dynabook SS RX1/S7Eのパッド不良問題の続きです。
東芝のサポートから交換された新品が今朝届きました。
最初は年明けになると言われていて、それでも構わなかったのですが、東芝のサポートが頑張ってくれたようです。
交換品を送る際、「仕様なので改善はされない」と言われていましたが、実際に届いた個体はかなり程度の良好なものでした。基本的な傾向は同じですが、扱いにくい感じが緩和された感じがします。
考察 §
印象だけで言えば、以下の2つの状況が背景にあるような気がしました。
- 東芝側で問題は認識されているが何らかの事情でこのような構造のまま製造するしかない
- パッドのボタンは使用頻度が低く、ボタンの問題は致命的ではない
第1の問題は、大人の世界であればいくらでも様々な可能性が考えられます。なので、特定の理由の推定はできません。
第2の問題は、少し詳しく説明します。
ボタンは重要ではない §
私がdynabook SS S8を使い始めたとき、意図しないのにドラッグモードに入ってしまう問題が多発しました。そのため、タッチパッドのタップ操作を切り、ボタンを使って操作するようになりました。その結果、おそらく平均的ユーザーよりもボタンを多用しているはずです。
しかし、実はボタンを使うというのは合理的でも効率的でもありません。単なるクリックなら、タップで行った方が良いと思います。
そのような考え方を推し進めていくと、パッドの多機能化が合理的な選択肢として出てきます。たとえば、パッドの四隅に特定の機能を割り当てるような方法です。しかし、狭いパッドの隅に特定の機能が割り当てられていると、誤ってそれをタップしてしまうリスクが発生します。
さて、このような問題にはどのように対処すれば良いでしょうか? その1つの答えを、本機のパッドが横に広いのを見たときに思いつきました。(横に長いのは横長画面だから……という理由もあるでしょう。念のために補足)
つまりパッドが横に広ければ、パッドの隅に機能が割り当てられていても誤って押す可能性が減ります。よく使う右クリック(コンテキストメニュー)ぐらいなら、これを使ってもさほど問題ない気がします。
左ドラッグは、パッドで行うとワンテンポ遅くなりますが、ボタンを使う場合はもう一方の手の指を動員することになるので、腕を動員する手間と打ち消しあってさほど大きな問題とまでは言えず。
最後に残ったのは右ドラッグです。フォルダ間のファイルのドラッグは右ドラッグで行うのが基本ですから、どうしようかと思いました。しかし、よく考えると最近はCtrl+C/X, Ctrl+Vでコピー/移動を行ってしまい、右ドラッグはまず使わないのでした。
というわけで、ボタンの出番はかなり減りそうな感じです。
もちろん、ボタンの出番がゼロになるわけではありません。しかし、かなり特殊な操作に限定されるような気がします。
とすれば、ボタンの扱いにくさはさほど大きな問題とまでは言えません。確実に押せる機能性さえあれば、それで十分に実用的と言えます。
まあ最初に届いた個体の論外に重いボタンは完全に製造上の欠陥だと思いますが、現在手元にある個体のレベルであれば、製品の個性の範囲内と見なして良い……と感じました。
人は楽な方に流れる §
一度タップに慣れてしまうと、ボタンを押すのが面倒くさくなってきました。
タップを切ってあるSS S8でもうっかりタップしてしまったり…… (汗。
東芝ラブラブ……? §
こうやって、とことん付き合ってみた結果として、1つの筋が通っていると感じました。
SS RX1は、SS S?の直接の後継機種ではなく、別の形で筋を通した異質なデバイスだという意味です。
バッテリが著しく改善された結果として、本当にどこにでも持って行けるフットワークの軽さが実現された感がありますが、それを軸として仕様が肉付けされている感じがあります。
SS S8を屋外に持ち出した時の最大の問題は強い日光が差し込む状況で画面が見えにくいことですが、半透過型液晶でかなり改善されています。今日も、セットアップ中に強い光線が差し込む状況がありましたが、マウスカーソルがよく見えました。
そして指紋認証と、横幅が広くカスタマイズ性の高いタッチパッドは、かなりの割合の操作を片手で可能としてくれます。片手で持ちながら、もう片方の手で操作できるわけです。また、指紋認証のおかげで、他人に使われるリスクも下がります。
そういう流れが見えてきたとき、それに沿って使うとかなり使い勝手が良さそうだ……という印象になりました。
素早い対応等によるサポートの好印象と合わせて、東芝ラブラブ……という状況が継続するかもしれません。このあと、大きな問題に遭遇しなければ……ですが。
命名・マシン名 §
マシン名には「元気があって、明朗かつしたたかで、簡単には潰れない」アニメやゲームのキャラの名前を付けると良好な結果を出すという験を担いで名前を付けています。交換されて去った2台のマシンに付けた名前は、どうもその条件を満たしていなかったかもしれないと思ったので、今回はマシン名を変更。
名前は"REBORN"としました。
え、女の子ではない?
既に"TAILS"という前例もあるし、女の子の名前に限ったものではありません。
感想 §
設計思想を正しく見抜いて使いこなせるか、こちらが試されたような気がします。そういう緊張感のある製品は好きですね。
補足・注意点 §
追加で気付いた点を書きます。
- Windows標準のゲームがプリインストールされていない (Vista Bizだから?)
- 指紋認証ソフトのパスワードバンクは、パスワード入力欄のあるダイアログボックスのフォーカス移動をおかしくする (指紋認証で自動入力する関係上?)。パスワードバンクだけ動作をオフにすれば特に問題はない (その場合でもWindows本体の指紋認証はもちろんできる)
- リカバリDVDはVistaとXPの2枚が付属している。特に何の注意書きもないところを見ると、USBあたりの外付けDVDドライブからブートしてリカバリできる? (S7Eは光学ドライブ抜きのワンスピンドルモデル)