コンビニでひおあきら版ヤマトを1冊買ってきて読み始めたわけですが。
なかなかこれは興味深いですよ。
- 沖田艦隊は戦艦1駆逐艦5でしかないと明示されている
- 沖田は特攻風の小規模部隊を率いて、意地を見せようとしているにもかかわらず、残り2隻になるとあっさり撤退する矛盾
- 古代(兄)の艦はどこかに飛んでいく
- ガミラス兵だけがかなり松本零士タッチに近い (松本零士さんに近い人あるいは本人がガミラス兵だけ描いたのか?)
- でも、タッチが貫徹されていないガミラス兵のカットもある
- スターシアは太陽系サ「レ」ザーの第「一」惑星にいる
- 勝手に出撃した古代と島は「敵戦車隊を破壊」してから落ちる (アニメの第1話で戦車は上陸しない)
- 錆びた戦艦大和を艦尾方向側面から見上げている (アニメと違うアングル)
- 墜落した2人を治療する看護婦が森雪ではなく別人
さて、最近になって知識が増えてきたのである程度推測可能です。
かつて、子供の頃に読んだときは「ひおあきら版=勝手な暴走」という解釈でしたが、特に序盤はそうではないかもしれません。というのは、敵戦車を仕留める展開は明らかに初期設定に忠実だからです。アニメには無い展開ですが、おそらく忠実です。
墜落した2人を治療する看護婦が森雪ではなく別人というのも、おそらく初期設定に忠実です。
とすれば、沖田艦隊の矛盾は実際には作者の矛盾ではなく、忠実に描こうとしているのに発注側が混乱している可能性を示します。また、アニメと違うアングルであるのは、アニメの作画前に描いた可能性を示唆します。
ならば、太陽系サレザーの第一惑星という表記も意味があるはずです。
サレザー問題とは何か §
CD化もされている音源で徳光さんが「太陽系サレザー」と言ってしまっています。かつては間違いだと思っていました。ンをレに見間違うのは、手描きでは珍しい話ではありません。しかし、サレザーという表記がここにもある以上、もしかして「サレザーという設定もあったのではないか?」と思えてきます。
とはいえ、徳光さんは「第八惑星」と明言しています。
アニメ(たぶん第23話)では「太陽系サンザーの第八惑星」だったと思います。
というわけで、スターシアの住処は「太陽系サンザーの第八惑星」という設定しかないと思っていましたが、もしかしたら「太陽系サレザー」という設定も存在した可能性も出てきました。というか、統一された設定が必要という認識すら希薄な時代だし、誤認されやすい手描きの全盛期の話でもあります。
というわけで、以下の2つの問題は曖昧化しています。
もちろん、「現在のオフィシャル設定」の話はしていません。もしかしたら、矛盾した設定も「あり」だった時代があるかもしれません。
そう思えば、一(いち)と八(はち)も音が似ていて間違う可能性があります。
ただ、「サンザー」の「第一」という表記は見ないので、表記が揺れた時期がずれているのかもしれません。
感想 §
こういう曖昧な話は好きですね。オフィシャルが何かを決めるという「今」の話ではなく、歴史問題です。ワープロ普及前の話です。