2007年10月09日
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古いアニメのリバイバルブームは、狭義のオタク文化の死を意味するのか?

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

古いアニメのリバイバルブーム §

 最近、古いアニメのタイトルを目にする機会が多い。

 まずキューティーハニーが実写TVドラマとして復活した。

 TBSは深夜にマクロスを再放送している。

 そして、日テレは月曜午後7時というゴールデンタイムにヤッターマンを新作で復活させるという。

広義のオタク文化と狭義のオタク文化 §

 ここでは広義のオタク文化と狭義のオタク文化という言葉を便宜上定義して使い分ける。

 広義のオタク文化とは、アニメやゲームなどの作り、消費する文化全般とする。

 狭義のオタク文化とは、「萌え」というキーワードを主要な価値観として信奉する者達とする。

 ここで注意が必要なのは、オタク文化の一部として認識されている作品群の多くが、必ずしも「萌え」要素を備えていないことである。

 たとえば、オタク文化の主要な担い手としてマスコミで取り上げられることが多い宮崎駿や押井守の作品群は、いわゆる「萌え」とは隔絶している。

オタク文化の欺瞞 §

 実は、広義のオタク文化と狭義のオタク文化は同じではないにも関わらず、たいていの場合倒錯して扱われる。

 たとえば、以下のような論旨展開は珍しくもない。

宮崎駿や押井守は世界で認められたクリエイターである→日本のアニメは世界に通用する日本の文化である→秋葉原に集まるオタク達は世界に通用する文化に担い手である→彼らが愛好するアニメは世界に通用する日本が誇る文化である

 この論旨展開にあって、世界で認められた作品群と、最終的に世界に通用するとされた作品群は必ずしも一致していない。それらの間には大きな溝がある。それにも関わらず両者を同じ「オタク文化」としてくくることによって、世界どころか国内ですら狭いマーケット以外には通用しない作品群が、「世界に通用する」「日本が誇る」文化として認識されてしまう。

狭義のオタク文化は外の世界には通用していない §

 実際には、狭義のオタク文化は、オタク達の世界の外ではほとんど通用していない。

 オタク文化の愛好者は全世界的に存在するため、あたかも「世界が認めた」かのように見えるケースがあるが、実際には少数者の文化でしかない。

 通用しないということは、ビジネスの規模が小さいことを意味する。

 ビジネスの規模が小さいということは、単純にTVにおいて放送される局と時間帯を見れば一目瞭然となる。たいていのオタク向け「萌え」アニメは、安価に放送できる地方局や、深夜時間帯の放送枠でしか流れていない。

 一方で、ネット局のゴールデンタイムに放送されるアニメは依然として存在する。それらの多くは、「萌え」とはあまり関係がない。これらは、広義のオタク文化に属すると言える。

企画のネタ切れという問題 §

 狭義のオタク文化に属する作品は、驚くほど大量に作られている。

 それにも関わらず、古いアニメのリバイバルがブームになるということは、それらの作品群がビジネスに耐えず、かといって他に有力な企画もないという状況があるのだろうと推測する。

 つまり、本質的な意味において、依然としてオタク文化には期待感があり、価値が認識されているということである。

 しかし、狭義のオタク文化に対して期待する時代は終わった……ということだろう。

 これは、狭義のオタク文化の社会的な死を意味するのかもしれない。

2007/10/09 15:13頃追記 §

 書き忘れたが、逮捕しちゃうぞのTVアニメとしての復活や、アニメではなく特撮ではあるがULTRASEVEN XのTVシリーズ開始なども、古いアニメ(等)のリバイバルブームという印象の一部となっている。

 また、ゲゲゲの鬼太郎第5期の放送も、このような印象と無縁ではない。

 とすれば、ガイキング THE LEGEND OF DAIKUMARYUや、実質的にポワトリンの復活となるパンシャーヌなどは、このようなブームの先駆けだったと見ることができるのかもしれない。

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