荒玉水道(都道428号)は、桜上水駅付近で以下のような経路を辿ります。これは水道管を敷設されている真っ直ぐな道ですが、ここで微妙にずれています。おそらく、地下の水道管本体は踏切の下ではなく、まっすぐ線路の下を直進していると推定します。
しかし、これがミステリーというわけではありません。
実はほとんどの車はこの経路の通りに走っていないのです。
実際に通る経路は以下の通りです。
ここで、荒玉水道の代わりに使われているのは荒玉水道以前から存在する道です。しかし、この経路は一見して不便です。荒玉水道の更に先に進むために、国道20号線を迂回する形になります。
しかし、実際には荒玉水道の経路で国道20号を突っ切ることはできないのです。ガードレール付きの中央分離帯があるためです。
その結果、それを試みると更なる迂回が必要とされます。
つまり、現実的に効率よく荒玉水道を南から北に抜けようとする場合、本来の荒玉水道ではない経路を使う方が便利であり、あたかもそれが本道であるかのように道路が整備されています。
しかし、最初からこのような形であったか否かは良く分かりません。
少なくとも、ここには以下のような複数の条件が集中しており、単純ではない歴史的経緯が存在する可能性が考えられます。
- 古くからある南北の道
- 道路としての荒玉水道
- 水道管としての荒玉水道
- 京王線の線路 (留置線絡みでポイントの多い複雑な線路が踏切を貫いている)
- 杉並区と世田谷区の境界線
というわけで、これもまた下高井戸周辺の歴史ミステリーの1つと位置づけてしまいましょう。