ひおあきら版の初代ヤマトを改めて今になって読み切りましたが。
昔思った「勝手なやりたい放題」ではなく、「忠実に描こうとしたがアニメの方が変わってしまった」とすると、いろいろと違う解釈が出てきます。
これまで、時間的にたっぷりゆとりを持って進行していたバラン星までがほぼ最初の予定通りで、それ以後が全26話対応の短縮版だと思っていましたが、実は予定通りであるのはせいぜい太陽系を出るまでで(ガミラス人の肌の色が青くなる頃?)、太陽系を出た後の展開すらも短縮の影響下にあるのではないかと。
つまり、ハーロックの登場時期は太陽系を出た少し後ぐらいの予定であり、短宿の結果ハーロック絡みのエピソードも消えたのではないかと。
また、ドメル将軍関係のエピソードも最初から全て変更されたのではないかと。
つまり、ドメルではなくロメルという名前を持っているかもしれず、ゲールは副官ではなく同格のライバルのゲルとして登場するはずであったのではないかと。
ヒスの反乱というエピソードがまるまるカットされたことにより、ドメルorロメルのライバルは不要となり、ドメルの副官に収まったのではないかと。(事実、アニメのゲールはさしたる理由のない降格人事なのだ。むしろデスラーの人事が理不尽に思える)
更に言えば §
コスモゼロがブラックタイガーとは別に編隊で登場するひおあきら版は、実は古代専用ではなかったことを示唆します。とすれば、アニメの中の「編隊で飛ぶコスモゼロ」というカットも、単なる間違いではなく、そういう作画資料があり得たことを示します。
とすれば、加藤がコスモゼロではなくブラックタイガーに乗るという変更の前と後があり得ます。また、古代と加藤だけがコスモゼロに乗っているという構想も前段階にあり得るかもしれません。それが第3話の台詞「古代、加藤の宇宙零戦帰還」という台詞に反映しているという可能性もあります。
ちなみに、パイロットフィルムにはエアインテークのある別デザインの宇宙戦闘機も出てきます。
つまり、艦載機に関する設定は実は混乱しており以下のバリエーションが検討されたことになり、その資料が作画、シナリオに使用された可能性があり得ます。
- エアインテークのある別デザインの宇宙戦闘機を搭載?
- コスモゼロ隊(2機より多い)とブラックタイガー隊 (重戦隊)
- 古代と加藤だけコスモゼロ。残りはブラックタイガー
- 古代だけコスモゼロ。残りはブラックタイガー (決定稿)
これは26話短縮とは直接関係ないでしょうし、やはり間違いもあり得たでしょうが。おそらく混乱はあったような気がします。コスモゼロの読み方が「うちゅうぜろせん」か、という問題も含めて、実際の第3話に混乱があるので。
爆撃装備と戦車隊 §
ひおあきら版ヤマトには、2連装砲塔を持つ戦車 (3連装砲塔のガミラス戦車とは違う)や、爆撃装備が出てきます。これも、もしかしたらアニメで「無かったこと」にされた設定かもしれません。
ついでに言えば、ヤマトにそういう過剰に攻撃的な装備まであれば反乱したい気持ちも分かります。
ちなみに、真田「佐助」が反乱すると書いてあったのはヤマトカードだったと思います。(何枚か持っていた。艦首ミサイルは艦内工場で追加生産されるので尽きることはない、ということもこれで読んだのかなあ)
アニメで実際に反乱したのは真田「志郎」ではなく藪達でした。映画版ではスターシアは死んでいて、反乱エピソードそのものが無くなりました。
ひおあきら版の真田さんは一応アステロイドシップのあたりで登場しますが、名前が明確ではありません。というか、名もない雑魚キャラ(ゲストキャラ)扱いなので設定もしっかりしていなかったのかも。アステロイド6の時代からいる由緒正しい相原と違って、なんと扱いの軽いことか。それが、まさか復活編で古代を任命する実質的な上司にまでなるとは。
補足 §
という話は単なる思いつき、可能性の示唆なので、けして信じるなよ!
