これらのメールを、procmailによるサーバ上での機械的な振り分け、WinBiffの振り分け機能(100種類以上の条件を登録済み)、WinBiff上での表示順序の変更などを使って捌いています。

 特に、メーリングリストからのメールを読むために、Subjectによるソート機能は有効です。たいていのメーリングリストは、メーリングリストの識別文字列と番号を先頭に付けるために、ソート機能で綺麗に整列させて読むことができます。

 しかし、Gmailは分類という機能があまり強くありません。自動的にスレッドをまとめる機能がありますが、これは必ずしも正しく機能しません。メーリングリストのメールをスレッド化すると、エラーメールもスレッドにまとめられてしまったりします。

 その他に、手動で設定するフィルタ機能もありますが、これも操作が面倒という割に上手く動作していない印象があります。

 ソート機能がないので、メーリングリストを時系列で読むことも極めて困難です。キーワードが分からない場合は、「確かあのメーリングリストの何月頃……」と記憶を辿って読むことがありますが、それはかなり難しい感じです。

 Google側のポリシーは、「ソートするな、検索せよ」ということのようですが、もちろんWinBiff上でも検索機能は日常的に使用しています。はるかに遅いですが、全てのメールに対する検索など滅多に発生しないので、大きな問題ではありません。Googleのポリシーは、分類やソートの機能を使いこなすことに困難を感じるライトなユーザーには優れた解決策たり得ると思いますが、分類やソートの機能を全て使わねばメールの洪水に対処できないユーザーには十分ではないと感じます。

 その他、メールに対する一括処理をどうすれば良いのか分かりませんでした、一度に表示される50メールをまとめて処理するのは容易ですが、受信トレイにある全てのメールをアーカイブしたり、ゴミ箱に移動する処理する方法が分かりませんでした。迷惑メール判定されるメールを除外して、1日に50通以上を受け取る使い方の場合は、かなり使い勝手が落ちるかもしれません。(50は100まで拡張できるようですが、焼け石に水です)

利用を打ち切る理由 §

 messiahさんのブログを読んでいて、この話題に行き当たったためです。

 少なくとも、実行可能ファイルが漏れなく遮断される仕様は、仕事を行う上で決定的な不都合を生じる可能性があるので、受け入れられません。

 特に問題であるのは、誰かが実行ファイルを私宛に送ったとき、それを私が知る機会はなく、送信者には難解な英文エラーメールが返送されることです。

 ちなみに、以下は外部から実行ファイルを送ってみた場合の返送エラーメールの抜粋です。

 エラーメール自身は、自社メールサーバのPostfixが送信しています。

<XXXXXXXXXX@gmail.com>: host gmail-smtp-in.l.google.com[64.233.163.114]

said: 552 5.7.0 Illegal Attachment 24si4153710nzn (in reply to end of DATA

command)

 このうちの"Illegal Attachment 24si4153710nzn"はgoogle.comのメールサーバが返送した文字列と思われますが、なぜ受け付けられないのかの理由がさっぱり読み取れません。

 仮に重要なお客さんにこのようなエーラーメールが返送される可能性があるとすれば、それは使えません。

 Gmailのメールアカウントにforwardしていると、これが返送される可能性があるので、補助的に試用してみるという用途も不可ということになります。これが、今現在、試用を打ち切らねばならない理由となります。

結論 §

 Gmailは、新しい可能性を具体的に提案するという意味では極めて価値のあるサービスであると思います。しかし、これが本当に実用的であるかと考えるなら、「難しい」と言わざるを得ません。提供する機能とニーズがマッチすれば有益ですが、すこしでもずれると快適な利用は困難となります。

 おそらく、様々な特色を持ったGmailのようなサービスが多数出現し、その中から自分のニーズに合ったものを選ぶ時代が来る、という予想が妥当でしょうか?

 それを予感させたことがGmailの功績である、というのがこれを書いている今現在の結論でしょうか。

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